3月の新設住宅着工は6カ月ぶりに減少幅が拡大-持ち直しに一服(2)

3月の日本の新設住宅着工戸数は、マンシ ョンなどの大型建築物の着工が減少したことなどが響き、前年同月比でマイナ ス幅が6カ月ぶりに拡大した。減少は9カ月連続。改正建築基準法の影響で昨 年9月に過去最大の落ち込みを記録して以来、住宅着工は順調に持ち直してき たが、足元では回復に一服感が出ている。

国土交通省が30日発表した新設住宅着工戸数によると、3月は前年同月比

15.6%減の8万3991戸となった。年率換算では108.8万戸。ブルームバーグ・ ニュースがエコノミスト30人を対象に調査した予想の中央値は、前年同月比

6.7%の減少だった。2月は同5.0%の減少だった。同時に発表した07年度の新 設着工戸数は1966年以来の低水準となる103万5598戸にとどまり、前年度比 では19.4%減と5年ぶりの減少となった。

昨年6月に施行された改正建築基準法に伴う構造審査の厳格化の影響で、 住宅着工は同9月に前年同月比で44%減少。その後、国交省による一部規制緩 和などもあり、住宅着工は「おおむね持ち直している」(4月の月例経済報告)。 しかし、景気回復が停滞する中、マンション需要の減退に加え、原油・鉄鋼な どの資材価格の高騰などが住宅着工の回復を鈍らせる懸念も出ている。

国土交通省の木下慎哉・建設統計室長は発表後の記者説明で、「改正建築 基準法の施行に起因する影響については引き続き解消の傾向にある」との見方 を示すとともに、減少幅拡大の背景については「貸家とか分譲マンションにつ いて減少幅が拡大しているが、昨年3月に大幅に増加した反動という要素もあ る」と説明した。

懸念材料が浮上

木下室長はまた、「先送りされていた需要がある程度出てくると期待する」 と述べる一方、「景気回復が踊り場にある中、住宅市場についても国内外の金融 資本市場の変動や原油価格などの高騰に伴う資材価格の上昇による影響を受け る可能性がある」と指摘。その上で「分譲マンションの販売在庫も上昇してい るという懸念材料もある」と述べ、幾つかの懸念材料が浮上していることにも 言及した。

構造計算が複雑で審査に時間を要するマンション着工戸数は、3月に前年 同月比22.2%減の1万7587戸と、2月の同11.9%減からマイナス幅が拡大し た。住宅着工の先行指標となる建築確認件総数は、3月は前年同月比14.8%減 の4万9374件。このうち、マンションなど一定規模以上の1-3号建築物の確 認件数は同21.3%減と、2月の同11.4%減から減少幅が拡大した。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表後、「今回の落ち込 みが需要減少の影響なのか、法改正の影響が残っているのか見極めがつかない」 とした上で、「いずれにしても結果的には、景気にとってネガティブであること は間違いない」と言明。新家氏は、1-3月期の国内総生産(GDP)上の住 宅投資については前期比で「プラスになるものの、先行きはどの程度、景気を 押し上げるのか、不透明感が増した」としている。

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