4月17日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:総じて軟調。S&P500種株価指数はほぼ変わらずで引けた。製薬 最大手ファイザーの利益が市場予想を下回り、フィラデルフィア連銀製造業 景況指数が予想よりも悪化したことが上値を抑えた。一方、IBMの決算は 予想を上回り、相場を下支えた。

ファイザーは10年ぶりの安値。後発医薬品(ジェネリック)との競合激 化で減収となったことが嫌気された。携帯電話端末メーカー最大手、フィンラ ンドのノキアが発表した1-3月(第1四半期)決算がアナリスト予想を下回 ったため、競合する米モトローラも下落した。一方、IBMは上昇し、ダウ工 業株30種平均を下支えた。同社は2008年通期の収益見通しを上方修正した。

S&P500種株価指数は0.85ポイント高の1365.56で終了。ダウ工業 株30種平均は1.22ドル高の12620.49ドル。一方、ナスダック総合指数は

8.28ポイント(0.4%)下落し2341.83で終えた。ニューヨーク証券取引所 (NYSE)の騰落比率は7対5。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングス傘下、ニューバーガー・バーマ ンのポートフォリオ戦略のディレクター、チャールズ・レインハード氏はブル ームバーグテレビジョンとのインタビューで「アナリストは非常に暗い決算発 表シーズンを予想しており、ポートフォリオマネジャーも同様だ」と指摘しな がらも、「市場は多くを織り込んでいる」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、S&P500種構成銘柄のうち、今のと ころ61社が第1四半期決算を発表。平均で26%の減益になっている。特に金 融機関が不調で、26社の平均は67%の減益。

減益懸念

S&P500種は3月10日に付けた安値から7%戻しているものの、年初 からはまだ7%安となっている。来四半期も減益見通しが示されるかどうかに 注目が集まっている。ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは 14日、この決算シーズンがひどい滑り出しになったと指摘。モルガン・スタン レーは減益が「長引く」可能性があるとの見解を示した。

グーグルは通常取引終了後の時間外取引で12%上昇。1-3月(第1四半 期)は30%の増益となり、アナリスト予想を上回った。米国の広告支出が鈍化 したものの、海外での拡大が補った。

ファイザーは3.3%安と、ダウ平均の構成銘柄で下落率首位となった。 18%の減益となり、アナリスト予想も下回った。主力薬品のコレステロール降 下剤「リピトール」と血圧降下剤「ノルバスク」の後発医薬品との競合が激化 した。

モトローラ、eベイ

モトローラは下落。競合するノキアは携帯電話端末市場が今年、ユーロ建 ての金額ベースで縮小するとの予想を発表した。ノキアの米国預託証券(AD R)も下げた。

インターネット競売最大手、米eベイは下落。1-3月(第1四半期)決 算は、一部項目を除いた利益がアナリスト予想を上回ったものの、米国の景気 減速が収益に影響を及ぼす可能性があるとの認識を示した。

ハーレー・ダビッドソンも安い。08年の減益率が最大20%に膨らむと予 想。人員削減と出荷減少も明らかにした。1月時点では最大7%の増益を見込 んでいた。

資本財株も安い

ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)を中心に資本財株も下げた。フィ ラデルフィア連銀の製造業景況指数がマイナス24.9と、2001年以来の低水準 となり、エコノミスト予想のマイナス15.0を下回ったことなどが資本財株に売 りを誘った。失業保険継続受給者総数は298万4000人と、04年6月以来の高 い水準となった。

IBMは2.2%上昇。4―6月(第2四半期)と08年12月通期の見通 しが市場予想を上回った。1-3月(第1四半期)の売上高は6%増加。ドル 安の恩恵で海外売上高は16%増加した。

○米国債:相場は続落。利回りは今年2月以来の最高に押し上げられた。 トレーダーは来月以降、連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを停 止するとの見方を強めた。

