第1四半期の米企業決算、予想的中は困難-信用収縮や景気悪化で

第1四半期の米企業決算発表シーズンは、 市場アナリストの予想が、企業が発表するガイダンスを頼りにしたものである 様子を浮き彫りにしそうだ。信用収縮や景気悪化を背景に、企業は予想通りか それ以上の利益達成が難しい状態にある。

ブルームバーグの集計データによると、2000年以降の四半期決算の1株利 益が毎回アナリスト予想と同水準かそれ以上になったS&P500種採用企業は、 コーチやスターバックスなど少なくとも27社。ゼネラル・エレクトリック(G E)は11日発表した1-3月期の1株利益がアナリスト予想を下回り、この記 録が32四半期でストップした。

ゴールドマン・サックス・グループは、GEなどがこれまでに発表した1 -3月期の1株利益がアナリスト予想に届かなかったことは「来るべきものの 予兆」だと指摘、市場予想を下回る決算を発表する企業が今後増えると見込む。

好況期には企業が利益見通しを立てやすくするため、会計規則の柔軟性を 活用し、売上高や費用を計上することが多いが、最近の景気低迷や信用市場の 落ち込みにより、そうした工夫が難しくなっていると、資産運用会社ガートナ ー・ルッソ・アンド・ガードナーのパートナー、トーマス・ルッソ氏は言う。

ルッソ氏は「企業は段階的で安定的な成長を続ける。そして急激に落ち込 みが突然やってくる」と指摘した。

GEの1株利益が少なくとも2000年以降、アナリスト予想を決して下回る ことがなかったのは実に不思議だと言うワシントン大学(シアトル)のシバ・ ラジゴパル教授(会計学)は、アナリストが会社側の見通しを参考にせずに独 自の予想を立てていたとすると、GEが成し遂げたような記録が起こる確率は 約1000億分の1で、投げたコインの表裏を連続で当て続けるのと同じだとの見 方を示した。

「ばかげた」ゲーム

米証券取引委員会(SEC)委員長を務めたウィリアム・ドナルドソン氏 は「すべてはばかげたゲームだ」と批判する。四半期利益見通しの廃止と四半 期1株利益に連動する幹部報酬の減額を提唱してきた同氏は「解釈の仕方次第 で業績の良し悪しが決まってしまう」と考えている。

「持続的な経済成長」を促進するため1942年に設立された米シンクタンク、 経済開発委員会(CED)向けに昨年6月にドナルドソン氏らがまとめたリポ ートは、四半期ごとに繰り広げられるいわゆる「収益発表ゲーム」が、株価の 変動幅の拡大や企業資源の浪費につながる上、会計処理や投資計画に関する経 営陣の判断をゆがめてしまう恐れもあると指摘した。

リポートはさらに、収益発表ゲームは、企業の真の実績を見えにくくした り、短期的かつ投機的な売買を誘発して手数料コストを拡大させたりするため、 投資信託に投資するすべての人にとって負担になると説明。そうした負担は 2005年だけで計700億ドルに上った可能性があると指摘した。

昨年第4四半期は、ほぼ1800人の株式アナリストが増益率を33.5ポイン ト過大評価していた。これは過去最悪のずれだ。それでもS&P500種を構成す る企業の62%がアナリストの予想平均を上回る決算となった。四半期中にアナ リストらが予想を下方修正したことが大きな理由だ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE