日経平均が2カ月ぶり一時14000円回復、金融や業績などの不安後退

連休の谷間となる午前の東京株式相場は 続伸。日経平均株価は2月27日以来、約2カ月ぶりに心理的節目の1万4000 円台を一時回復した。米国の銀行評価損や企業業績に対する過度の不安が後退 し、リスク資産へマネーが回帰する動きが継続している。みずほフィナンシャ ルグループはほぼ3カ月ぶりの50万円台回復、TOPIX銀行株指数は年初 来高値を更新した。トヨタ自動車やソニーなども高く、好決算を確認した日立 建機は急伸。

東京海上日動火災保険・投資部の吉村英一郎課長は、「米金融機関の決算 が一段落し、米国や日本の決算内容もほぼ予想通りと相場の不透明要因がなく なってきた」と指摘。輸出企業は、キヤノンなど1ドル=100円で今期業績を 予想する企業が多いと見る同氏は、「足元の円安で今期減益率が縮小すること への期待感が出ている」とした。

日経平均株価の午前終値は前週末比104円63銭(0.8%)高の1万3968 円10銭、TOPIXは25.52ポイント(1.9%)高の1365.43。東証1部の売 買高は概算で9億903万株、売買代金は同1兆2329億円。値上がり銘柄数は 1141、値下がり銘柄数は432。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が26、値下がり業種が 7。銀行、輸送用機器、不動産、保険、電気機器、機械が高い。半面、情報・ 通信、医薬品、電気・ガス、食料品などは安い。

マネーの流れに変化

金融不安の後退によるリスク資産への回帰が、相場上昇への原動力となっ た。スイスの銀行最大手であるUBSは先週末、米銀の株式投資判断を「アン ダーウエート」から「ニュートラル」に引き上げた。UBSによると、銀行が 抱える信用関連証券の評価損は第1四半期決算でほとんどが計上済みになる見 通し。米国ではアナリストや金融機関から同様の発言が相次いでおり、これま で信用不安でリスク資産から逃避していたマネーの流れに変化が起きている。

先週末に急落した債券市場は、週明けも軟調に推移。立花証券の平野憲一 執行役員は、「国債や一部商品に向かっていた資金が株式市場に戻る流れは、 先週末1日で終わったと考えるのは不自然。しばらくこの傾向は続くだろう」 と見ている。東京株式市場でも、医薬品や電気・ガス、食料品など景気動向に 左右されにくいディフェンシブ業種が安く、マネーがリスクを取り始めた状況 がうかがえる。

また、外国為替市場では株式市場の落ち着きや、米国の利下げ打ち止め観 測を背景にドルが堅調な動き。「米国金融機関の損失はピークアウト感が出て おり、米利下げの打ち止め感が出てくるようなら、円安傾向が進む可能性があ る」(明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリスト)とされた。

シカゴ商品取引所のフェデラルファンド(FF)金利先物相場では、FF 金利は29日から30日まで行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)で

0.25%引き下げの2%、次回6月でも2%が最も多数の見方となっている。

日経平均は節目の1万4000円を回復したことで、2月高値1万4105円や 26週移動平均1万4141円が目先の上値めどとして意識されている。ただ、 「現在のエネルギーでは一気に上値を追うのは難しく、いったんは1万4000 円前後でもみ合いとなるのではないか」(明和証の矢野氏)との声もあった。

金融株がけん引

信用不安の後退から、業種別では金融株が上げを主導した。みずほフィナ ンシャルグループが50万円台、三井住友フィナンシャルグループが4カ月超 ぶり90万円台、三菱UFJフィナンシャル・グループが4カ月ぶり1100円台 と、メガバンクがそろって株価の節目を突破。銀行株指数も先週末比7%高で 年初来高値となるなど、大幅高となった。オリックス、前期業績予想を減額し たプロミスなどその他金融も大幅高で、午前の東証1部の業種別上昇率で1位。 保険株や、金融収縮が長く売り材料視されていた不動産なども急伸した。思い 切った損失処理を行った、と受け止められた野村ホールディングスなど、証 券・商品先物取引も業種別上昇率3位。

特に銀行や保険株については、「インフレで金利が上昇すれば銀行や保険 会社は利ざや改善につながることから、収益改善期待を先取りする形も出てき ているようだ」(DIAMアセットマネジメントの宮田康弘シニアポートフォ リオマネジャー)。25日発表された3月全国消費者物価指数(CPI)は、前 年同月比で6カ月連続上昇し、債券市場の下落の一因となった。

日立建機が大幅高、ドコモは急反落

個別に材料が出た銘柄では、会社側の今期連結営業利益予想がブルームバ ーグ調査を上回り、野村証券金融経済研究所が格上げした日立建機が大幅高。 今期連結営業利益は前期比18%増を見込む富士通ゼネラル、みずほ証券が格上 げしたブラザー工業、今期営業利益が7.5%増見込みでUBS証券が買いを強 調した日立工機はそろって急騰した。資本・業務提携の観測が一部で流れた松 下電器産業と三洋電機はともに上昇。

半面、今期連結業績計画が市場予想を下回り、アナリストの格下げも相次 いだNTTドコモが急反落。クレディ・スイス証券が格下げしたヤフー、野村 証券金融経済研究所が投資判断を引き下げた日本インター、前期単独業績予想 を減額したアシックスがそれぞれ急落した。メリルリンチ日本証券が格下げし た東京エレクトロンや丸井グループ、三菱UFJ証券が格下げしたアドバンテ ストなども安い。

--共同取材:河野 敏  Editor:Shintaro Inkyo

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