2年債は4日続落し、12月以来で最長の連続安を記録。2年債利回りは前 月記録した4年半ぶりの低水準から0.8ポイント上昇した。大幅利下げ観測が 後退したことが背景。FOMCは昨年9月以降、リセッション(景気後退)回 避と融資促進を図るために連続利下げを実施、フェデラルファンド(FF)金 利誘導目標は計3ポイント引き下げられ2.25%に設定された。ロンドン銀行間 貸出金利(LIBOR)の上昇をきっかけとしたスワップスプレッド急伸に対 し、ヘッジ策として国債が売られたことも2年債相場を押し下げた。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズの債券共同責任者、E・クレー グ・コーツ氏は、「不安感は後退している。市場参加者はFF金利の終着点を 見極めようとしており、おそらく2%で落ち着くとみている。そして、この先 の状況が安定し金融システムへのリスクが低くなったら、利回り1.5%の2年 債を本当に保有したいのかどうか考えるだろう」と語った。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後4時3分現在、 2年債利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇 して2.10%。2年債価格(表面利率1.75%、2010年3月償還)は約1/4下落 して99 10/32。10年債利回りは3bp上げて3.72%。

0.25ポイントの利下げ観測

トレーダーの多くは4月30日のFOMC会合では0.25ポイントの利下げ を予想している。金利先物市場動向によると、FF金利が0.25ポイント引き 下げられる確率は82%と、前週の58%から上昇した。残る18%は0.5ポイン トの利下げを見込んでいる。トレーダーの間ではFF金利が2%に引き下げら れ、年内はその水準を維持するとの見方が確率50%以上となっている。

ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズの運用担当者、 ポール・ギフォード氏は、「債券市場では投資家心理に変化が起きているよう だ。利回りがこれまでかなり急速に低下してきたので、その低利回りを正当化 するには相当悪い経済統計が必要だ」と述べた。

2年債利回りは1カ月前には1.24%と、2003年以来の低水準を記録。こ の時点ではFF金利誘導目標が4月に1.5%に引き下げられるとの見方は確率 64%だった。2年債利回りはFF金利を約15bp下回っているが、この差は 2006年半ば以来の最小に近づいている。

LIBORが上昇

ジェフリーズの米国債トレーディング責任者、トム・ディガロマ氏による と2年債利回りの上昇はLIBOR上昇も材料だったと話す。同氏は、「LI BOR市場への傾斜が急に強まっている。そのヘッジ需要があるため、短期債 には売り圧力がかかっている」と述べた。

英金融市場では、ドル建て3カ月物金利が昨年8月以来で最大の上昇とな った。英国銀行協会(BBA)が16日、実勢からかけ離れた低い金利を意図 的に提示する銀行を銀行間市場から締め出すと警告したことが響いた。BBA によると、ドル建て3カ月物ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)は前日比 9bp上昇の2.82%に達した。

2年物金利スワップスプレッド(米国債利回りとの差)は最大101.88bp に拡大(前日は96.25bp)した。

○NY外為:ドルが反発。ユーロ圏財務相会合の議長を務めるルク センブルクのユンケル首相兼財務相が、金融市場は為替相場に対す る7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の姿勢を誤解している と発言したことでドルが買われた。

ドルは対ユーロで1ユーロ=1.60ドルの節目を割り込まなかったこ とから上昇に転じ、ユンケル首相の発言が伝えられると騰勢を強めた。 ユンケル首相はドルに対するユーロのこのところの上昇は「好ましくな い方向だ」と述べた。英ポンドは主要通貨すべてに対し上昇。イングラ ンド銀行(BOE)が金融市場の低迷打開に向け、来週にも支援策を打 ち出すとの観測が背景だった。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア為替ストラテジスト、マシ ュー・ストラウス氏(トロント在勤)は「ユンケル首相の発言は、G7 声明が協調介入の可能性を示唆するものだと言っているようなものだ」 と述べた。「これを受けて条件反射的にドルの買い戻しが誘発された。 欧州中央銀行(ECB)にはユーロに関し何らかの措置を取るよう政治 的圧力が高まりつつある」と語った。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、ドルはユーロに対し1ユーロ =1.5884ドルと、前日の同1.5947ドルから0.4%上昇した。ドルは一時、 過去最安値となる同1.5983ドルを付けた。ドルは対円では0.8%上昇し、 1ドル=102円64銭(前日は同101円83銭)。ユーロは対円で前日比

0.4%上昇し、1ユーロ=163円4銭。一時は163円24銭と、1月2日 以来のユーロの高値を付けた。

英ポンドが上昇

英ポンドは対ユーロで1.3%上昇。前日は1ユーロ=80.99ペンスの 過去最安値を付けていた。BBCラジオ4は、BOEが銀行の融資拡大 を支援するために、銀行各行のバランスシート上の住宅ローン担保証券 の一部と国債を一時的に交換する計画を発表する可能性があると報じた。 英ポンドは対ドルでは前日比0.9%上昇し、1ユーロ=1.9904ドル。

