今期は「HERO」現れず、東宝株が急落-主力映画事業の低迷を警戒

映画配給を手掛ける東宝の株価が、一時前 日比215円(8.6%)安の2300円と急落。前の期に公開した木村拓哉主演「H ERO」が邦画興行収入で歴代5位と大ヒットした反動などで、2009年2月期 の連結営業利益は減益になる見通し。今回の会社側計画は市場予想を2割以上 に下回っており、収益力の低下に警戒感が強まっている。

09年2月期の連結営業利益は、前期比7.3%減の185億円にとどまる見通 し。ブルームバーグ・データによると、アナリスト5人の同期予想の平均値は 239億円。アナリスト5人はいずれも200億円以上の営業利益を見込んでおり、 市場予想と会社予想のかい離が目立つ格好。

主力の映画事業全体の営業収入は、前期比3.1%減の1228億円を予想。07 年9月に公開した「HERO」は、興行収入が81億5000万円と、「世界の中 心で、愛をさげぶ」(04年5月公開)に次ぐヒットとなり、この反動が出る。 今期は、スタジオジブリの新作「崖の上ポニョ」、「花より男子ファイナル」 などの公開を予定するが、国内映画市場は伸び悩み、業績は落ち込む見通しだ。

また不動産事業では、賃貸事業は堅調に推移するものの、連結子会社のスバ ル興業が手掛ける道路事業で、公共工事の縮減や、同業者間の低価格受注など も収益悪化につながるとみている。

連結純利益は、前の期に計上した減損損失や特別退職金など特別損失がな くなるため、同37%増の100億円と増益を見込む。

UBS証券は22日付で、東宝の投資判断をこれまでの「買い」から「中立」 に、目標株価を2800円から2500円に引き下げた。十字屋証券の岡本征良投資 情報室は、「本業の業績もみるべきだが、東宝は東京の有楽町近辺に土地・建 物を保有しており、資産価値が高い」と指摘、株価下落は一時的なものになり やすいとの見方を示していた。

関連会社の東宝不動産も一時7.8%安の536円、スバル興業も1.6%安の318 円まで下落している。

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