債券は軟調か、米株高・債券安を受け売り先行―信用危機後退で(2)

債券相場は軟調(利回りは上昇)な展開が 予想される。25日の米国市場で、世界的な信用危機が緩和しつつあるとの観測 が広がり、株価が続伸し、米債相場が続落した流れを引き継ぎ、売り先行で始ま る見通し。前週末に先物が一時売買停止になるなど急落した余波がくすぶりそう だ。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏は、インフレ 懸念から欧米長期金利は上昇傾向にあり、米連邦公開市場委員会(FOMC)で の25ベーシスポイント(bp)の利下げは織り込まれているものの、米国長期金 利の低下余地は限られると指摘。

その上で、「国内債市場は、参加者も少なくなる中、あす以降の経済指標を 前にポジション(持ち高)を傾けにくく、先週末の水準をはさんで不安定な動き が続く」と予想している。

東京先物市場の中心限月6月物は、前週末の通常取引終値135円59銭を若 干下回った水準で始まった後、日中は135円10銭から135円70銭程度のレンジ で推移しそうだ。

24日のロンドン市場で6月物は、東京終値から24銭安の135円35銭で引 けた。

前日の先物相場は急落。米金融危機懸念の後退、日経平均株価の反発、消費 者物価指数(CPI)などを受けて、日銀の利下げ観測が消失したことを背景に、 投げ売りや損失覚悟の売りが膨らんだ。東京証券取引所では、先物中心限月の下 げ幅が2円を超えたため、サーキットブレーカーを発動、取引を一時停止した。 2008年1月15日にサーキットブレーカー制度が開始されて以来、発動は初めて。

中心限月6月物は、前日比1円49銭安の135円59銭で取引を終了。25日 の日中売買高は7兆233億円だった。

10年債利回りは1.6%台半ばから後半か

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、前週末の終値1.645%を若 干上回る水準で始まり、日中ベースでは1.6%台半ばから後半での取引が見込ま れる。

三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、「長期金利は水準 感と方向感が定まらず乱高下。前週末の急騰の余韻と米債安の影響で上振れしや すい」と予想している。

一方、日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「長 期的コア・レンジの10年債利回りの1.5-2.0%に入り、今年度弱気の相場観を いったん収めて良さそうだ」としながらも、「連休の谷間、滞留する大量の現物 がすぐに消化されるとは考え難い。また多くの市場参加者が前週末のような売り が続くとの警戒感を抱き、4月の『展望リポート』など見極めたい材料も控えて いる」と指摘、朝方は波乱含みだが、その後は狭いレンジを予想している。

リスク管理面から投資家のポジション圧縮の動きが強まっている半面、

1.6%台では押し目買いも期待されている。

日本相互証券によると、現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、前 日比5ベーシスポイント(bp)高い1.53%で取引開始後、いったんは1.525%をつ けた。その後は水準を大幅に切り上る展開となり、16.5bp高い1.645%に上昇し て引けた。これは昨年11月1日以来の高い水準。

新発5年債利回りは19.5bp高い1.24%で引けた。

一方、10年物国債の291回債利回りは、東京時間の前週末午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.60%だ った。

米国市場は株高・債券安、信用危機緩和で

25日の米国債相場は続落。ここ2週間での下落幅は2001年以来の最大とな った。30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を最後に当面は利下げが停止 されるとの見方が強まっていることが背景。世界的な信用危機が緩和しつつある との観測が広がるなか、米国債を売って株式や社債といった高利回り資産を買 う動きが進んだ。

BGキャンター・マーケット・データによると、2年債利回りは前日比3bp 上昇の2.42%程度。一時は2.50%を付ける場面もあった。過去2週間では約 68bp上昇している。10年債利回りは前日比4bp上昇し3.87%付近。

一方、米株式相場は上昇。週間ベースでは2月以来初の連続高となった。金 融株が取引後半にかけて値上がりし、消費者信頼感の低下やソフトウエア最大手 マイクロソフトの軟調な増収見通しといった弱材料を打ち消した。

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