G7で外為相場の「急激な変動」が世界経済を圧迫する可能性があ るとの懸念が表明された5日後の16日には、ドルは対ユーロで過去最安 値を付けた。

ユンケル首相は17日のルクセンブルクでの記者会見で、「金融市場 ならびに他の参加者がG7からのメッセージを正確かつ完全に理解して いるという印象を持っていない」と述べた。さらに、ユーロは「私が望 ましいとみなす」方向の動きになっていないと付け加えた。

ボラティリティ

JPモルガン・チェースがまとめたインデックスによると、ドルに 対する主要6通貨オプションのインプライド・ボラティリティは16日、

11.69%に上昇した。同指数は3月17日には14.48%に上昇し、この10 年間での最高水準を付けた。主要7カ国は1995年にこの水準でドル買い 協調介入を実施した。

ワコビアの上席グローバルエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏 (ノースカロライナ州シャーロット在勤)は、「ユンケル首相発言で、 一部の参加者はやや神経質になったが、市場は引き続きどの水準で各国 中央銀行が介入に入るのか試したがっている」と述べた。その上で、 「米経済をめぐる懸念が根強いため、弱い経済指標が続く限り、ドルの 続伸は予想しにくい」と付け加えた。

米フィラデルフィア連銀が午前中に発表した4月の同地区の製造業 景況指数はマイナス24.9と、2001年以来の低水準となった。同指標を 受けて、ドルは対ユーロでの上昇分を一時的に縮小した。同指数のゼロ は景況感の拡大と縮小の境目を示す。

さらに、フィッシャーシカゴ地区連銀総裁は講演で、これ以上の利 下げには消極的だと述べた。これが好感され、ドルが上値を伸ばした。

○英国債:相場は下落。イングランド銀行が来週にも信用市場の逼迫(ひっぱく) 緩和措置を発表するとの見方が広がったことが背景にある。

英公債管理局(DMO)が22億5000万ポンド(約4600億円)規模の入 札を実施したことも国債相場への下押し要因となった。

10年債利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上 げ4.65%と、6週間ぶりの高水準となった。同国債(償還2018年3月、表面 利率5%)価格は0.99ポイント低下し102.78。2年債利回りは14bp上昇し

4.14%。

○欧州債:相場は3日続落。独10年債利回りは6週間ぶりの高水準に上昇した。 欧州中央銀行(ECB)はインフレ高進のため、利下げしないとの見方が広がっ た。

16日発表された3月のユーロ圏消費者物価指数は、16年ぶりの高いインフ レを示した。ECB政策委員会メンバーのウェーバー独連銀総裁は17日、現在 の金利が「耐え難い」高水準のインフレを抑止するのに十分かどうかを検討する 方針を示したことを受け、次回の金利変更は引き上げに傾いていることを示唆し た。

ブレマー・ランデスバンク・クレディトアンシュタルトの主任アナリスト、 フォーカー・ヘルマイヤー氏は、「最新のユーロ圏のインフレ統計を受けて、近 い将来の利下げ期待が消えつつある」と指摘し、「こうした理由から欧州国債市 場は圧迫されており、さらに下落するだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時49分までに、10年債利回りは前日比4ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上げ4.07%。同国債(2018年1月償還、表面 利回り4%)価格は0.35ポイント下げ99.42。2年債利回りは12bp上げ

3.69%と、3カ月ぶりの高水準となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

種類別ニュース: 為替 NI FRX 、 NI JFRX、 NI FX NI KAWASE 経済 NI ECO 、 NI JNECO 、 NI JEALL 中央銀行 NI CEN 、 NI JCEN EMU(欧州経済通貨同盟) NI EMU 英国債 NI GLT 債券 NI BON 国債 NI GBN   欧州国債 NI EUB マネーマーケット NI MMK 英国経済 NI UKECO 米国債 NI USB 米国株 NI USS 株式 NI STK 米国預託証券(ADR) NI ADR ミューチュアル・ファンド NI FND 欧州国債 NI EUB 独債券 NI BND 仏債券 NI OAT 英国債 NI GLT 伊国債 NI BTP スペイン国債 NI SMB ベルギー国債 NI BBB オランダ国債 NI NAB 金融市場 NI JMALL 海外市況 NI TOPJF トップニュース NI TOP、 NI TOPJ 海外トップニュース NI TOPKAIGAI

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE