東京外為:ドルもみ合い、原油先高懸念残る-株堅調でリスク回避緩和

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=104円台前半でもみ合った。原油相場の反落を受けた米株上昇を背景 にリスク回避姿勢が緩和するなか、日本株の堅調推移も相まってドル売り・円 買いが鈍化。ただ、原油相場が再び騰勢を強める公算も残ることから、米国の スタグフレーション(景気減速下の物価上昇)懸念はくすぶっており、ドルの 上値は抑えられた。

中央三井信託銀行総合資金部の北倉克憲主席調査役は、「物価上昇の影響 について、金利先高期待を背景としたドル買いか、景気への悪影響を警戒した ドル売りか、市場は方向性を決めかねている」と指摘。そのうえで、ドル・円 相場は週明け26日の米祝日を控えた持ち高調整が一巡し、月初来のレンジとな る102円から106円の中央で動きにくい相場展開になっていると説明する。

原油や株価動向にらみの展開

前日は原油先物が最高値更新後に反落して取引を終了。また、17日までの 1週間の米新規失業保険申請件数(季節調整済み)が市場の予想外に前週から 減少し、景気の先行き不透明感が和らぐ格好となった。

このため、米国株式相場は3日ぶりに上昇し、株価の予想変動率の指標で あるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指 数)は18.05と、9日以来の高水準を付けた21日の18.59から低下した。

損失リスクを伴う投資先の代表格とされる株式への警戒感が和らぐと、外 為市場では、低金利の円から高金利通貨などに資金がシフトするリスク選好的 な動きが出やすくなる。海外市場のドル・円相場は一時104円39銭(ブルーム バーグ・データ参照、以下同じ)と、2日ぶりの水準までドル高・円安が進行 した。

この日の東京市場では、朝方の取引で103円96銭まで円が値を戻す場面が 見られたが、日経平均株価が節目の1万4000円を回復していることから、104 円25銭まで円が下押され、その後も104円台前半で推移している。

ユーロ・円相場も朝方は1ユーロ=163円57銭まで円が上昇したあと、163 円86銭まで軟化し、4月28日以来の円安値圏で推移している。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、原油 相場の反落や米雇用関連指標の強含みを背景に金利が先行きの利上げを織り込 む動きとなったほか、米株の下落が落ち着いたことで、ドル高・円安につなが ったと説明。「原油の上昇に歯止めがかかって、株が安定すれば、ドルの底堅 さにつながる」といったシナリオも想定されるといい、引き続き原油と株価の 動向がドル・円相場に影響しやすい状況が続くとみている。

原油の先高警戒感根強い

そうしたなか、国際エネルギー機関(IEA)は世界の主要400油田の枯 渇率を調査した結果、原油供給の長期的見通しを下方修正する計画にある。今 回の油田調査の結果は11月12日に発表する「年次世界エネルギー見通し」に 盛り込まれるが、昨年の同見通しでは、2030年の供給量は日量1億1600万バレ ルが予想されていた。

22日の原油相場は反落したものの、引き続き130ドル台で高止まりの状況 となっており、需給環境の悪化が確認されれば、再び騰勢を強める可能性が軽 快される。

ユーロ・ドル相場は前日の取引で一時1ユーロ=1.5814ドルと、4月24日 以来の水準までユーロ高・ドル安が進行。その後は1.5693ドルまでドルが値を 戻したものの、この日の東京市場では再び1.57ドル台前半に軟化して推移して いる。

三菱UFJ信託銀の清水氏は「原油の高騰が継続していくと、株式市場の 下落につながり、ドル安が一段と進行する展開もあり得る」として、市場に警 戒姿勢が残る状況を説明。ドル・円相場は103円台後半ではややドルに底堅さ がある一方で、104円台半ばよりドル高水準では売り圧力が強まっており、この 日は104円ちょうどを挟んで上下50銭の値幅でのもみ合いにとどまると見てい る。

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