日本経済はリセッション回避の公算-輸出は多様化、企業の足腰強い

1970年代以来、日本経済は米国がリセッシ ョン(景気後退)入りするたびに追随していた。しかし、今回は違うかもしれな い。

米国のリセッションは70年以降5回。1970年には、米国向けが日本の輸出 全体の30%を占めていた。今ではその割合は20%だ。トヨタ自動車など日本の 輸出企業は以来、米国以外の輸出先を拡大した。80年代後半のバブルが崩壊し てから、日本企業は生産合理化や財務強化も進めてきた。

キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のチーフエコノミスト、ジュリア ン・ジェソップ氏は、「米国は日本の輸出先として、かつてほど大きな位置を占 めていない」上に、「日本経済の体力も増している。失われた10年の後に日本経 済は変身を遂げた」と指摘した。

今月は、ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーの証券 会社2社が、日本が今年リセッション入りするとの予想を撤回した。きっかけは 2月の鉱工業生産指数だった。今月17日に発表された同指数確報値は、指数基 準改定の結果、前月比でプラスと、速報値のマイナスから大幅に上方修正された。

同日中に、日本銀行が年内に利下げをする確率は4%まで低下(JPモルガ ン・チェースの算定)。この確率は3月20日には71%だった。

リセッションではなくソフトパッチ

日本のリセッション入りを2月以来予想していたモルガン・スタンレー証券 の佐藤健裕チーフエコノミストは、リセッションではなくソフトパッチ(軟調局 面)に予想を変更した。日本が既に景気後退期にあると1月から論じていたゴー ルドマンも、今は1-3月期の成長率を約2%と見積もる。

米国向けが減少するなかでも、輸出は過去7カ月にわたり前年同月比で増加 してきた。中国向けは過去2年で45%増え、ロシア向けは倍増している。ヘッ ジファンド、タンタロン・リサーチ・ジャパンのディレクター、イェスパー・コ ール氏は「日本の製造業界はグローバル化のお手本だ」と話す。

さらに、外部環境にかかわらず、日本企業の足腰はバブル崩壊後のどの時期 よりもしっかりしている。資産に対する負債比率は平均で約65%と、1955年以 来の低水準にあり、90年代半ばの80%とは様変わりだ(メリルリンチ証券の大 久保琢史エコノミスト)。また、生産設備の余剰を測る日銀企業短期経済観測調 査(短観)の生産設備判断は9四半期にわたりゼロかマイナスとなっている。

ジェソップ氏は「先進経済の中で、予想外の上振れで今年、市場を驚かせる のは日本だろう」と話している。

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