米メリルの1-3月:赤字、評価損65億ドル-約3000人削減へ(3)

米証券大手メリルリンチが17日発表した 2008年1―3月(第1四半期)決算は、3四半期連続の赤字となった。65億ド ル(約6660億円)を超える評価損と投資銀行の手数料収入40%減が響いた。同 社は従業員約3000人を削減すると発表した。

第1四半期の純損益は19億6000万ドル(1株当たり2.19ドル)の赤字。 前年同期は21億6000万ドル(同2.26ドル)の黒字だった。ブルームバーグが まとめたアナリスト6人の予想平均では、17億2000万ドルの赤字が予想されて いた。メリル株は一時、3.7%安となった。

ジョン・セイン最高経営責任者(CEO)は就任以来の4カ月で、120億ド ル余りの資本増強を実施し、リスク管理体制を見直した。メリルの株価は過去 1年で50%下落していた。セインCEOはこの日、厳しい状況がまだ数カ月続 くだろうとの認識を示した。

イースタン・バンク(ボストン)の投資顧問部門のマネジングディレクタ ー、ローズ・グラント氏は「現在の環境は引き続き厳しい」として、「一部の 資産の購入に投資家は依然として慎重だ。この状況はまだ続くだろう」と話し た。

ニューヨーク時間午前9時37分(日本時間午後10時37分)現在、メリル 株は79セント安の44.10ドル。一時は43.23ドルまで下げた。

メリルは第1四半期に、債務担保証券(CDO)などの住宅ローン関連証 券の評価額を26億ドル引き下げた。債務保証契約での評価損は30億ドル、レ バレッジド・バイアウト(LBO)向け融資債権では9億2500万ドルだった。 純損失に反映された評価損には、傘下部門が保有する証券の価値の31億ドル下 落は含まれない。これらの証券は会計上の分類が異なるためという。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこの日、メリルの 信用格付けを引き下げる可能性を示唆した。引き下げの場合、半年で2回目と なる。ムーディーズは「住宅ローン市場の環境悪化」とこれまで3四半期に発 表されたものに加えてさらに60億ドルの評価損の可能性を理由に挙げた。ムー ディーズは07年10月に、メリルの格付けを最上位から5番目の「A1」に1 段階引き下げた。以前の格付けは「Aa3」。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)によるメリル債の保証コス トは一時、172ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)となった。昨年11 月末は131bpだった(フェニックス・パートナーズ・グループとCMAデータ ビジョンの数字)。

第1四半期の総収入は前年同期比69%減の29億ドル。ブローカー部門の収 入は7%増え33億ドルとなった。一方、債券トレーディングは33億8000万ド ルのマイナス収入。株式トレーディングは18億8000万ドルの収入をもたらし たが、前年同期の23億9000万ドルからは減少した。債券引き受けによる手数 料収入は61%減の2億3100万ドル、株式引き受けは45%減の1億9900万ドル だった。

アージェント・キャピタル・マネジメントのシニア・ポートフォリオマネ ジャー、ケン・クローフォード氏は「メリルは収益力を示す必要がある」と述 べた。

この日発表された人員削減は、発表済みの約1000人に加わるものとなる。 同社はこれまでに、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン部門 などで削減を実施してきた。同社は人員削減に絡み4-6月(第2四半期)に 特別費用3億5000万ドルを計上する方針を示した。人員減が年間8億ドルの経 費削減につながると概算している。

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