東京外為:ドルもみ合い、米利下げ観測残る-指標見極め、103円後半

朝方の東京外国為替市場ではドル・円相場が 1ドル=103円台後半でもみ合い。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で は、声明文で景気の先行き懸念に言及されたことで、利下げ観測が残る格好と なり、金利面での投資妙味が一段と低下するとの警戒感からドルの上値は重い。 ただ、あすの米雇用統計発表を控えて、民間の調査結果で雇用の改善が示され たこともあり、指標の上振れ期待感からドル売りの勢いが鈍い面もある。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、米2年債利回りなど はこれまで利上げ方向を織り込むような形になっていたが、FOMC声明で緩 和継続姿勢が維持されているところもあるということで、金利の上昇に若干ブ レーキがかかり、ドルも反落したと説明。その上で、ドル・円については「下 は底堅い感じもするが、東京時間にどんどん上がっていく理由もあまりない」 といい、あすの米雇用統計に焦点が移るなか、東京時間日中は104円ちょうど を挟んで上下それぞれ30銭程度のレンジで推移するとみている。

米利下げ動向に不透明感

米連邦準備制度理事会(FRB)は4月30日にFOMCの定例会合を開き、 フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ2%に設 定することを決めた。

先行きの政策動向を見極める上で注目されていた声明文では、「最近の情報 が示唆するところによると、経済活動の見通しは引き続き弱い。家計と企業の 支出は抑制され、労働市場も一段と軟化した。金融市場は依然としてかなりの 圧迫を受けており、与信条件の厳格化と住宅収縮の深刻化がこの先数四半期に わたって経済成長を圧迫する可能性が高い」と分析している。

声明文で景気の見通しが引き続き弱いことが指摘され、米国株式相場が下 落、債券相場は上昇した。一時104円88銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)と、2月29日以来のドル高値を付けていたドル・円相場は、米金利 の先安観やリスク回避姿勢を背景に103円台後半までドル安・円高が進んだ。

半面、インフレについては、「コアインフレの数値には幾分改善が見られる ものの、エネルギーなどの商品価格が上昇し、ここ数カ月でインフレ期待が上 昇した」と指摘。積極的な利下げに踏み込みにくい面も残っている。

米雇用統計を見極めへ

そうしたなか、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プ ロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが前日に発表した給与名 簿に基づく集計調査によると、4月の米民間部門の雇用者数は前月比1万人増 加した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は6万人減だっ た。

あす2日には労働省が4月の雇用統計を発表する。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめた市場予想では、非農業部門の雇用者数は前月比で7万5000人の 減少と、前月の8万人からは減少幅が縮小すると見込まれている。

市場の予想以上に雇用情勢の改善が示された場合は、利下げ観測の後退に つながる可能性があり、ドルが買い戻される公算もありそうだ。

ドイツ証の深谷氏は、FOMC声明を受けて長期金利の上昇には若干ブレ ーキがかかった感じだが、ADP雇用統計など米指標はそれなりにしっかりめ だったので、ベースラインは利下げ打ち止め方向を気にしながらというところ は変わらないと指摘。「今後の経済指標で改善傾向を示すものが出てくれば、マ ーケットの見方も変わってくる」とみている。

関連記事: FOMC声明:{NXTW NSN K05TQM0YHQ0Y}

--共同取材:小宮弘子 Editor: Norihiko Kosaka, Hidenori Yamanaka

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