財務官:800億ドルめどに交渉を-アジア域内の多国間通貨スワップ(3)

篠原尚之財務官は25日午後、同省内で記 者懇談を開き、5月にスペイン・マドリードで開催される東南アジア諸国連合 (ASEAN)プラス3(日中韓)財務相会合の主要議題となるアジア域内の 多国間通貨スワップ(交換)の総額について「800億ドル(約8.3兆円)をめ どに交渉したい」との考えを明らかにした。

篠原財務官は合意のめどについては「できるだけ早くしたい」としながら も、今回会合では「中間報告」のとりまとめにとどまるとの見通しを示した。

対象となる13カ国のうち、ASEANの新加盟国のベトナムやブルネイ など5カ国を除く8カ国間で16本に上る2国間通貨スワップ協定(チェンマ イ・イニシアチブ:CMI)が締結され、総額は双方向で840億ドル(約8.7 兆円)に上るが、一方向では580億ドルとなっている。

財務官は新たな仕組みについて13カ国全部が拠出するシステムにしたい とした上で、「現行の2カ国間協定を多国間に移行することを想定しているが、 2国間の協定の一部が残る可能性もある」と説明した。

また、財務官は「イージーマネー(安易な資金)を出さないために、どの ような仕組みをつくるかが重要だ」と強調。多国間スワップの課題として、借 り入れ国の適格性を判断する経済情勢に関するサーベイランス(政策対話)や 貸し出す際の意思決定など発動時のメカニズムの重要性を指摘した。

アジア域内の潤沢な貯蓄資金を活用した「アジア債券市場育成イニチアチ ブ:ABMI」については、域内市場での現地通貨建て債券の発行や各国のロ ーン債券の証券化などの検討を進めてきた。5年目を迎えた今回の会合では、 域内市場の整備に向けたロードマップ(工程表)を作成し、今後の重点分野や 各国の規制見直しなどの取り組むべき優先課題を明確化させる。

マクロ経済の議論では、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロ ーン問題の影響で世界経済が減速する中、アジア各国が、米国の景気後退と原 油や食料品の価格上昇に伴うインフレというリスクのバランスをとりながら、 どのように経済財政運営を進めるのか意見交換するという。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE