トルコ資産の保有リスク高まる-インフレと政治の不安定を反映

トルコの国内経済とエルドアン首相率いる 現政権に関するリスクが高まっていることを認識するには、通貨リラの動きを 見ればいい。

与党・公正発展党(AKP)はウェブサイトで、リラが2007年に過去最 大となる27%上昇を記録したことに伴い、リラの「名声」が高まっているとの 見方を示している。だが、リラは今年に入り8.7%安の1ドル=1.2941リラ に下落。インフレと政治の不安定が、欧州連合(EU)加盟を目指す人口7200 万人のこの国を覆っているためだ。

15.25%という政策金利の高さがリラ取引を活発にしたが、大学生にイス ラム教のスカーフ着用を認める法律を制定したことで「政教分離を侵害してい る」として、首相交代などを求め検察当局が憲法裁判所に提訴したこともあり、 リラは売りに転じた。リラ安は中央銀行のインフレ抑制を目指す試みにも影響 を及ぼしており、3月のインフレ率は9.2%と、EU加盟国では見られない水 準まで上昇した。

メリルリンチとJPモルガン・チェースは、トルコの資産保有を避け、減 らすよう投資家に促している。JPモルガンのエコノミスト(イスタンブール 在勤)、ヤーキン・セベチ氏は、トルコの「政治が一段と不安定になっている上、 大きな経常赤字を抱える国に対し真っ先に影響が及ぶ世界的なリスク回避の動 きを反映し、リラにとって今年は良い年にはならないだろう」と述べた。

1月以降のリラの下落率は、アイスランド・クローナの12%に次ぐ、新興 市場で2番目の大きさ。オプション取引は、新興市場通貨の目安となるリラが 南アフリカ・ランドに次いで、今後12カ月の保有リスクが2番目に大きいこ とを示している。

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