債券は下落、米債安・株高で5年は一時0.9%台-米信用不安緩和(2)

債券相場は下落(利回りは上昇)。前日の 米国市場で、金融機関の決算などを好感し、株高・債券安なった地合いを継続。 日経平均株価が大幅続伸したことで売りが膨らみ、先物は一時139円割れとなり、 5年債利回りは1カ月半ぶりに0.9%台に乗せた。米信用不安が緩和し、米連邦 準備制度理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まっている。

三菱UFJ銀行円貨資金証券部副部長の峯島泰樹氏は、「海外要因の影響が 大きい。サブプライム(信用力の低い個人向け住宅ローン)問題による信用不安 が緩和し、クレジット市場も落ち着き、株価が戻りを試している」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比29銭安の139円20銭で寄り付 き、直後に139円25銭の午前高値をつけた。その後は、株価が上げ幅を拡大さ せたことにつれ売りが優勢となり、約1カ月ぶりに139円割れ。午前9時25分 ごろに65銭安の138円84銭まで下落し、日中ベースで3月6日以来の安値をつ けた。結局、46銭安の139円3銭で引けた。

日経平均株価は大幅続伸。前日比306円10銭高の1万3452円23銭と1万 3400円台を回復して引けた。

新発10年債利回りは一時1.38%、5年は0.9%台も

現物債市場で、新発10年物の291回債利回りは、前日比3ベーシスポイン ト(bp)高い1.37%で取引開始。その後は水準を切り上げ1.38%に上昇、11日 につけた水準に並んだ。結局、3.5bp高い1.375%で引けた。

新発5年債利回りは一時0.905%に上昇、2月28日以来の0.9%台乗せとな った。午前終値は4bp高い0.895%。

JPモルガン・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、國部真二氏 は、「10年債の1.4%とか、5年債の0.9%は買いのポイント。押し目買い意欲 は基本的にはしっかりしており、上がったところは絶好の買い場ではある。ただ し、株も戻りそうだし、短期的には金利の上昇リスクもあると思う」と指摘。

もっとも、「基本的にはファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の悪化 は続くと思うので、トレンドとしては、金利は低下方向であるという見方は変え ていない。12月までで1.2%割れもあると見ている」という。

一方、ABNアムロ証券チーフ債券ストラテジストの市川達夫氏は、「日銀 による利下げの可能性は見ていない。景気は年後半には回復すると思う。利上げ はできないにしても、利下げも正当化できなくなる。今年度中は難しいと思う が、次の変更は利上げの方向で、1年後ぐらいではないか」と予想する。

その上で、「今後1カ月ぐらいは1.3-1.5%ぐらいで推移すると思うが、 年後半からは金利は上昇するとみている。10-12月期は1.5-1.8%、来年1- 3月期には1.7-2%ぐらいをみている」と語った。

市場では、「10年債は1.4%台が目先のレンジ上限とみられているので、そ の辺に近づけば買いたい人は多いのではないか。1.4%近辺で1回止まり、その 先は海外動向をみてから」(峯島氏)との声も聞かれた。

米利下げペース鈍化・打ち止め観測も

16日の米国債相場は続落。10年債利回りは7週間ぶりの高水準に押し上げ られた。株式相場上昇や原油高を背景にトレーダーは連邦公開市場委員会(FO MC)による利下げ幅見通しを縮小した。

BGキャンター・マーケット・データによると、10年債利回りは前日比8 bp上昇して3.68%程度。2年債利回りは11bp上げて1.98%程度。

金利先物市場動向によると、4月30日のFOMCでフェデラルファンド (FF)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられ1.75%に設定される確率は 20%。0.25ポイントの利下げは80%の確率となっている。

野村証券チーフストラテジストの松沢中氏は、市場で最もハト派と目されて いるイエレン・サンフランシスコ地区連銀総裁が、長期間に低金利を維持し過ぎ ることでインフレ高進を招かないようにする必要があると発言したことに触れ、 「FRBの利下げ打ち止め期待を高める材料となった」と分析した。

(債券価格)                            前日比        利回り
長期国債先物6月物         139.03       -0.46         1.508%
売買高(億円)             29976
10年物291回債            99.35               1.375%(+0.035)

--共同取材:Teso Yumi Editor:Hidenori Yamanaka, Tetsuzo Ushiroyama

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