日本株:午前は金融中心に反落、米実体経済の悪化懸念-短期過熱感も

午前の東京株式相場は反落。米国の2008年 1-3月期(第1四半期)決算で、バンク・オブ・アメリカ(BOA)など金融 機関の信用コストが増加していることが判明、米国の実体経済に対する楽観論が 後退した。みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グルー プなど金融株、トヨタ自動車や松下電器産業、ソニーなど輸出関連株中心に安い。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「過熱感が出ているため、利益確 定売りが出やすい。金融市場の最悪期は脱したものの、短期的に解決する問題で はない。クレジット市場の混乱が続けば、実体経済に影響が出てくる可能性があ る」と指摘した。

テクニカル分析の1つである東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は、 21日時点で125.34%と08年2月28日以来の高水準となっていた。経験則では、 120%超で相場の過熱感を示すとされる。

午前の日経平均株価終値は、前日比153円74銭(1.1%)安の1万3542円 81銭。TOPIXは同18.52ポイント(1.4%)安の1312.99。東証業種別33指 数は、29指数が下落。東証1部の値下がり銘柄数は1061、値上がりは506。

高値警戒の中で米金融株安受ける

前日までの5日間で日経平均が779円上昇するなど、急ピッチの上げに対す る警戒感がある中、この日の相場は一服となった。売りを誘ったのが米金融機関 の不良債権問題。米銀2位のバンク・オブ・アメリカ(BOA)が21日発表し た第1四半期の純利益は前年同期比77%減となり、アナリスト予想も下回った。 住宅市場の下落を背景に、個人や中小企業向けで全国的な貸し倒れ増加に直面し ており、貸倒引当金の計上が響いた。

前日の米株式市場で金融株中心に下げた流れを受け、TOPIXの下落寄与 度上位には銀行指数が入ったほか、直近で上げの目立っていた電気機器や輸送用 機器指数も並んだ。東証1部の売買代金上位を見ても、みずほフィナンシャルグ ループやトヨタ自動車、ホンダなどが入り、総じて安い。

投資家の焦点は、金融機関の損失拡大懸念から米実体経済の悪化に移りつつ ある。今週は米国で24日に3月の新築住宅販売、25日に4月のミシガン大学消 費者信頼感指数の発表を控えており、住宅価格や個人消費の動向を見極めたいと の向きが多く、午前の東証1部の売買高は概算で7億7913万株にとどまった。

売り一巡後はもみ合い

ただ、積極的に売り込む向きも少ない。午前の日経平均は、取引開始直後に 153円下げた後はもみ合い。前日のダウ工業株30種平均は前週末比24.34ドル (0.2%)安の12825.02ドルにとどまっており、年明け以降3度跳ね返され、直 近でようやく上抜けた1万2700ドル台は維持したままだ。日米ともに悪材料へ の抵抗感が出ている。

日興コーディアル証券の小林久恒シニアマーケットアナリストは、「極端な 不安心理は後退しており、売りから入りにくく、日経平均の1万3500円台で下 値は固まる」との見方を示していた。

野村HDが6日ぶり反落

個別では、社員によるインサイダー取引の疑いで、証券取引等監視委員会が 調査に入ったことが分かった野村ホールディングスが6日ぶりに反落。新薬ウリ トスの市場浸透の遅れなどで、前期(2008年3月期)の営業利益見込みを引き 下げたキョーリン、プラズマ・ディスプレイ・パネル基板硝子事業からの撤退に 伴い、特別損失を計上し、前期(08年3月期)の連結純利益が従来予想に届か なかったもようのセントラル硝子が急落。

また、不動産証券化事業での業績悪化などが響き、前期(08年3月期)の 連結純利益が前の期比99%減になったもようだと発表したCSKホールディン グス、急速な円高進行などで今期(09年3月期)の連結経常利益が前期推定比 約2割減程度になる見通しと、22日付の日本経済新聞朝刊で報じられたアイシ ン精機も下げた。

JR東日本や国際帝石高い

半面、業種別では陸運、食料品、鉱業などが高い。鉄道利用客の増加で、前 期経常利益が3期連続で過去最高を更新したもようと22日付の日経新聞朝刊で 伝えられたJR東日本が反発。国際原油市況の高止まりを受け、国際石油開発帝 石ホールディングスも上昇。大平洋金属、住友金属鉱山など資源関連の一角も堅 調だった。井関農機やクボタなど農機関連の上昇も目立った。

CLSAアジアパシフィック・マーケッツが投資判断を売りからアウトパフ ォームに上げた荏原が高く、経費削減効果などで、前期(08年3月期)連結純 利益が従来予想を上回った若築建設が東証1部の上昇率1位。22日付の日経新 聞朝刊で、石油化学原料高に伴う価格転嫁が進んだことなどから、今期(09年 3月期)の連結純利益が前の期推定比で2.5倍になりそうと報じられたオカモト が急伸した。

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