今日の国内市況:株安・債券高、ドルじり安-展望リポートとFOMC

東京株式相場は、3営業日ぶりに反落。 今期業績計画が市場予想を下回った三菱商事を中心に商社株が安く、市況下落 が響いて鉱業、海運なども売られた。今期大幅減益を見込む住友金属鉱山は急 落。米国の個人消費に対する懸念から、対米依存度の高いトヨタ自動車など自 動車株も安い。

日経平均株価の終値は前営業日比44円38銭(0.3%)安の1万3849円99 銭、TOPIXは3.10ポイント(0.2%)安の1358.65。東証1部の売買高は 概算で21億5434万株、売買代金は同2兆9070億円。値上がり銘柄数は784、 値下がり銘柄数は828。一方、4月の日経平均の上昇率は11%で、95年7月 (同15%)以来の高水準だった。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が12、値下がり業種が 21。電気機器、証券・商品先物取引、銀行、建設、保険が高い。半面、卸売、 輸送用機器、不動産、鉄鋼、電気・ガス、医薬品は安い。

米国ではきょう、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や1-3月期国 内総生産(GDP)、2日には4月雇用統計など重要なイベントや経済指標が 相次ぐ。29日に発表となった4月の米消費者信頼感指数や2月の米スタンダー ド・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は、前回実績 より一段と悪化を示した。米国経済に対するリスクが不安視されている上、日 経平均は25日移動平均から4%超の上方かい離にあると短期過熱感も指摘さ れ、28日終値を挟んでこう着感の強い相場展開となった。取引開始前に発表さ れた3月鉱工業生産の下振れもマイナス材料だった。

FOMCでは0.25ポイントの利下げが予想されているが、声明文で金融 システム不安がどれだけ払しょくできるか、実体経済の悪化をどう見るか、イ ンフレ強調で利下げ打ち止めになるかなど、今回は米株式市場の反応が読みに くいとの声がある。FOMCの声明で利下げ打ち止め感が出てくれば、今後は 米国景気の回復期待が高まりそうとの期待感もあり、日経平均は5日移動平均 (1万3753円)こそ維持したものの、指数を押し上げるには材料不足だった。

業種別では市況関連株の下げが目立った。29日のニューヨーク原油先物相 場は、前日比2.6%安と3日ぶり急反落。英石油大手BPが北海パイプライン の送油を再開したことで、供給面での不安材料が後退したことなどが要因。ト ヨタ自動車やホンダなど輸送用機器株も安い。米個人消費に対する不安が高ま った上、外国為替市場では対ドルで円が強含みとなったことも嫌気された。

半面、証券・商品先物取引は東証1部業種別上昇率で1位となるなど、証 券株は高い。電機株も上昇銘柄が多く、電気機器株指数は4日続伸した。

債券は上昇-米債高・生産下振れ

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前日の米株安・債券高に加え、3月 の鉱工業生産が市場予想を下回り、景気懸念が強まったことが支援材料となり、 円債市場は買い優勢となった。新発10年債利回りは節目の1.6%を割り込んだ ほか、先物中心限月は終値で136円台を回復。日本銀行は政策金利の現状維持 を全員一致で決定したが、市場では予想通りと受け止められた。「経済・物価 情勢の展望」(展望リポート)も想定の範囲内で意外感はないという。

東京先物市場で中心限月6月物は、28日終値比40銭高の136円00銭で寄 り付いた後、上げ幅を縮小し、午前9時48分ごろに日中安値135円63銭まで 値を下げた。その後は買いが優勢となり、引け際に日中高値136円22銭まで 上昇。結局、55銭高の136円15銭で引けた。6月物の日中売買高は3兆9618 億円となった。

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、28日終値比0.5bp低い

1.615%で取引開始後、1.62%まで若干水準を切り上げた。その後は徐々に水 準を切り下げ、午後2時59分ごろに4.5bp低い1.575%まで低下。25日以来 の1.6%割れとなった。午後3時58分ごろは4.5bp低い1.575%で推移した。 新発5年債利回りも25日以来の1.2%割れとなり、午後4時ごろは9.5bp低い

1.135%で推移している。

朝方発表された3月の鉱工業生産は前月比3.1%低下となり、市場予想 (0.8%低下)を下回った。1-3月期は前期比0.6%低下と、4四半期ぶりの 低下となった。

日銀は、金融政策決定会合で政策金利を「0.5%前後」に維持する方針を 全員一致で決めた。また、半年に1度の「経済・物価情勢の展望」(展望リポ ート)を公表。実質国内総生産(GDP)成長率の「政策委員見通しの中央 値」は2008年度がプラス1.5%、09年度がプラス1.7%、消費者物価指数(除 く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇率の「中央値」は08年度がプラス1.1%、 09年度がプラス1.0%となった。

金融政策については、「現在のように不確実性が極めて高い状況のもとで、 先行きの金融政策運営について予め特定の方向性を持つことは適当ではない」 とした上で、「この先、下振れリスクが薄れ、物価安定のもとでの持続的な成 長を続ける見通しのがい然性が高まるのか、あるいは下振れリスクが顕在化す るがい然性が高まるのか、よく見極めていく必要がある」との方針を示した。

市場では、予想通りとの受け止め方が大勢を占めた。日銀は足元の景気減 速に柔軟な姿勢を示し、当面は金利正常化を休止するスタンスを明らかにした 半面、2009年度までには経済が緩やかな拡大基調に戻り、金利の正常化路線に 戻る可能性が示唆されたといった声が聞かれた。

ドルじり安-米利下げ休止に疑問も

東京外国為替市場では、午後の取引でドルがじり安。ドル・円相場は1ド ル=103円台後半へ値を切り下げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控 え、利下げの打ち止めが示唆されるかどうかに注目が集まる中、積極的な売買 を手控える向きが多く、日中は実需筋や持ち高調整中心の動きとなった。

ドル・円は104円ちょうど前後で早朝の取引を開始。午前8時半すぎには 103円87銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが軟化したが、 午前11時前には一時、104円21銭までドル買いが進んだ。日本株が午後に下 げに転じると、投資リスクを軽減する目的で円を買い戻す動きが強まり、ドル は103円70銭まで下落。しかし、さらにドルを売り込む動きも見られず、そ の後は103円台後半でもみ合う格好となっている。

ユーロ・ドルは1ユーロ=1.55ドル後半で小動きが続いていたが、午後に はドルがじり安となり、1.5611ドルまでドルが反落。ユーロ・円は1ユーロ= 161円台後半から162円台前半の間でもみ合う展開が続いた。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場動向によると、30日のFOMCで政策金利(現行2.25%)が0.25ポイント 引き下げられる確率は80%。残り20%は据え置きを予想している。次回6月 のFOMCでの政策金利の予想は2%が約70%となっている。

この日は米国で1-3月期の国内総生産(GDP)や、週末の雇用統計の 前哨戦となる民間雇用者数、シカゴ地区製造業景況指数が発表される予定。内 容次第ではFOMCの結果発表を前にドルが乱高下する可能性もありそうだ。

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