IMF:欧州の金融機関はサブプライム関連でさらに損失430億ドルも

国際通貨基金(IMF)は21日、欧州の金 融機関は今後さらに約430億ドル(約4兆4400億円)相当の米サブプライム(信 用力の低い個人向け)住宅ローン関連損失を認める必要があるとの概算を示し た。

欧州の金融機関は3月までで、約800億ドルの損失を公表している。IM Fはフランクフルトで同日発表した欧州経済についてのリポートで、サブプラ イム関連証券の価格が一段と下落するとともに他の債務でもデフォルト(債務 不履行)が発生するなかで、欧州の金融機関は新たな損失を公表する必要があ るだろうと指摘した。景気見通し悪化に伴い、欧州中央銀行(ECB)には利 下げ余地があるとの見解もあらためて示した。

欧州では英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) やスイスのUBS、ドイツ銀行などが評価損を公表している。IMFは「欧州 の金融システムへの試練は終わっていない」として、「一連の見積もりは、多く の金融機関が公表した損失額がまだ現実に追いついていないことを示唆してい る」と指摘した。

IMFは欧州の金融システムが「これまでのところ比較的よく持ちこたえ ている」とする一方で、流動性は依然「ひどく損なわれている」との認識を示 した。また、欧州の金融機関は米サブプライム住宅ローン債権、約2800億ドル 相当からのリスクを背負っており、全体に対する割合は40%だとしている。

IMFはさらに、損失拡大は銀行の貸し渋りを悪化させ、企業や個人の資 金調達難から欧州経済に「重大な」打撃を与える可能性があると指摘。「割高 な」ユーロ相場と米国の「緩やかな」リセッション(景気後退)も景気へのリ スクを高めると付け加えている。

IMFはユーロ圏の今年の成長率を1.4%、09年を1.2%と予想している。 また、インフレ率は来年、ECBが目安とする2%未満まで低下すると予想し、 利下げ余地を指摘した。IMFのマイケル・デップラー欧州局長はフランクフ ルトでの記者会見で「今すぐ利下げをしろと言っているのではないが、商品相 場による影響は一時的なものだと思う」として、「予想通りインフレ期待がよく 抑えられ、一方で景気減速を示す指標が出れば、利下げ余地は高まるだろう」 と述べた。

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