日本株(終了)日経平均は今年初の4連騰、円安など外部環境落ち着き

週末の東京株式相場は続伸し、日経平均 株価は今年初の4連騰となった。外国為替市場の円安や金融不安の後退による 外部環境の落ち着きから、輸出関連株や時価総額上位企業を中心に割安を見直 す動きが強まった。トヨタ自動車が4日続伸するなど自動車株が買われ、キヤ ノンなどの電機株、機械株も上昇。市況改善期待から、新日本製鉄などの鉄鋼 株や商船三井といった海運株も大幅高で、海運は東証1部の業種別上昇率1位。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの白石茂治顧問は、「住宅価格 が落ち着いていない以上、米金融機関の損失は最悪期を脱したとは断言できず、 米国株は3カ月以内に下値を試す懸念がある」と指摘。一方で日本株について は、「収益水準に比べて相対的な割安感が高まっており、外国人買いの流入を 背景として、8割の可能性で最悪期を脱した可能性がある」との見方を示した。

白石氏は、世界と比べた日本株の相対的割安感が顕著となったことで、50 -60年にわたって日本株の下値めどの目安となってきた日経平均の5年移動平 均(約1万3400円)が今後は再び下値を支えそうだと見ていた。

日経平均株価の終値は前日比78円15銭(0.6%)高の1万3476円45銭、 TOPIXは10.74ポイント(0.8%)高の1304.06。東証1部の売買高は概算 で15億7606万株、売買代金は同1兆9133億円。値上がり銘柄数は969、値下 がり銘柄数は606。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が24、値下がり業種が 9。輸送用機器、電気機器、その他製品、鉄鋼、化学、機械、小売が高い。半 面、卸売、医薬品、建設、サービス、食料品は安い。

米金融や為替への不安一服、割安さ見直し

3連騰後、米銀最大手シティグループの決算前とあって午前は小動きとな ったが、午後半ばから上昇基調が鮮明となった。為替市場では円が1ドル= 102円台で落ちついてきた上、17日は米メリルリンチが発表した1―3月期決 算が大きな波乱とならなかったことで、クレジット・デフォルトスワップ(C DS)市場でも米企業の社債保証コストが2週間ぶりの低水準付近となった。 日本株の下落要因だった円高と金融不安がともにやや足元で一服しつつあるこ とで、日本株のバリュエーション見直しが進んでいる。

三菱UFJ投信運用戦略部の石金淳シニアストラテジストは、「円が対ド ルだけでなく、ユーロやオーストラリアドルなどに対しても弱含み、実効レー トでの円高一服が明確化している」と指摘。1ドル=95円までの円高でかなり の業績悪化を株価に織り込んだだけに、為替の落ち着きで日本株に買い安心感 が出てきたと話す。

グローバルベースでの株価比較に適しているMSCIベースの株価キャッ シュフロー倍率(PCFR)によると、08年3月末は世界平均9.2倍に対して 日本株は6.8倍。2年前の06年3月末は世界平均と日本株がほぼ11倍で並ん でいたため、米国株に先行して調整してきた日本株の割安感が高まっている。

外部環境の悪化が小康状態となっていることで、上昇をけん引したのは輸 出関連株。自動車株ではトヨタやホンダがそれぞれ4連騰、リーマン・ブラザ ーズ証券が投資判断を引き上げた日野自動車やいすゞ自動車が急伸。キヤノン は約2週間ぶりに終値で5000円台を回復するなど、電機株も上げた。このほ か、銀行株や鉄鋼株など収益水準に比べて割安な時価総額上位企業が上げたこ とで、TOPIXコア30の上昇率は1.2%と高くなった。

日経平均1万3500円前に足踏み

連騰したとは言え、売買高は全日立ち会いで今年3番目の少なさと売買の 盛り上がりには欠けた。日経平均は心理的な節目とされる1万3500円を前に 2日連続で足踏みした格好だ。製薬最大手の米ファイザーが発表した1-3月 期決算は市場予想を下回ったほか、米フィラデルフィア連銀の4月の同地区製 造業景況指数は01年以来の低水準を記録するなど、世界経済の減速リスクは 依然として意識されている。

東洋証券の児玉克彦シニア・ストラテジストは「米国では決算の良好な企 業と悪い企業がまちまちとなっており、一本調子で相場が上昇するほど強気に はなれない」と指摘。きょうシティ決算の発表を控えて、前もってポジション を一方向に傾けにくいとしていた。

海運が急伸

上昇率の高さでは海運株が目立った。ばら積み船の運賃指標となるバルチ ック・ドライ指数が17日に続伸し、コンテナ船の運賃改善期待も高まったこ とで、海運株指数は前日比4%高。商船三井や日本郵船、川崎汽船など大手が そろって上昇し、東証1部値上がり率では明治海運が1位となったのをはじめ、 第一中央汽船、乾汽船、共栄タンカー、新和海運など海運株が並んだ。

個別に材料が出た銘柄では、3月の米国ゲーム販売でWiiが首位を維持 したことで、販売好調が評価された任天堂が大幅続伸。09年2月期営業損益の 黒字見通しを午後に発表した日本マタイ、中期計画が評価されたアデランスホ ールディングス、09年2月期の営業大幅増益を見込む米久がそれぞれ急伸した。

医薬品などは安い

一方、アステラス製薬や第一三共などの医薬品株は下げた。株式市場の安 定傾向から景気動向に左右されにくいディフェンシブ関連株が買い手控えられ たことに加え、米ファイザーが17日発表した1-3月期決算で一部項目を除 く1株当たり利益がアナリスト予想を下回ったこともマイナス材料となった。

三菱U投信の石金氏によると、「日本の医薬品業界は業界再編が進んでお らず、日本の製造業で最も競争力が弱い業種」という。ファイザーの決算によ って、「ジェネリック薬との競合を含めた医薬品業界の環境が追い風でないこ とが確認され、より魅力のなさが強まった」という。

08年2月中間期の営業利益(非連結)が事前の会社計画を上回りながら、 通期の業績目標を据え置いた島忠は続落。08年3月期業績予想を午後に下方修 正した神栄、年金運用利回りの悪化や住宅不振の影響で前期業績を減額してい る住友林業はともに急落した。メリルリンチ日本証券が格下げした日立化成工 業や住友大阪セメントも下げた。

新興3市場は高安まちまち

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比0.52 ポイント(0.8%)安の64.84と4日ぶり反落。半面、東証マザーズ指数は

9.45ポイント(1.6%)高の611.24と4連騰となり、大証ヘラクレス指数は

0.90ポイント(0.1%)高の973.65と反発した。

経営資源の集中のために健康食品子会社を売却すると発表したラ・パルレ が大幅続伸。09年3月期の経常利益が前期推定比3割増になりそう、と18日 付の日本経済新聞朝刊が報じた日本サード・パーティ、1-3月期最終損益が 黒字となったイーシステムはともに値幅制限いっぱいのストップ高。前日に経 営統合を発表したピープルスタッフも連日のストップ高となった。

半面、08年3月期の連結最終赤字が拡大したもようのぱど、業績伸び悩み で前日ストップ安だったインテリジェンスがそれぞれ大幅続落。楽天、サイバ ーエージェント、ダヴィンチ・アドバイザーズなども軟調。

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