日本株(終了)金融や不動産株中心に続伸、米金融や為替の不安後退

休みの谷間となった週明けの東京株式相場 続伸。世界的金融不安の後退を受け、三菱UFJフィナンシャル・グループなど の銀行株、T&Dホールディングスなどの保険株中心に上昇。三菱地所などの不 動産株にも買い戻しが入った。ドル安懸念の後退から、トヨタ自動車など自動車 株も高い。東証業種別33指数は、24業種が高く、下落は9。

BNPパリバ証券の平塚基巳株式営業部部長によると、「悪い材料の反応は 鈍くなり、良い材料への反応がそれなりに起きている。米国サブプライムローン 問題が一巡してきた。悲観的なシナリオを立ててはいけない方向に、マーケット が動いている」という。

日経平均株価終値は、前週末比30円90銭(0.2%)高の1万3894円37銭。 TOPIXは同21.84ポイント(1.6%)高の1361.75。東証1部の売買高は概 算で20億3740万株。東証1部の値上がり銘柄数1154、値下がり478。

銀行主導で相対的にTOPIXに強さ

TOPIXは続伸して始まり、その後も上げ幅を拡大。一時は2月27日に 付けた直近高値(1372.82)まであと3ポイントに迫った。午後には高値警戒感 から急速に上げ幅を縮小する動きも見られたが、相対的にTOPIXの堅調さが 終日目立った。日経平均は午後に先物主導で下げに転じる場面があったが、取引 終了にかけてプラスに切り返して終了。

相場をけん引したのが銀行株。米国でインフレ懸念が高まる中、今週開催さ れる米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ観測が後退しており、世界 的に金利が上昇している。25日の米10年債利回りは3.88%と、2月25日以来 の高水準となった。米金利の先高観からドル安に歯止めがかかり、為替市場では ドルの買い戻しが進行。ドルは対ユーロで3日続伸。3日間の上昇率としては 05年6月以来で最大となった。

ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男専務は「日本は4-6月期に利 下げの可能性も指摘されていたが、協調利下げの可能性がなくなり、金利の上昇 観測が高まった」と指摘している。利ざや改善期待が急速に浮上したことから、 銀行株の買い戻しが進展。みずほフィナンシャルグループが一時ストップ高(値 幅制限いっぱいの上昇)まで買われ、東証1部の値上がり上位には新生銀行、三 菱UFJFGなどが入った。

ユーロ動向に見る新局面の入り口

東海東京証券の鈴木誠一マーケットアナリストは、「大きな流れが変わって きている。ユーロはドルに対して強かったが、前週後半からユーロが売られ始め、 強かったものが売られ、弱かったものが買われる展開だ。相場は新しい局面の入 り口に入っている」と指摘する。

TOPIXの上昇寄与度上位を見ると、銀行や不動産、保険、その他金融が 並ぶ。「相場の悲観的シナリオの後退から、悲観論が占めていた不動産、金融株 に見直し買いが入っている」(BNPパリバ証の平塚氏)格好だ。

スイスの銀行最大手であるUBSは先週末、米銀の株式投資判断を「アンダ ーウエート」から「ニュートラル」に引き上げた。UBSによると、銀行が抱え る信用関連証券の評価損は第1四半期決算でほとんどが計上済みになる見通し。 米国ではアナリストや金融機関から同様の発言が相次いでおり、これまで信用不 安でリスク資産から逃避していたマネーの流れに変化が起きている。

精密やディフェンシブに売り先行

半面、午前の取引終了後に発表した第4四半期(1-3月)の連結純利益が 価格低下などで前年同期比14%減となったHOYAを中心に、精密機器株が下 落。今期(09年3月期)の連結営業利益の伸び率が鈍化する見通しとなったN TTドコモを中心に、情報・通信株も売られた。JTなど食品株、関西電力など 電気・ガス株といった景気動向に影響を受けにくいディフェンシブ銘柄も安い。

富士ゼネやブラザ工が急騰、ヤフーは急落

個別では、温暖化の影響でエアコン需要が世界的に伸びたことを理由に、前 期(08年3月期)に復配を決定した富士通ゼネラル、今期(09年3月期)は欧 州やアジアでインクジェット複合機などが伸び、増配方針を示したブラザー工業 がいずれもストップ高で東証1部の上昇率1、2位を占めた。自社株買いの実施 を発表した丸三証券も一時ストップ高。

電動工具大手で、アジアやロシア、東欧向け需要が伸長中で今期(09年3 月期)の連結営業利益が前期比7.5%増となった日立工機、中国やインドなど新 興国の需要がけん引して今期(09年3月期)の連結経常利益は前期比0.4%増の 見通しとなった日立建機も大幅高となった。

これに対し、クレディ・スイス証券が直近の株価上昇で割安感がなくなった などとし、投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に下げたヤフーが下落。 前期(08年3月期)の営業利益が販売価格の低下などで、従来予想を下回った もようのローランドは急落した。前期(08年3月期)の連結純利益は前の期比

8.4%減となったジャパンフーズのほか、米国経済の減速などを背景に連結営業 利益が従来予想比70%減の3億円の見通しとなった日本インターも大幅安。野 村証券は28日、投資判断を「2(買い)」から「3(中立)」に引き下げた。 決算発表を延期した富士通も安い。

国内新興3市場はまちまち

新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数は前日比2%安の63.95、東 証マザーズ指数は同1.6%安の601.38、一方、大証ヘラクレス指数は同0.7%高 の999.37。28日付の日本経済新聞朝刊で不適切な会計処理を行っていた疑いが あると報じられたアクセスがストップ安比例配分。また、今期(08年9月期) の連結純利益が従来予想比35%減になりそうだと発表したエムティーアイも急 落した。一方、工作機械向けなどが下期に好調で前期(08年3月期)の連結業 績が従来予想を上回ったようだと発表したハーモニック・ドライブ・システムズ が大幅続伸。巻線機の原価低減策が予想を上回り、前期純利益計画を増額修正し た日特エンジニアリングは急騰した。

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