日本株は反落へ、米不良債権懸念で金融や輸出に売り-鉄鋼は上昇公算

東京株式相場は反落する見通し。米銀バン ク・オブ・アメリカ(BOA)とナショナル・シティーが発表した2008年1- 3月期(第1四半期)業績で不良債権問題が悪化していることが判明、金融機関 がサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題を克服しつつあるとの 見方が後退する。トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループといった 輸出関連や金融株中心に下落しそう。一方、4割弱の値上げ要請が一部で報じら れた鉄鋼株は買われそうだ。

コスモ証券エクイティ部の清水三津雄副部長は、「日経平均の予想レンジは 1万3500円から1万3800円。米国の小幅下落、テクニカル的な調整の影響を受 けるだろう。利益確定売りがかさむようだと、立て続けに売りが出る可能性もあ る」と予想していた。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の21日清算値は1万3700 円で、大阪証券取引所の終値(1万3720円)に比べて20円安だった。

BOA決算で米金融株下げ

米銀2位のBOAが21日発表した第1四半期の純利益は前年同期比77%減 の12億1000万ドル(1株当たり23セント)と3四半期連続の減益となった。 ブルームバーグ・データに登録された21人のアナリストの予想平均(1株当た り41セント)も下回った。貸倒引当金60億1000万ドル(約6210億円)を計上 したことが響いた。失業率が高まる中、個人客向け部門は全国的な貸し倒れ増加 に直面しているという。

また、米オハイオ州最大の銀行であるナショナル・シティーの第1四半期業 績は3四半期連続の赤字となった。不良債権の増加から減配を決めたほか、米プ ライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社からの出資を受け入れた。3 月のオハイオ州の住宅差し押さえ率は、全米で7位。同行の株価は一時29%下 落し、17年6カ月ぶりの安値に落ち込んだ。

21日の米株式市場では、金融株中心に売りが先行。主要株価指数の終値は、 S&P500種株価指数が前週末比2.16ポイント(0.2%)安の1388.17。ダウ工 業株30種平均は同24.34ドル(0.2%)安の12825.02ドル。これに対し、ナス ダック総合指数は5.07ポイント(0.2%)高の2408.04だった。

テクニカル過熱も、鉄鋼が支えに

一方、東京市場は急ピッチの上げに対する過熱感も出ており、投資家は売り を意識しやすい。テクニカル分析上は、前日の日経平均終値(1万3696円55 銭)と投資家の中期的な平均売買コストである25日移動平均線(1万2904円 52銭)の上方かい離率は6.1%に達し、過熱感を示すと言われる5%を超えた。 また、21日の東証1部の騰落率レシオ(25日移動平均線)は125.34%と、2月 28日以来の高水準。経験則では、120%超で相場の過熱感を示すとされる。

半面、新日本製鉄などの鉄鋼株には買いが入り、相場全般を下支えする見込 み。22日付の日本経済新聞朝刊の報道によると、新日鉄は自動車や機械などに 使う主要鋼材について、4割弱の値上げを顧客に要請する。コスモ証の清水氏は、 「想定以上の値上げが決まれば、今期業績の減益幅が縮小することになり、ポジ ティブ」と指摘していた。

野村HD、CSKHDは下げも

個別では、野村ホールディングスが安くなりそう。22日付の読売新聞朝刊 などで、野村証券の中国人社員が勤務していた部署で扱った企業の合併・買収 (M&A)のインサイダー情報を、公表前に知人に漏らしていた疑いのあること が証券取引等監視委員会の調べで分かった、と報じられている。同報道について、 ブルームバーグ・ニュースでは野村HDに電話取材を行ったが、応答はない。

また、不動産証券化事業での業績悪化などが響き、前期(2008年3月期) の連結純利益が前の期比99%減の1億円(従来予想175億円)になったもよう だと発表したCSKホールディングス、新薬ウリトスの市場浸透の遅れなどで、 前期(08年3月期)の営業利益見込みを79億円から62億円(前の期比26% 減)へ引き下げたキョーリンが売られそうだ。

半面、医薬品事業で一部品目の売り上げが予想を上回ったことなどから、前 期(08年3月期)の連結営業利益が前の期比23%増の64億円(従来予想56億 円)になったもようだと発表した日本新薬、前期(08年3月期)の連結営業利 益が前の期比2.2倍になったもようだと発表した上、第三者割当増資を東芝が引 き受けることも明らかにした西芝電機が上昇しそうだ。

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