KDDI:今期利益成長は鈍化へ、携帯市場飽和で-最終益15%増(4)

国内通信2位のKDDIが発表した今期 (2009年3月期)業績予想によると、携帯電話事業の市場飽和を背景に、利益 の伸びが前期から鈍化する見込みだ。

連結純利益は前期比15%増の2500億円、営業利益は同11%増の4430億 円となる見込み。前期実績はそれぞれ17%増、16%増だった。ブルームバー グ・データによると、アナリスト予想の中央値は純利益2660億円、営業利益 4556億円だった。

営業損益を見ると、固定事業の赤字は580億円と前期の647億円から縮小 するが、携帯事業の利益の伸びは9.2%と前期の18%から半減する。来年3月 末時点の契約獲得目標は4.2%増の3160万台を見込むが、伸び率は前期実績の

7.6%から縮小する。指標であるARPU(1契約当たりの月間収入)は5660 円と、前期比600円の低下を見込む。

小野寺正社長兼会長は会見で、携帯国内市場の契約純増数が前期の601万 から390万件に減る試算を前提に獲得目標を立てたと説明。昨秋に本格化した 販売補助制度の変更で買い替えサイクルが長期化するため、個人向けは苦戦が 避けられないとの見方を示した。

前期末配当を従来見通しから500円増額して年間1万500円とした上で、 今期も年間1万1000円に増やす方針。20%以上を目標に掲げている配当性向 は今期19.6%となる。小野寺氏は「最終的な数字を見て判断したい」と語り、 決算次第ではさらに増配の可能性も示唆した。

割賦導入へ

小野寺氏はまた、収益予想は携帯電話の割賦販売を「ある程度織り込んで いる」と語り、同制度を今期から導入する考えを明らかにした。割賦販売には、 端末販売時に一括してかかっていた補助負担を月割りにして軽減する効果があ り、ソフトバンクモバイルとNTTドコモは導入済み。

KDDIは前期の第4四半期(08年1-3月期)で、3月末までに携帯契 約3000万件の目標達成のため補助を増額。端末販売への「一時金」が1台平 均で4万1000円と前年同期比4000円上昇した結果、第4四半期の携帯事業の 営業利益は前年同期比13%減少した。

小野寺氏は、現在は「少なくとも第4四半期のような数字は出していない。 正常な形に戻したい」と説明。会見後のアナリスト説明会では、他社が端末代 金を完全な月賦払いにして当初の販売価格を「ゼロ円」としている状況を踏ま え、対抗して契約の獲得を続けるには現在のKDDIの補助方式では「限界が ある」との認識を示した。

UBS証券の乾牧夫アナリストは、割賦導入による損益押し上げ効果は大 きいとしながらも、具体的に寄与する額は導入の時期次第だと指摘した。

KDDI株の終値は、前日比1万2000円(1.8%)高の66万8000円。

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