ワタミ:シンガポール進出、今期中にも1号店-アジア開拓強化(3)

居酒屋チェーン「和民」などを展開するワ タミはシンガポールへの進出を計画している。年内には現地に子会社を設立し、 今期(2009年3月期)中にも1号店をオープンしたい考えだ。渡邉美樹社長が ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。

厳しい市場環境が続く国内に比べ、香港、台湾などの海外店舗は業績が好調 なことから、海外の展開エリアを拡大する。毎年1カ国・地域ずつ増やしていく 方針で、シンガポールに続き、中国・北京、韓国、フィリピンなどへの進出も検 討していく。

シンガポール進出に当たって渡邉社長は「現地パートナーと組むか、単独で いくかどうか、出資比率、立地などについても8月までに決める」意向で、「来 年3月までには出店したい」考え。マーケット調査の結果では、繁華街など大商 圏で出店する「和民」で4-5店、寿司や刺身など日本料理を提供する郊外など 小商圏型の新業態「和亭」で12-15店出店できる可能性があるという。

海外では現在、香港、台湾などに出店しており、前期(08年3月期)末時 点で20店を運営。今期は30店を計画し、3年後の11年3月期には3倍以上の 65店舗にまで増やす方針。海外事業を強化するため、今秋には香港に新会社 「ワタミインターナショナル」も設立する予定。新会社はアジアでの店舗開発、 提携先の開拓などを手掛ける。

外食事業の今期の連結売上高は、国内が前期比横ばいの871億円、経常利益 は同3%増の40億円をそれぞれ見込む。一方、海外は売上高が同17%増の54 億円、経常利益は同26%増の2億5000万円。海外の業績寄与度はまだ小さいが、 今後も順調な成長が見込めるとして強化していく。経常利益の国内外食が占める 割合は前期で76%だが、「11年には半分以下にしたい」(渡邉社長)。

国内は「和民」を一部、別業態に転換

国内については、主力の「和民」の一部を業態転換する。今年中に約260平 方メートル以上の33店舗を客単価の高い個室タイプで高級業態の「坐・和民」 にし、約165平方メートル以下の17店舗を低価格の「わたみん家」に切り替え ていく計画。業態転換によって、「売り上げが2-3割上がる公算で、全体の利 益が底上げできる」(同)とみている。

「和民」は、コンセプトが「ピンボケになってきている」(同)ため、今後 もっと有機野菜や食の安心・安全などを前面に押し出したメニューやブランドイ メージに刷新する予定。独立を希望する社員向けの小規模店舗の新業態も開発す る。広さは66-100平方メートルほどで自己資金700万円程度で出店できるとい い、800店舗ほどのチェーン展開を目指す。

今期は前期に計上した消費税免除益がなくなり、純利益は前期比28%減の 28億円と落ち込むが、年間配当は前期と同じ20円を維持する。配当性向は前期 の21.2%から今期は29.4%に上昇する。渡邉社長は「配当性向は12年前に 20%と設定したが、時代も変わってきており、今後20-30%の間でやっていこ うと決めている」と話した。

ワタミの株価終値は前日比21円(1.2%)安の1684円。

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