日銀の警戒姿勢は変わらず、金利正常化復帰も当面なし-東短・加藤氏

東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト は28日付のリポートで、日本銀行は米国の金融システム及び経済の先行きに対 して警戒的な姿勢を変えていないと指摘した上で、株式市場の楽観論や消費者 物価指数(CPI)の上昇に乗じて「金利正常化」路線に復帰する可能性は当 面低いとの見方を示した。

米金融システム問題:

「FRB(米連邦準備制度理事会)のベアー・スターンズ救済、大手銀行 のローン売却、金融システム対策の進展期待から、3月のような混乱に陥る恐 れはかなり消えたが、損失の情報開示や引き当てが進んでいない業態がある上、 実体経済の悪化が商業銀行の資産劣化に跳ね返ってくる可能性もある」

FRBのベアー・スターンズ救済:

「市場を安心させる効果をもたらしたが、同様に、米議会の緊張感も緩め てしまった。公的資金を用いるモーゲージ買い取り機構などの検討は先のこと になりそうだ」

30日の米連邦公開市場委員会(FOMC):

「ドルLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)3カ月物は前回3月18日の FOMC翌日に比べて約30ベーシス・ポイントも高い。マネーマーケットのス トレスはいまだ根本的には改善されておらず、声明文では金融システムに対する警 戒を維持する。『意図せざる引き締め効果』を相殺するためにも利下げする」

日銀の金融政策:

「日本の1990年代後半以降の経験に照らし合わせると、日銀は株式市場参 加者ほど楽観的になっていないだろう。楽観論とCPI上昇に乗じて金利正常 化路線に復帰する可能性は当面低いと推測される」

日銀展望リポート:

「金利運営スタンスを『グラジュアルな引き上げ』から『中立』へ変更す る。リスクの点検は、『上ブレ』より『下ブレ』を強調する。柔軟な対応があ り得ることを示唆しつつ、現在の短期金利水準は緩和的であることも表現し、 全体的には、当面の金融政策は現状維持というイメージを醸し出すだろう」

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE