債券は上昇、米債高や生産の予想比下振れで-5年債は1.2%割れ(2)

債券相場は上昇(利回りは低下)。前日の 米株安・債券高を受けて、買い先行となった。鉱工業生産が市場予想を下回った ことも支援材料となり、先物は一時136円台を回復。新発5年債利回りは1.2% を割り込んだ。その後は、日銀の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)、 米国の1-3月期国内総生産(GDP)と米連邦公開市場委員会(FOMC)を 控えて様子見となり伸び悩んだ。

新光証券債券ストラテジストの三浦哲也氏は、「鉱工業生産が悪かったので、 もう少し反応して、先物136円台、10年債利回り1.5%台に買われても良いと思 ったが、視点が違う方に向いている感じ。日本の景気循環よりも、FOMCの方 が、関心が高いようだ。日銀展望リポートも控えている」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、28日終値比40銭高の136円00銭で寄 り付いた後、すぐに136円8銭まで上昇した。136円台回復は、25日以来。しか し買いが続かず伸び悩み、午前9時48分ごろに135円63銭まで値を消した。前 引けにかけて再び値を戻し、33銭高の135円93銭で引けた。

6月物の午前売買高は1兆9619億円だった。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏によると、「朝方 は、鉱工業生産が市場予想を大きく下回ったことを受けて買い戻しが集中した。 その後は、現物市場で戻り売りが出てやや押し戻された。下値を切り上げている 中、様子見となっている」という。

日経平均株価は小反落。28日終値比10円88銭安の1万3883円49銭で午 前の取引を終了した。

なお、租税特別措置改正法案が午後の衆院本会議で再可決される見込み。

10年債利回りは1.61%、5年債は1.18%

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、28日終値比0.5bp低い

1.615%で取引開始後、若干水準を切り上げ、横ばいの1.62%をつけた。その後 は徐々に水準を切り下げ、1bp低い1.61%で引けた。また新発5年債利回りは 5bp低い1.18%で引けており、25日以来の1.2%割れ。

市場では、「前週25日の大幅金利上昇によって、買えない理由の大半が修 正され、年度内利上げを織り込んだ5年債は再び買いの目で見ることができる」 (ABNアムロ証券チーフ債券ストラテジストの市川達夫氏)との声も聞かれた。

一方で、モルガン・スタンレー証券債券ストラテジストの伊藤篤氏は、「F OMCの金融政策の見通しで、今後の利下げトーンを落とすことが予想されてい る」と指摘。

その上で、「米国で金利が上昇し、あす日本でも金利上昇圧力がかかる。フ ァンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)的には債券は依然として買いだと考え ているが、あす金利が上がると予想するなら、きょう買うよりあす買った方が良 いと思う投資家もいるだろう」と語った。

鉱工業生産は市場予想を下回る

朝方発表された3月の鉱工業生産は、前月比3.1%低下となり、市場予想 (0.8%低下)を下回った。1-3月期は前期比0.6%低下と4四半期ぶりの低 下。

3月の失業率は前月比0.1ポイント低下の3.8%、有効求人倍率は0.95倍 と、前月から0.02ポイント低下した。完全失業率の市場予想は3.9%、有効求 人倍率は0.97倍だった。

また家計調査では、2人以上の世帯の実質消費支出は前年比1.6%減少とな り、市場予想(0.4%減)を下回った。

みずほ証券シニアマーケットエコノミストの清水康和氏は、鉱工業生産を受 けて、「元の木阿弥」だと指摘。「基準改定において、10-12月期をピークと した後退懸念はいったん薄らいだが、3月の大幅マイナスで再び10―12月期を ピークとした後退懸念が復活。ただし、まだ景気後退並みの落ち込みには至って おらず、従来の踊り場並みの落ち込み。予測指数で計算して6月を横ばいとする と、4-6月期は前期比0.4%上昇と微増」と分析した。

ゴールドマン・サックス証券シニアエコノミストの村上尚己氏も、「輸出が 減速する中で、生産が転換点を迎えつつあることには変わりない」との見方を示 した。

家計調査に関しては、「1-3月の消費は、うるう年要因もあってGDP統 計上、強めに出る可能性が高く、1-3月の消費は悪くない。ただセンチメント 悪化・雇用の緩やかな減速を背景に、消費の本格回復は見込みがたい」(村上 氏)、「1-3月期の実質GDPは何とか前期比プラスにはなりそうだ」(三井 住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏)などの声が聞か れた。

--共同取材:YUMI TESO  Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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