人民元の上昇ペース鈍化へ、年内に当局方針変更で-シティとドイツ銀

米シティグループとドイツ銀行は、中国が輸 出企業の利益を支えるため年内に為替政策を変更し、その結果、人民元の上昇ペ ースが鈍化するとの見通しをそれぞれ示した。

ドイツ銀行のシンガポール在勤エコノミスト、ミルザ・バイク氏は18日、 インタビューに応じ、「われわれは現在、中国の成長鈍化のリスク増大と、その 結果としての人民元上昇ペース鈍化を検討している」と語った。バイク氏は今年 7-9月(第3四半期)に方針変更があると予想している。

中国外国為替取引システム(CFETS)によれば、上海時間午前9時32 分(日本時間同10時32分)現在、人民元は1ドル=6.9928元と、前日の

6.9838元から上昇している。年初来ではドルに対し4.6%上昇となっている。

バイク氏は向こう半年で人民元は3.5%上昇し、1ドル=6.75元に達すると 予想。向こう1年間では4.7%上昇し、6.67元となる見通しを示した。

1年物の為替先物の動向によれば、トレーダーらは人民元が11.1%上昇し、 1ドル=6.29元となるとみている。バイク氏は、「市場はインフレ主導による人 民元相場の一段の上昇加速を積極的に織り込んでいる」と指摘。「われわれはこ うした見方が既に織り込み済みとみて、現在は反対の立場を取るよう主張してい る」と説明した。

一方、シティのアジア担当エコノミスト、黄益平氏(香港在勤)は、「輸出 による利益は大きく落ち込み、輸出関連の雇用が減る可能性がある」と予想した 上で、「従って人民元の一段の上昇は政治的に不評となるはずだ」と語った。

黄氏の予測では、人民元は今年8%上昇し、年末までに1ドル=6.7元とな る見込みだ。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト27人の予想中 央値は6.65元。

中国の温家宝首相は今週、政府の最優先課題が景気過熱とインフレ加速の回 避であるとあらためて強調。中国が慎重な財政政策と金融引き締め策を堅持する 方針を示した。

バイク氏は、「インフレが現在の当局にとっての最優先課題であるものの、 人民元上昇の悪影響を輸出企業が実感していることは明らかだ」と述べ、「これ に加え、中国への海外からの政治的圧力は以前より弱まっている」と説明した。

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