米FOMC:0.25%利下げ、反対2票-声明で利下げ停止の用意示唆

米連邦準備制度理事会(FRB)は30日、 連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合を開き、フェデラルファンド(F F)金利の誘導目標を0.25ポイント引き下げ2%に設定することを決めた。決 定は賛成8、反対2。ダラス連銀のフィッシャー総裁とフィラデルフィア連銀の プロッサー総裁が政策金利の維持を求めて、反対票を投じた。

利下げは昨年9月以降で7度目。声明は利下げを停止する用意があることを 示唆した。

FOMCは声明で、「これまでに講じた大幅な金融緩和と合わせ、市場の流 動性促進を目指した継続中の措置は、景気が時間をかけて緩やかに成長するのを 助けるだろう」との認識を示した。声明はまた、「ここ数カ月でインフレ期待が 上昇した」として、物価上昇への警戒を緩めなかった。

FOMCは声明で、「経済成長には下振れリスクが残っている」との表現を 削除した一方で、住宅市場の不振の悪影響を認めた。また、米株式市場は20年 ぶりの積極的な金融緩和が終わりに近づいているとの見方から、下げに転じた。

三菱東京UFJ銀行のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「景気が 大幅に縮小しない限りは、この先数回のFOMCで利下げが実施されることはな いだろう」と語る。5月の「メモリアルデー(戦没者追悼記念日)の週末にはま だ早いが、FOMCはわれわれに対して夏休みを勧告したのも同然だ」と付け加 えた。

インフレ見通し

9カ月に及ぶ信用収縮とエネルギー価格の急騰で米経済はリセッション(景 気後退)の瀬戸際に追い込まれているものの、金融市場には信頼感回復の兆しが 見え始めている。一方で、過去最高値圏で推移する原油価格や食料コストの上昇 で、インフレ期待は上昇している。

スイス再保険のシニアエコノミスト、アルン・ラハ氏は、「FOMCはリセ ッションの深刻化に備えて保険を買い増している」と指摘。「これ以上の利下げ は実施したくないだろう」と語った。

FOMC声明は「金融市場は依然としてかなりの圧迫を受けており、与信条 件の厳格化と住宅収縮の深刻化がこの先数四半期にわたって経済成長を圧迫する 可能性が高い」との認識を示した。

原油価格

原油価格は今月28日に1バレル当たり119.93ドルと、過去最高値を更新。 FOMCはインフレ期待を示す指標が上昇したと指摘した。

声明は「エネルギーや他の商品の価格が今後落ち着き、資源利用への圧力が 緩和されるとの見通しに基づき、委員会はインフレがこの先数四半期で減速する と予想している」とした上で「物価動向を慎重に注視し続ける必要があるとみて いる」と付け加えた。

朝方に米商務省が発表した第1四半期(1-3月)の実質国内総生産(GD P、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率0.6%増加。個人消費はリセッシ ョン下にあった2001年以来の低い伸びとなった。

連邦準備制度理事会(FRB)は公定歩合を0.25ポイント引き下げ2.25% とすることを承認した。FF金利の誘導目標に対する公定歩合の上乗せ幅は昨年 8月、それまでの1ポイントから0.5ポイントに縮小。今年3月16日には1979 年以来初の週末のFRB緊急会合で0.25ポイントに縮小した。

反対票

ダラス連銀のフィッシャー総裁とフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は 今回、金利据え置きが望ましいとして利下げに反対した。前回会合でも両総裁は 反対票を投じていた。

今年に入ってからの利下げ幅は合計2.25ポイントに達した。このうち0.75 ポイントの大幅利下げが2回、0.5ポイントが1回と、積極的な金融緩和を進め てきたほか、3月にはプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)に よる公定歩合での借り入れを認める緊急流動性対策を発表した。

こうした措置が奏功し、金融機関のリスクプレミアムは低下。株価は3月 18日の前回FOMC会合以降、上昇基調にある。

期間5年の米国債に対する住宅金融最大手ファニーメイ(連邦住宅抵当金 庫)の上乗せ利回りは0.56ポイントと、0.90ポイントから縮小している。

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