エチオピア:コーヒー商標登録で収入拡大へ-スターバックスは値上げ

早朝の寒さを防ぐため、灰色の上着と白 い帽子をかぶったベッドへイン・ガムバーソ氏(44)は、エチオピアのイルガ チェッフェ地方の丘の上にある農場で、赤く熟したコーヒーの実をむしり取っ ている。広さ1.5ヘクタールのこの農場は同氏が保有している。

元兵士のガムバーソ氏はコーヒー生豆の収穫で昨年、4000ビル(約4万 3000円)の収入を得た。この収入で次の収穫までの間、妻と8人の子どもたち を養わなければならない。夜になると、ガムバーソ一家は、一部屋しかない小 屋で、2匹の牛と3匹の羊とともに眠る。

コーヒー生豆の起源であるエチオピアは、同国で生産される、こくのある 風味豊かな生豆の商標権を取得することにより、ガムバーソ氏のような農民の 収入を増やそうとしている。コーヒーの消費者らが高品質の品種のコーヒーに 支払う額は年間250億ドル(約2兆5500億円)。コロンビアなどの生産国は、 コーヒー生豆の販売による収益を引き上げるため、エチオピアと同様の取り組 みを進めている。

この取り組みが成功すれば、コーヒー店チェーン最大手の米スターバック スなどが販売するカフェラッテが値上がりし、企業の利益は減少する可能性が ある。スターバックスが2006年に農民らに支払った額は1ポンド当たり平均

1.42ドルだった。同社はエチオピア産の生豆を1ポンド当たり最大26ドルで 販売している。

ガムバーソ氏は「企業の人たちはコーヒーを値上げしようとしない。なる べく価格を抑えようとする。イルガチェッフェ地方の住民たちは、この問題が 解決されるよう、神に祈っている」と語る。

スターバックスは当初、生豆の登録商標を取得しようとするエチオピアの 取り組みに反対していた。イルガチェッフェ地方の生産者は06年8月、外国 のコーヒー生産者としては初めて、米国の登録商標を取得した。現在ではエチ オピア産の3種の生豆が少なくとも30カ国で商標登録され、エチオピアは、 スターバックスなど60社以上とライセンス契約を締結している。

値上げ

この戦略は効を奏し始めている。エチオピアの知的所有権管理当局のゲタ チュー・メンジスティー代表によると、イルガチェッフェ地方の農民の収入は 1ポンド当たり最大2.20ドルと、過去1年間の平均である1.25ドルから増加 した。一方、スターバックスは昨年7月、コーヒー1杯当たりの価格を平均9 セント値上げした。値上げは1年以内で2回目だった。発展途上国の知的所有 権取得を支援する団体、ライト・イヤーズ(ワシントン)の戦略計画担当ディ レクター、ポーリン・ティフェン氏は、商標登録により、値上げは加速する可 能性があるとみている。

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