野村HD:第4四半期1539億円赤字に転落-サブプライム損失拡大(5)

国内証券最大手の野村ホールディングスが 25日に発表した第4四半期(2008年1-3月)連結業績(米会計基準)による と、純損益は1539億円の赤字(前年同期は331億円の黒字)となった。市場混 乱により収益環境が悪化する中、サブプライムローンなどを保証するモノライン (金融保証会社)の保証額に対する引当金が1320億円に膨らんだのが主因だ。

四半期ベースの赤字は07年7-9月期(117億円)以来、金額では03年1 -3月期(261億円)を超え過去最大。通期では678億円の純損失と01年の持 ち株会社化後、初の赤字転落。第4四半期の収益合計は前年同期比79%減の 1260億円と急減。一方、サブプライム関連では、モノライン向け引き当てのほ か、220億円の米CMBS(商業用不動産担保証券)関連評価損も計上した。

第4四半期は、CMBS取引などを含むトレーディング損益が1118億円の 赤字(前年同期975億円の黒字)と収益急減の最大要因となった。長期化するサ ブプライム問題の影響で、委託・投信募集手数料が同24%減の814億円、投資 銀行業務手数料が同27%減の187億円、アセットマネジメント手数料が同0.4% 減の439億円と落ち込んだ。

今期、インサイダー事件の影響も

野村のサブプライム関連損失は、米RMBS(住宅ローン担保証券)の売却 損など昨年までの約1500億円と、今回のモノライン分などで約3000億円に膨ら んだ。仲田正史執行役兼最高財務責任者(CFO)は、同日の決算会見で、「全 くリスクがゼロとは言えないが、処理はやるだけやった」と強調した。3月末残 高はモノライン保証額が約9億700万ドル、CMBSが1311億円だけとなった。

今回の大幅な引当金の計上を受けてスタンダード・アンド・プアーズ(S& P)の吉田百合主席アナリストは、「時価下落等による今後の損失の拡大をある 程度抑えられる」とリポートで指摘。通期決算が赤字となったことについては 「国際比較でも潤沢な資本を維持しているため信用力の低下は限定的」との見方 を示している。

野村では中国人の元社員がインサイダー取引容疑で22日に逮捕され、企業 に法令順守などを促す最大手証券としての姿勢が問われている。この問題を検証 する特別調査委員会を設置したと発表した。仲田CFOは事件の影響は「全くな いとは言えない」と述べた。金融市場ではすでに機関投資家が株式売買の委託先 から野村を外すなど業績への影響が広がり始めている。

サブプライムで市場環境も悪化

1-3月の金融市場は米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン 問題に端を発した世界的な信用収縮の影響を受けて株式市場は低迷。東京証券取 引所によると、1日あたりの株式売買代金(第1部、2部、マザーズ合計)は2 兆7830億円で前年同期に比べ16%減少。一方、同期間の日経平均株価の騰落率 は、前年同期が0.4%上昇に対して18%の下落となった。

ブルームバーグ・データによれば、第4四半期の野村は国内株式関連の引き 受け総額でセブン銀行の新規株式公開などを手掛け首位は維持したが、取扱金額 は前年同期の半分以下となる2328億円と低迷した。M&A(合併・買収)のア ドバイザー実績は、足利銀行の再民営化に伴う買収や富士フイルムHDによる富 山化学工業へのTOB(株式の公開買い付け)など24件を獲得した。

--共同取材:日向 貴彦、鈴木 偉知郎  Editor: Kazu Hirano, Takashi Ueno

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