東京外為:ドル・円は一進一退、原油高と欧州通貨の動向注視-103円挟み

東京外国為替市場では、ドル・円相場がも み合い。原油価格が連日、過去最高値を更新するなど米景気の先行き懸念が強 まる中、ドルの上値は重いものの、足元では新規の手掛かり材料に乏しく、ド ル・円は1ドル=103円ちょうどを挟んで一進一退の展開が続いた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加辺猛参事役は、ドル・円について、 「きょうのところはちょっと方向感が出ていない。どちらかというとドル・円 というよりはむしろ豪ドルやユーロなど違う方面で少し動きが出ている」と指 摘。その上で、「ドル・インデックスをみても、少し下にチャートが切れつつ ある感じで、特にドルに関して大きな材料は出ていないが、全体的にドルは弱 い」と語る。

一方、ユーロ・ドルは、前日に史上初の1ユーロ=1.6ドル台を付けたが、 「原油高と合わせて緊張感がある状態で、振れやすい展開」(加辺氏)が見込 まれ、海外市場では、イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)議事録が 公表されるポンドとともに、その動向が注目される。

ドルが103円挟み

この日のドル・円は1ドル=102円台後半で早朝の取引を開始。同水準での もみ合いが続く中、続落して始まった日本株が上昇に転じるとドル買い・円売 りに圧力がかかり、午前10時半前後には一時、103円台を回復した。

しかし、「この辺にはオプションのストライクが集まっているとの話もあ り、材料難の中、売り買いが交錯」(加辺氏)。その後は103円ちょうどを挟 んでもみ合う格好となった。また、午後3時すぎには一時、103円15銭(ブル ームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが値を切り上げる場面も見られ たが、上値もそこまでで、欧州時間に向けては再び103円ちょうどを割り込ん でいる。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、米金融機関の業績など悪材料が 出尽くしたことで米国株が上昇し、ドル・円も先週末に114円台後半まで行っ たが、ここにきて原油高が加速してきたために、悪材料の出尽くし感が崩れて きていると指摘。「日本株はそれほどショックを受けていない感じだが、原油 価格がさらに上昇し、今晩の米国株も下げれば、ドル安・円高圧力につながっ て、ドル・円はあすにかけて102円方向に行く可能性が高い」とみている。

一方、前日に1ユーロ=1.6019ドルのユーロ最高値を記録したユーロ・ド ルは、1.59ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、欧州時間に向けてはやや 持ち高調整に伴うユーロ売りに押される格好で、1.5940ドルまでユーロが値を 切り下げている。

また、ユーロ・円も1ユーロ=165円ちょうど手前で足踏みの状態が続き、 午後には164円26銭までユーロが売られる格好となっている。

原油高でインフレ懸念

22日のニューヨーク原油先物相場は過去最高値を更新し、一時バレル当た り119.90ドルを記録。GCIキャピタルの山岡和雅シニアアナリストは、きの う発表された米国の住宅指標もそれほど良い内容ではなく、原油価格も最高値 を更新していることで、「米経済への懸念が強まっている」と指摘する。

一方、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのノワイエ・フランス 中央銀行総裁は22日、2009年にインフレ率を2%未満とするために必要ならば ECBは「金利を変更」すると発言。その後、同総裁は、米紙ウォールストリ ート・ジャーナル(WSJ)に対し、将来の金利動向は「誰にも分からない」 と弁明したが、「ドルから逃げた資金は、利上げ期待などもあるユーロにいっ たん入るという形になっている」(山岡氏)。

こうした中、この日は米国で主だった指標の発表がないため、引き続き原 油相場や米株式相場の動向が焦点となる。また、欧州ではイングランド銀行が 昨年12月以降、3度目の利下げを決めた4月10日のMPC議事録を公表する。

GCIキャピタルの山岡氏は、イングランド銀についてさらなる利下げ期 待があるが、4月の利下げが全員一致で決定されたのか、インフレを懸念して 利下げ打ち止めを主張した委員がいたのかに注目しており、今後英国の利下げ も打ち止めとなれば、「欧州通貨高の支えになってくる」とみている。

豪ドル、対ドルで24年ぶり高値

一方、1-3月期の消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなっ たことから、オーストラリア・ドルが上昇。対ドルで24年ぶり高値を付けた。 また、シンガポール・ドルも対ドルで過去最高値を更新している。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

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