日本株は小反発、資源高騰で商社や石油関連高い-海運など恩恵業種も

東京株式相場は小反発。原油価格の最高値 更新を受けた業績期待から、三菱商事や三井物産など大手商社株が上昇。米国メ キシコ湾で天然ガス層を発見した新日本石油など、石油・石炭製品株は東証1部 の業種別上昇率で首位となった。資源国の経済成長で恩恵を受ける海運株や鉄鋼 株など、世界景気敏感株も高い。

三井住友アセットマネジメント・国内株式アクティブグループの生永正則ヘ ッドは、「国内企業の決算は期待値が低いことから相場が大きく下がるとは考え にくいが、発表前は動きにくい。テクニカル的な過熱感もあり、相場は一服局面 にある」と指摘した。その中にあって資源株の上昇は、「原油価格のテクニカル 調整に備えていったんポジションを縮小していた投資家が多かっただけに、その 反動が出ている」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比31円34銭(0.2%)高の1万3579円16銭、 TOPIXは2.93ポイント(0.2%)高の1314.39。東証1部の売買高は概算で 17億157万株、売買代金は2兆761億円。値上がり銘柄数は862、値下がり銘柄 数は712。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が21、値下がり業種が12。 卸売、医薬品、石油・石炭製品、機械、不動産、鉄鋼が高い。半面、輸送用機器、 電気機器、電気・ガス、保険、証券・商品先物取引は安い。

下値の堅さ確認

下落して始まったものの、相場の底堅さを示す展開となった。原油価格の最 高値更新、半導体大手のテキサス・インスツルメンツなど米企業決算への警戒か ら、朝方は日経平均が前日比98円安の1万3449円まで下落。25日移動平均か ら4%超の上方かい離となっていることで、当然の一服との見方が大勢だった。 ところが、「心理的節目である日経平均株価1万3500円以下の底堅さを確認し たことで、買い戻しを呼び込んだ」(カブドットコム証券の山田勉マーケットア ナリスト)という。

ひと足早い米国企業の決算では、悪化傾向が顕著だった金融業界以外では内 容がまちまちとなっている。ブルームバーグ・データによると、現時点のアナリ ストによる第1四半期の国企業の増益率の平均予想は前年同期比13.7%減。 「期待が低かったことで主要企業はほぼ無難に通過し、これから発表される企業 では相場の方向性をかえるほどの内容にはならないだろう」(三井住友アセッ ト・生永氏)との見方がある。

一方、国内ではきょうから3月決算発表が本格化し、5月1週には全体のす う勢が見えてくる。ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「会 社側の業績悪化予想に対してどこまで下値抵抗力があるか、好業績低PER(株 価収益率)株への買いがどれだけ膨らむのかに注目している」そうだ。決算発表 の本格化を前に買い手控えムードは強いものの、米国企業の決算が波乱とならな かったことや信用リスクの緩和、円の落ち着きなど外部環境の改善から下値への 抵抗力もうかがえた。

資源関連や世界景気敏感株など高い

業種で上昇をリードしたのは資源関連株。卸売がTOPIXの上昇寄与度首 位となったのを筆頭に、石油・石炭製品、鉱業、非鉄金属などが上位を占めた。 23日のニューヨーク原油先物5月限の終値は、前日比1.89ドル(1.6%)高の 1バレル=119.37ドル。一時バレル当たり119.90ドルまで上昇し、過去最高値 を更新した。ちばぎんアセットの奥村氏によると、「原油はドライビングシーズ ンが接近して今後は需給がひっ迫しやすく、高値圏での推移が続く可能性があ る」といい、資源関連株には業績期待が広がりやすくなっている。

一方、取引開始前に発表となった3月の貿易統計では、アジア向けの輸出が 減速する半面、資源国向けは伸びの拡大を示す内容となった。円ベースの前年同 月比ではロシア向けが55%増となったのをはじめ、ブラジル向けが34%増、イ ンド20%増、中東17%増、豪州26%増だった。原油など商品市況の上昇を原動 力とした資源国の成長で恩恵を受けそうな商船三井などの海運株、JFEホール ディングスといった鉄鋼株などの世界景気敏感株も高かった。

携帯コンテンツ関連は人気化

このほか、携帯コンテンツ関連株の上昇も目立った。ディー・エヌ・エーが 売買代金上位で前日比11%高と急伸したほか、ドワンゴも11%高と大幅続伸。 新興市場でもエムティーアイなどの関連株が大幅高となった。

野村証券金融経済研究所では23日、ディー・エヌ・エーの投資判断を5段 階評価の投資判断を「2」から最上位の「1」に引き上げた。足元の自民党や業 界の動きを考慮すると、新たな規制がモバイルネット産業拡大に影響をもたらす 懸念が急速に後退していると同証券では指摘。妥当時価総額は5074億円(1株 当たり104万円)で株価の割安感が強いとしている。規制による影響が懸念され たほど大きくないとの観測から、他の携帯コンテンツ関連にも物色は広がった。

ミサワがストップ高、東宝は大幅安

個別では、住宅受注回復などから09年3月期の連結営業利益が伸びると一 部報道で伝えられたミサワホームが値幅制限いっぱいのストップ高となり、関連 会社の東北ミサワホームも急伸。08年3月期業績予想を上方修正したクラリオ ン、受注増加などから業績期待が高まった日立ツールもそれぞれ大幅高。全製品 について6月から一斉値上げに踏み切ることを決めたTHKは急反発となった。 業績不透明感の後退とみずほ証券の格上げが評価された出光興産、08年12月期 利益予想を増額した中外製薬も高い。

半面、08年3月期の連結純利益が従来計画から下振れ、今期も営業減益を 見込む東宝は大幅安。日興シティグループ証券が格下げしたヤフー、三菱UFJ 証券が投資判断を引き下げた日新電機がそれぞれ急落した。コンスーマ機器事業 が不振のキヤノンマーケティングジャパンは続落。08年1-3月期が営業赤字 だったセシールは東証1部値下がり率1位となった。

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