東京外為:ドルがもみ合い、FOMCと米指標で乱高下も-104円前後

午前の東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=104円ちょうど前後でもみ合った。注目の米連邦公開市場委員会 (FOMC)を控え、米国の利下げ局面が終わりに近づいているとの観測がド ルの下値を支える一方、全般的に様子見姿勢が強く、ドルは方向感に乏しい展 開が続いた。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場調査の 尾河真樹シニアマーケットアナリストは、市場では今回の利下げで、米金利は 当面据え置かれるのではないかとの見通しが主流になってきているが、声明で 何が出るかはわからないと語る。その上で、ドル・円は「金利差縮小見通しが やや後退していることによるドル買いと米国の実体経済が悪化してくるのでは ないかという不安感との綱引きの状態にある」といい、FOMCや米指標の結 果次第では、海外市場でドルは乱高下する可能性があるとみている。

ドルがもみ合い

この日のドル・円は104円ちょうど前後で早朝の取引を開始。午前8時半 すぎには103円87銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが軟 化する場面も見られたが、その後はじりじりと値を戻し、午前11時前には一時、 104円21銭までドル買いが進んだ。

一方、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.55ドル後半で小動き。前日の海外市場 では、米国の利下げ打ち止め観測やドイツ大手銀の赤字決算を背景に、1.5541 ドル(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と4月3日以来の水準までユ ーロ売り・ドル買いが進んだが、東京時間午前の取引では1.5553ドルから1.5578 ドルとわずか25ポイントの値動きにとどまっている。

FOMCで利下げ余地見極めへ

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場動向によると、30日のFOMCで政策金利(現行2.25%)が0.25ポイント 引き下げられる確率は80%。残り20%は据え置きを予想している。

また、次回6月のFOMCでの政策金利の予想は2%が約70%となってい る。

エネルギー価格や商品価格の高騰を背景にインフレ懸念が高まる中、今回 のFOMCでは利下げの有無とともに、声明文の内容が注目されており、「利 下げ局面が終えんに近づいていることが示されるのかどうか、あるいは利下げ をせずに終わりと言うのか、それともまだ緩和バイアスを維持するのかが焦点 になる」(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXスト ラテジー・ジャパン・山本雅文氏)。

シティバンクの尾河氏は、FOMC声明で利下げ打ち止め感が出なければ、 再びドルの下値を試す動きになる可能性があると指摘する。一方、当面の据え 置きが示唆されて、日米金利差縮小という流れになれば、「いったんはドル買 いの方向で反応する可能性が高い」ものの、週末には米雇用統計の発表があり、 大幅な雇用減少が示された場合には、ドル売りが加速する可能性もあり、一方 向のトレンドが出るのは難しいとみている。

また、この日は米国で1-3月期の国内総生産(GDP)や週末の雇用統 計の前哨戦となる民間雇用者数、シカゴ地区製造業景況指数が発表される予定 で、ドルは波乱含みの展開が予想される。

日銀「展望リポート」、サプライズなしか

一方、国内では日本銀行が「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を 公表する。成長見通しの下方修正はすでに織り込み済みで、「それほどサプラ イズにはならない」(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの山本氏)と みる向きが多い。また、金融政策については、有力日銀ウオッチャー17人全員 が現状維持を見込んでいる。

朝方には失業率や鉱工業生産指数など国内指標が相次いで発表されたが、 目立った反応は見られなかった。

前日の海外市場では、対欧州通貨で円の買戻しが進み、ユーロ・円は一時、 1ユーロ=161円12銭と今月16日以来の水準までユーロ安・円買いが進んだが、 この日の東京市場では161円台後半から162円台前半でもみ合う展開となって いる。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、FOMCを 控え、日中は動きづらい展開を予想しているが、「強いて言えばクロス円(ド ル以外の通貨の対円相場)の頭の重さがドル・円にも影響する」とみており、 「今後、ユーロ・円が155円程度までの調整に入るかどうか」に注目している。

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