高島屋の水野常務:4月売上高は数%減、自主編集売り場拡大で差別化

国内百貨店3位の高島屋の水野英史常務は28日 放映のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、足元の販売状況や営業力強 化策などについて語った。品ぞろえの面などで他社と差別化していくため、バイヤ ーを増やすなどして「自主編集売り場(自社独自のテーマやコンセプトに合った商 品を買い集め販売する売り場)」を拡大していく方針を示した。主なやりとりは以 下の通り。

――足元の販売状況はどうか。

「3月は比較的順調に推移したが、宝飾品、高額品はかなり苦戦を強いられて いる。4月は景気の後退懸念や物価の上昇などの影響もあって、顧客の購買スタイ ルがかなり慎重になってきている。すべての商品分野においてかなり厳しい状況だ。 現状は数%ぐらい前年比を下回っている傾向にある」

――営業力強化策は。

「一番大事な商品力の強化については、MD(マーチャンダイジング)体制を 見直した。特に婦人服、婦人雑貨のバイヤーを約40人増員し、顧客のニーズや商品 動向を正確に把握できるように努めた。同時に商品情報システムについても見直し た。単品情報管理の強化、サイズ・在庫などのチェック、売れ筋商材の確保、欠品 の防止などを行う」

「同業他店との同質化を避けるためにも自主編集売り場を強化していきたい。 自主編集売り場は現時点で5%程度とあまり大きなウエートはない。経営としては 10-20%という数値目標を持つことが大事ではないかと思う。自主編集での商品調 達では、中間コストが省けるため価格も抑えることができる。利益率の向上にもつ ながる」

――価格政策は。

「高島屋は『上質生活百貨店』を標榜している。上質なものにこだわり、商品 の価値と価格とのいいバランスで提供していく。顧客のすそ野を広げるために単に 価格を下げることは考えていない」

――今後の構造改革、コスト削減策は。

「2年半での目標額90億円は今期、無事に達成して終わる。次の目標は向こう 3年間で100億円程度になるだろう」

――大阪、新宿、横浜など旗艦店への期待は。

「大阪店は増床などにより320億円の増収効果を見込んでいる。ミナミのマー ケットに対して丁寧な営業政策をしていきたい。ミナミは車のアクセスもよく、ち ゃんとしたマーケットが確実に存在する」

「横浜店は2009年が横浜港開港150周年、横浜店50周年にあたるため、売上増 加が期待できる」

「新宿店については今期に売上高835億円、できるだけ早い段階で900億、1000 億円を達成していきたい。6月には地下鉄の副都心線が開通する。東京メトロの試 算によると、最寄り駅の新宿3丁目の乗降客数が1日あたり約5万人。店が地下で つながるため、初めて雨に濡れずに顧客が来店できるようになる。これには期待し ている。和光市、池袋方面から新宿3丁目に必ず人の流れも起きると思う。そのあ たりも試算に入れている」

――これからも単独でいくスタンスは変わらないか。

「現状は店頭での営業力強化に専念する。高島屋ブランドを大事にしてくださ るお客様の満足度を高める。ただ当然、マーケットは縮小していく。その段階にお いて業界で再編統合の動きが強まることは当然想定していかなければならない。高 島屋が積極的にその動きの中に入っていくということではなく、高島屋としても経 営として適正な判断をしていきたいということだ」

――百貨店業界の行方は。

「高島屋は富裕層、上質な生活を嗜好される顧客を対象にしており、そういっ た市場は必ず一定の規模で存在する。業界規模は縮小していくが、百貨店という業 態は必ず存在しうる」

高島屋の株価の午前終値は前週末比変わらずの1168円。

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