債券は軟調か、大幅利下げ観測後退で米債安-1.4%は押し目買い(2)

債券相場は軟調(利回りは上昇)な展開が 予想される。前日の米国市場で、大幅利下げ観測の後退などを背景に米国債が 続落ししており、円債市場でもこうした地合いを引き継ぎ、売りが先行しそう。 もっとも、投資家の潜在需要は強いとみられ、新発10年債利回りが1.4%付近 に上昇すれば押し目買いが期待される。

みずほインベスターズ証券の井上明彦マーケットアナリストは、米債下落 を受けて弱含みの展開となり、新発10年債利回りは1.4%を試すと予想。ただ、 期初の買いや押し目買い姿勢が強まるとみられ、「金利の最近のレンジの上限を 抜けるには至らない」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日の通常取引終値138円89銭を下回 って始まった後、日中は138円50銭から138円90銭程度で推移すると見込ま れる。17日のロンドン市場で6月物は、東京終値から4銭安い138円85銭で引 けた。清算値は138円82銭。

前日の債券相場は大幅安。16日の米国市場で、金融機関などの決算を好感 して株高・債券安となった地合いを継続した。日経平均株価も大幅に続伸した ことで、先物や中期債を中心に売りが膨らんだ。先物中心限月は3月上旬以来 の安値をつけたほか、新発5年債利回りは約1カ月半ぶりに0.9%台に上昇した。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、前日の弱 い地合いに加え、米国債が短期ゾーンを中心に下落したと指摘。「従って、きょ うもベア・フラット(平たん)化が先行するだろう。10年債利回りの1.4%前 後の押し目買い需要も相当に強そうだ」とみている。

この日は日銀支店長会議が日銀本店で開催され、白川方明日銀総裁が開会 のあいさつを行う。午後は「地域経済報告(4月)」が公表される。

また、米国市場では、米金融機関大手、シティグループの決算発表が予定 されている。

新発10年債利回りは1.4%付近に上昇も

現物債市場で新発10年物の291回債利回りは、前日の終値1.375%を若干 上回って始まり、日中ベースでは1.3%台後半から1.4%付近で推移しそう。新 発10年債利回りが1.4%台で取引されると、2月28日以来となる。

JPモルガン・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、国部真二 氏は、「10年債の1.4%とか、5年債の0.9%は買いのポイント。押し目買い意 欲は基本的にはしっかりしており、上がったところは絶好の買い場である」と みている。

日本相互証券によると、17日の業者間取引で新発10年物の291回債利回り は、前日比3ベーシスポイント(bp)高い1.37%で取引開始。いったん1.38% まで上昇したが、そこでは押し目買いが入り、1.37%に戻した。午後に入ると 再び売りが増えて、1.385%まで上昇。新発10年債として、3月6日以来の高 い水準をつけた。結局、3.5bp高い1.375%で引けた。

一方、10年物国債の291回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)による1.375%だ った。

米国債は続落-大幅利下げ観測が後退

17日の米国債相場は続落。利回りは今年2月以来の最高に押し上げられた。 大幅利下げ観測が後退したことが背景。トレーダーは来月以降、連邦公開市場 委員会(FOMC)が利下げを停止するとの見方を強めた。2年債は4日続落。 ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)の上昇をきっかけとしたスワップスプ レッド急伸に対し、ヘッジ策として国債が売られたことも2年債を押し下げた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後4時3分現在、 2年債利回りは前日比12bp上昇し2.10%。10年債利回りは3bp上げて3.72%。

一方、米株式市場ではS&P500種株価指数、ダウ工業株30種平均ともほ ぼ変わらず。製薬最大手ファイザーの利益が市場予想を下回り、フィラデルフ ィア連銀製造業景況指数が予想よりも悪化したことが上値を抑えた。一方、I BMの決算は予想を上回り、相場を下支えた。

(前日の債券価格)                      前日比        利回り
長期国債先物6月物         139.89       -0.60         1.519%
売買高(億円)             52758
10年物291回債             99.35               1.375%(+0.035)
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