訂正:メモリー不況が直撃-東芝は今期横ばい、エルピーダも回復急務

半導体市場のメモリー不況がメーカーの業 績を直撃している。東芝は今期(2009年3月期)の業績は営業増益を見込むも のの、半導体事業が利益の大半を稼いできた構図が崩れ、同事業の利益はほぼ横 ばいで推移する見通し。エルピーダメモリは前期(08年3月期)に04年3月期 以来の営業赤字に転落し収益回復が急務だ。

東芝の半導体事業の営業利益は前期比1.1%増の900億円を予想。06年3 月期には全社の半分以上を稼いでいたが、今期の貢献度は3割程度に低下する。 注力するNAND型フラッシュメモリー(電気的に一括消却・再書き込み可能な メモリー)の価格下落が想定以上に進んでいるためで、村岡富美雄専務によると、 「前期は50%以上下落した。今期も40-50%程度下がるだろう」という。

フラッシュメモリーの市況で指標となる容量8ギガ(ギガは10億)ビット 品のスポット価格は昨年4月に1個当たり9ドルだったが、9月以降は急激な価 格下落が進み、今年4月2日には最安値の2.5ドルを付けた。足元は3.31ドル。 米調査会社アイサプライは08年の世界市場の伸び率は9%と、前年の13%から 鈍化すると予想している。

エルピーダ、4月に10%超値上げ

DRAM専業のエルピーダの前期決算は249億円の営業赤字。01年のIT (情報技術)バブル崩壊後のメモリー不況を上回る大暴落で、スポット価格は過 去1年間で8分の1に落ち込んだ。最大手の韓国サムスン電子が25日発表した 01-3月期決算も、DRAMとNAND型フラッシュメモリーなどを主力とす る半導体事業の利益が約64%減の1900億ウォン(約198億円)と苦戦した。

エルピーダが次世代技術開発と将来の共同生産で提携を決めたDRAM4位 の独キマンダの1-3月期は4億5300万ユーロ(約725億円)の営業赤字。過 去1年間の営業赤字の合計は約16億6900万ユーロ(約2670億円)に膨らんだ。

エルピーダの坂本幸雄最高経営責任者(CEO)は25日夕の投資家説明会 で「他社より1-2世代先の技術を行くことで高い生産性を維持した。そうでな ければ赤字はもっと大きかったはず」と述べながらも、「どんな状況でも赤字を 出さない」という目標を実現できなかったことを「反省している」と述べた。

一方で「4月に入りスポット価格は下げ止まった」と指摘。1-3月期で全 売上高の半分を占めるパソコン用DRAMで容量1ギガビット品のスポット価格 は24日、約2カ月ぶりに2ドル台を回復した。坂本氏によると、大口顧客との 相対取引交渉で、4月は前半と後半で各5%以上、計10%以上の値上げを実現 したという。

今期の設備投資は東芝が前期比11%減の3670億円、エルピーダが同38% 減の約1000億円を計画。東芝は新工場建設と微細化のための技術開発に、エル ピーダは広島工場の微細化の投資と台湾の合弁工場の能力拡大に、それぞれ振り 向ける予定だ。

東芝株の終値は前日比17円(2.0%)安の848円、エルピーダメモリは同 130円(3.2%)安の3800円。

【07年NAND型フラッシュメモリー上位8社】 順位 売上高(百万ドル) シェア(%) --------------------------------------------------------

1.韓国サムスン電子 5,859    42.1

2.東芝 3,877    27.9

3.韓国ハイニックス 2,381    17.1

4.米マイクロン 854     6.1

5.米インテル 410     3.0

6.伊仏STマイクロ 306     2.2

7.ルネサステクノロジ 210     1.5

8.独キマンダ 10     0.1 合計 13,906    100.0 -------------------------------------------------------- 注)出典:アイサプライ(2008年4月、速報値)

*T
【07年10-12月期DRAMメーカー上位10社】
順位                 売上高(百万ドル) シェア(%)
 --------------------------------------------------------
 1.韓国サムスン電子       1,933           30.0
 2.韓国ハイニックス       1,213           18.8
 3.エルピーダ               830           12.9
 4.独キマンダ               744           11.5
 5.米マイクロン             739           11.5
 6.台湾ナンヤ               314            4.9
 7.台湾力晶半導体           238            3.7
 8.台湾プロモス             257            3.0
 9.台湾エトロン             103            1.6
10.台湾エリート              49            0.8
その他                       95            1.5
合計                      7,334          100.0
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注)データは、DRAM市場全体(PC用、非PC用を含むトータル)の数字。
出典:アイサプライ(2008年2月)
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