3月鉱工業生産指数は前月比0.8%低下の見込み-輸送機械など反動減

3月の日本の鉱工業生産指数は、前月に大 幅上昇した反動減で、輸送機械や化学機械などを中心に2カ月ぶりの減少とな る見込みだ。5年に一度の基準改定に伴い2月の指数水準が過去最高をつけた ことでひとまず景気後退懸念は薄らいだが、引き続き米景気後退観測やエネル ギー・原材料価格の一段高など企業の生産活動を慎重化させる要因は残る。

経済産業省は30日午前8時50分に鉱工業生産指数速報を発表する。ブル ームバーグ・ニュースが事前にエコノミスト28人を対象に調査したところでは、 3月の鉱工業生産指数(季節調整済み、2005年=100)の予想中央値は前月比0.8% 低下、前年同月比では2.0%上昇を見込んでいる。

政府は4月の月例経済報告で、「景気回復はこのところ足踏み状態にある」 との判断を前月から維持したが、エネルギー・原材料高や円高の影響で企業心 理が悪化していることから、企業の業況判断を下方修正した。4-6月期の生 産動向をみる上で、4月、5月の製造工業生産予測指数も焦点だ。経産省が17 日に公表した3月の予測指数では前月比0.2%の上昇を見込んでいる。

ドイツ証券の安達誠司シニアエコノミストは、3月の貿易統計では「アジ ア向け輸出がかなり鈍化している」ことを挙げ、「中国を中心とするアジア向け 輸出が数字通り鈍化しているならば、生産調整が起こる可能性がある」と指摘。 その上で、鉱工業生産指数の旧基準で昨年10-12月期のピークアウト説につい ても、1-3月期以降に「後ずれする可能性も残る」との見方を示す。

電子部品・デバイスは引き続き注目

みずほ証券の清水康和シニアマーケットエコノミストは、「1-3月期は、 これまでの腰折れシナリオから踊り場シナリオへと上方修正され、景気後退懸 念はいったん後退した」とする一方、「電子デバイスの出荷・在庫バランスは1 月からマイナスとなり、基準改定前よりも在庫調整局面入りが早まっている」 と分析する。基準改定で生産指数に占める電子部品・デバイスの比率は低下し ているものの、生産の先行指標として「引き続き注目が集まる」としている。

生産指数に占める各業種の比重は基準改定により、変動の激しい電子部 品・デバイスに加え、情報通信機械や窯業・土石製品などは低下する一方、鉄 鋼・電気機械、輸送機械などは上昇した。

野村証券金融経済研究所の高橋泰洋エコノミストは、06年8月以降、生産 指数の実績が予測指数に対し下振れているため、「3月もこの傾向を続ける公算 が大きい」と述べ、生産指数の低下を予測する。その一方で、生産と関連が強 い物価変動を除いた実質輸出は、同社試算で前月比3.3%上昇と大きく上昇して いることに触れ、「実績の下振れは小さなものにとどまる可能性がある」として いる。

先行きについては、「4-6月期の輸出は弱くなり、企業の生産活動も慎重 化する可能性がある」との見方を示している。

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