日本株は続伸へ、金融不安後退で金融や輸出関連高い-電機再編期待も

週明けの東京株式相場は続伸し、日経平 均株価は2月27日以来、約2カ月ぶりとなる1万4000円挑戦の動きとなりそ うだ。25日の米国で銀行の評価損が最悪期を過ぎたとの見方が高まったことで、 銀行や輸出関連株が高くなる見込み。中でも、業績期待が高まる日立建機など の機械株、松下電器産業と三洋電機の統合観測報道による業界再編期待から電 機株などは上げが大きくなる可能性がある。

みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「リスク資産から安全資産への 資金逃避の動きは一巡した」とし、今後も資金の流れが正常化に向かう動きが 続くと予測。予想配当利回りと長期金利の水準から試算したTOPIXの妥当 レンジは、1440-1530ポイントにあると見ている。TOPIXの25日終値は 1339ポイント。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の25日清算値は1万 3960円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3830円)に比べて130円高 だった。きょう日経平均株価が取引時間中に1万4000円を回復すれば、2月 27日以来となる。

「銀行評価損は最悪期を過ぎた」

スイスの銀行最大手であるUBSは、米銀の株式投資判断を「アンダーウ エート」から「ニュートラル」に引き上げた。UBSによると、銀行が抱える 信用関連証券の評価損は第1四半期決算でほとんどが計上済みになる見通し。 前週末の米国株市場では、米銀最大手シティグループなどが上昇、来年の業績 はアナリスト予想を上回るとの見方をモルガン・スタンレーが示した米住宅金 融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)も高い。S&P500種の業種別10指 数で、金融株は前日比1.7%高となった。

金融不安や米国経済に対する過度の悲観がともに和らぐことで、週明けの 東京市場でもみずほフィナンシャルグループなど銀行株のほか、トヨタ自動車 やキヤノンなど輸出関連株は堅調な動きが継続しそうだ。会社側の今期連結営 業利益予想がブルームバーグ調査を7.6%上回った日立建機を中心に、機械株 は上げが大きくなる見通し。

米主要株価3指数の25日終値は、S&P500種株価指数が前日比9.02ポ イント(0.7%)高の1397.84、ダウ工業株30種平均は同42.91ドル(0.3%) 高の12891.86ドル。ナスダック総合指数は5.99ポイント(0.3%)安の

2422.93と小安い。

為替安定も支援

内閣府が25日発表した「企業行動に関するアンケート調査」(対象:上 場企業約2500社)によると、企業が収益を確保できる採算円レートは1ドル =104円70銭。前年度調査(同106円60銭)に比べてやや円高で採算がとれ る状況が明らかになった。外国為替市場は1ドル=104円台で推移しているこ とから、円高による企業収益の過度の業績悪化懸念が薄らぎつつあることも、 輸出関連を中心とした相場の支援要素になる。

みずほ証券の北岡氏によると、比較的インフレへの抵抗力が強く、長期金 利の上昇傾向に対してアウトパフォームしやすいベータ値の高い業種としては、 金融では銀行以外のセクター、加工産業では機械や輸送用機器などがあると指 摘している。

松下・三洋統合観測や武田薬の自社株消却も追い風

28日付の読売新聞朝刊は、経営不振が長引く三洋電機の抜本的な再建策と して、松下電器産業と資本・業務提携する案が浮上していることが明らかにな ったと報道。将来、両社が経営統合する案も視野に入っているとしている。

また、武田薬品工業は25日、過去の自社株買いによる金庫株をすべて5 月23日に消却すると発表した。消却株指数が発行済株式数に対する割合は

6.42%に達する。日本を代表する製薬企業で株主還元策を向上させる強い方針 が確認されたことで、時価総額上位のキャッシュリッチ企業を中心として株主 還元期待が日本株全体の下値を押し上げる可能性もある。

野村HDは急落も、政権運営に厳しさ

市場全体では最悪期を脱したとの見方がある金融不安だが、業績への悪影 響が確認された個別銘柄に対しては引き続き下げ圧力が強まりそう。野村ホー ルディングスは25日、08年1-3月期連結純損益(米会計基準)が1539億円 の赤字(前年同期は331億円の黒字)になったと発表した。サブプライムロー ンなどを保証するモノライン(金融保証会社)の保証額に対する引当金が1320 億円に膨らんだのが主因。週末の米国預託証書(ADR)市場では25日の東 京市場終値比3.2%安と急落した。

一方、福田康夫首相の就任後初めての国政選挙となった衆院山口2区補欠 選は27日に投開票が行われ、民主党前職で社民党推薦の平岡秀夫氏が当選を 果たした。自民党の新人で、公明党が推薦した元内閣審議官の山本繁太郎氏が 落選したことで、福田首相は一段と厳しい政権運営を強いられ、政局不透明感 が相場全般の重しになる可能性もある。

東芝や富士ゼネなど上昇か

個別では、次世代DVD関連事業の撤退費用が大幅に減ることで今期の連 結純利益が前期比2%増になる見通しの東芝、今期連結営業利益は前期比18% 増を見込む富士通ゼネラル、前期営業利益見通しを従来計画に比べて引き上げ たスクウェア・エニックスなどが高くなりそう。

半面、今期連結業績計画が市場予想を下回り、アナリストの格下げも相次 いだNTTドコモには売りが増加する見込み。メリルリンチ日本証券が格下げ した東京エレクトロン、クレディ・スイス証券が格下げしたヤフーなども下落 する公算が大きい。

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