日本株(終了)金融中心に大幅反発、ドル安歯止め期待-資金逆流兆し

週末の東京株式相場は大幅反発。金利の先 高観から三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株、ミレアホールディ ングスなどの保険株といった金融株に買い戻しが入った。過度のドル安不安の後 退から、外国為替市場では一段の円安・ドル高が進み、ソニーやキヤノン、トヨ タ自動車などの輸出関連株も上昇。前日売られた花王などの化学株、JFEホー ルディングスなどの鉄鋼株も見直された。東証業種別33指数は、28業種が高い。

大和投資信託投資調査部の長野吉納シニア・ストラテジストは、「ここ1カ 月でだんだんセンチメントが変わってきていた。債券、為替、株式すべてのマー ケットで値動きが大きくなっている」と指摘。現象面だけから憶測すると前置き した上で、「CTA(商品投資顧問)など先物中心のファンドが、これまでとは 反対の動きを機械的に出していることは考えられる」(同氏)と話した。

日経平均株価の終値は、前日比322円60銭(2.4%)高の1万3863円47銭。 TOPIXは同32.34ポイント(2.5%)高の1339.91。東証1部の売買高は概 算で18億4510万株。東証1部の値上がり銘柄数は1388、値下がり250。

前場に直近高値抜け、午後一段高

日経平均は大幅反発して始まり、4月21日に付けた直近高値(1万3739 円)を午前中に一気に上抜けた。午後の取引では週末にもかかわらず一段高とな り、高値圏で終えた。主導したのは先物だ。明和証券の矢野正義シニアマーケッ トアナリストによると、「これまで債券先物を買って、株式先物を売っていた向 きの逆戻しが起きた」という。

東京証券取引所は午後、債券先物6月物の下げ幅が2円を超えたため、サー キットブレーカーを発動、取引を15分間停止した。しかし取引再開後も下げ止 まらず、一時前日比2円50銭(1.8%安)の134円58銭まで急落。一方、日経 平均先物6月物の出来高は11万6556枚と活況となった。「きょうはお金の動き の変化が目立った。動きが大きくなったため、これまで様子見をしていた向きも 動かざるを得なくなった」(大和投資信託の長野氏)ようだ。

米金利観に変化

きっかけの1つとして指摘されたのが、来週開催される米連邦公開市場委員 会(FOMC)による利下げ観測の後退。シカゴ商品取引所(CBOT)のフェ デラルファンド(FF)金利先物相場では、FOMCが30日に政策金利を

2.25%で据え置く確率は18%と、1週間前のゼロから増加。原油価格の高騰や 食品価格の上昇などインフレ懸念が高まる中、市場では米利下げ局面が終わりに 近づいているとの観測が出ている。

24日の米国債市場では2年債利回りが1月18日以来の高水準に上昇、2006 年以来初めて、FF金利誘導目標を上回って終了した。米10年債利回りは2月 25日以来の高水準となるなど世界的に金利が上昇している。国内10年債利回り は、昨年11月1日以来の高水準となった。

金利の先高観から、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株を中 心に、ミレアホールディングス、オリックス、野村ホールディングスといった金 融株が上げ幅を拡大。「信用収縮懸念の後退を背景に、これまで売られた業種が 戻ってきており、買い戻しの動きとなった」(明和証の矢野氏)。TOPIXの 上昇寄与度上位には銀行や保険が入り、きょうの相場をけん引した。

新日鉄やキヤノンが上昇

本格化している国内企業の業績発表を見ても相場の変化が表れている。午後 1時30分に発表された今期(09年3月期)の連結純利益は減益予想となったが、 新日本製鉄は大幅反発。前日に、円高の影響から今期(08年12月期)の連結純 利益予想を従来比3.8%下方修正したキヤノンも大幅続伸。ちばぎんアセットマ ネジメントの大越秀行運用部長は、「円高が進む中で非常に厳しい状況を織り込 んで売り込まれた銘柄は、業績予想が減益でも買い戻されている。一方、期待感 が強かった任天堂などの銘柄は売られる傾向」と見ていた。

このほか、材料の出た個別銘柄では、今期(09年3月期)の連結営業利益 を前期比11%増と見込んだKDDIが4日続伸。クレディ・スイス証券はKD DI株の投資判断を格上げた。また日産自動車向けエンジンが好調で今期(09 年3月期)業績も増収増益を見込む愛知機械工業、今期(09年3月期)連結営 業利益を同5.9%増と見込んだスタンレー電気も急騰した。

半面、今期(09年3月期)の連結営業利益が減益予想となった野村総合研 究所がストップ安。原油や商品市況の高騰や円高による収益悪化も織り込み、今 期(09年3月期)の連結営業利益は前期比11%減と予想したイビデンが急落し た。今期(09年3月期)業績見通しが市場予想を下回った任天堂も続落。

新興3市場はまちまち

国内新興3市場は、高安まちまち。ジャスダック指数は前日比0.1%安の

65.26、東証マザーズ指数は同0.7%安の611.13。一方、大証ヘラクレス指数は 1%高の992.09。傘下のネットインデックス(6634)の営業外損失と特別損失 の発生などを理由に今期(08年8月期)の連結業績予想を下方修正したインデ ックス・ホールディングス、新株予約権発行を発表したデザインエクスチェンジ が下落。一方、自社株買いを発表したサダマツ、国内のIT(情報通信)投資の おう盛な需要を追い風に、今3月期の連結経常利益が前期比4割増の見通しとな ったNTTデータ・イントラマートは大幅高となった。

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