米金融機関の資本増強相次ぐ-割安な新株発行にPE投資会社も関心

米オハイオ州最大の銀行、ナショナル・シ ティーは、米銀4位のワコビアや米S&L(貯蓄・貸付組合)最大手ワシント ン・ミューチュアルに追随し、資本増強に踏み切った。米住宅不況に関連した 損失を被っている金融機関に対し、投資家は割安な価格での出資が可能となっ ている。

ナショナル・シティーが21日発表したところによれば、同行は米プライベ ートエクイティ(PE、未公開株)投資会社コースエア・キャピタル率いる投 資家グループから70億ドル(約7200億円)の出資を受ける。1株当たりの株 式発行額は市場価格を40%下回る水準だ。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジェーソン・アーノルド氏 は21日の電話インタビューで、「それなりの代償を支払って、リスクを受け入 れる投資志向は存在する。企業側は資本増強に必死だ」と述べた。

KBWのアナリスト、メリッサ・ロバーツ氏はインタビューで、「資本増 強は株式の希薄化を意味し、既存の株主にとって必ずしも最善策ではない」と 語った。

同氏は、不良債権が積み上がっており、米金融機関はさらに計124億ドル の資本増強が必要となる公算が大きいと試算した上で、評価損の拡大を恐れる 銀行はM&A(企業合併・買収)を敬遠しており、それがPE投資会社や政府 系ファンド(SWF)に出資の道を開いていると指摘した。

ワシントン・ミューチュアルは8日、米投資会社TPG率いる投資家グル ープからの70億ドルの出資受け入れを発表したが、株価はその後13%下落し ている。ワコビアは今月、公募増資を通じ80億ドル以上を調達。増資分の半分 を占める普通株は1株につき24ドルで発行されたが、これは前営業日となる 11日の終値27.81ドルを14%下回る水準だった。

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