住友林株が急落、株安で運用悪化し利益大幅下振れ-建材や住宅不振も

新築注文住宅と木材・建材を手掛ける住 友林業の株価が急反落。17日の取引終了後に、前期(2008年3月期)の利益 予想を大幅に下方修正した。世界的な株安を背景に年金運用利回りが悪化し、 退職給付費用の負担がかさんだほか、投資有価証券評価損も膨らんだ。木材建 材販売や住宅販売など本業でも苦戦し、収益環境の厳しさを嫌気した売りが優 勢だ。前日比35円(5.1%)安の655円まで下げ幅を広げている。

前期の連結業績は、営業利益が前の期比66%減の70億円と、従来予想 (140億円)から半減したもよう。17日に日経新聞が報じた100億円前後より さらに低水準となる格好。世界的な株安など運用環境の悪化を受けて、退職給 付費用を約45億円計上した。同社は年金資産の運用上発生する損益である数 理計算上の差異を発生年度に一括償却する方針を採っている。また、改正建築 基準法の施行に伴う建築確認手続きの厳格化で、戸建て住宅の完成が遅れたほ か、この影響で木材・建材流通事業の採算も悪化した。

同社の年金基金における運用額は300億円強。全運用資産に占める国内株 式の比率は3割が従来の基本線だったが、「相場低迷による評価損益悪化と株 式売却を進めた結果、足元では2割弱まで比率を落としている」(経営企画部 の松家拓生氏)という。国内株式相場の不振を背景に、投資有価証券評価損を 約38億円計上したことなどから、純利益見通しも前の期と比べ89%減の13億 円と、従来の計画(80億円)から大きく下振れた。

木材流通市況が極度に悪化

みずほインベスターズ証券の五十嵐逸巳アナリストによれば、運用利回り 悪化による損失計上や、需要低迷による住宅販売の苦戦はある程度想定できた と指摘する一方、「木材・建材流通事業の売り上げが会社計画に250億円程度 届かなかったとみられることは、ネガティブサプライズと言わざるを得ない」 という。

五十嵐氏は、住宅販売の不振が逆風に働いた上、「中小の合板メーカーが 建材を大量供給したため、木材流通市況が極度に悪化している影響が出た」と 見ている。

PBR1倍割れも、PERで割安感なし

また、三菱UFJ証券の小沢公樹アナリストは、「前期の住宅受注減少か ら判断して、09年3月期も住宅事業の回復が鈍い」(17日付リポート)とみ て、今期の営業利益予想を従来から30億円減の130億円とした。17日終値ベ ースでPBR(株価純資産倍率)は0.7倍にとどまる一方、「年金数理差異の 影響がなくなる09年3月期の三菱U証による予想PER(株価収益率)が

15.3倍と、住宅各社の平均(10.6倍)と比べて割安感がない」(同氏)とし て、同証券では5段階評価で下から2番目となる投資判断「4」を継続した。

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