全日空:前期純利益は倍増、ホテル売却-燃油高の今期は減益予想(2)

国内2位の航空会社、全日本空輸が30日 発表した前期(2008年3月期)の連結決算は、純利益が前の期と比べ96%増 の641億円となった。昨年の直営13ホテルの売却益計上などが寄与した。ホ テル事業が抜け落ちたのに対し、国内線運賃の値上げや国際線の旅客増などで 航空運送事業が増収となってカバーしたものの、燃料油費用の増加などが響き、 営業減益だった。

今期(09年3月期)は燃油価格の高止まりや、前期のホテル売却益もなく なり、連結純利益は前期比58%減の270億円の見通し。

前期は主力の国内線で旅客数が需要の頭打ちや競争激化から前の年を下回 ったが、燃油高による運賃値上げなどで、収入は前の期を上回った。成長途上 の国際線は路線や便数の拡大などで旅客数、収入とも増加した。貨物事業を含 む航空運送事業の増収でホテル事業が抜け落ちた分をほぼカバーした。

利益面では高騰した燃油費が損益を圧迫。営業利益は前の期と比べ8.5% 減の844億円、経常利益が同9.7%減の565億円となった。また、前期にはホ テル事業資産譲渡益1330億円を特別利益に、さらに欧州委員会独禁当局が貨 物に関して欧州連合(EU)競争法違反の疑いがあると指摘していることを受 け、独禁法関連引当金繰入額として162億円を特別損失にそれぞれ計上した。

今期は燃油費が大幅高に

今期予想は、売上高が前期比1.5%増の1兆5100億円、営業利益は同

5.2%減の800億円、経常利益が同8.0%減の520億円。燃油費は前期比で約 350億円増加するとみている。また、前期にはホテル売却益を計上した反動で、 純利益は大きく落ち込む。

今期の航空輸送事業は、国内線が旅客数で前期比2%減に対し、客単価の 同3%アップにより売上高で前期並みを見込む。国際線は旅客数が同1%減に 対し、客単価で同7%増となり200億円の増収の見通し。燃油価格はシンガポ ール・ケロシンで1バレル当たり119ドルと、前期比22ドル高を想定。為替 は同8円の円高となる1ドル=106円を予想。円高は燃料代の支払い面では有 利だが、「燃料代の高騰を補えるレベルではない」(長瀬眞専務)という。

全日空の株価終値は前営業日比1円(0.3%)高の408円。

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