日本株は3連騰、米金融決算の悪化限定で金融や輸出高い-トヨタ上昇

午前の東京株式相場は3連騰で、TOP IXは一時7営業日ぶりに1300ポイントを回復。米銀大手JPモルガン・チ ェースなど米企業業績の悪化が限定的だったことから、信用収縮懸念や企業業 績の先行き不透明感が後退した。みずほフィナンシャルグループが5連騰とな るなど、銀行やその他金融、証券、不動産株などが急伸。今期営業利益が2割 減益の見込みと一部報道で伝えられたトヨタ自動車は、業績悪化は時価に反映 済みとして6日ぶりに5000円を回復した。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、 「米国金融セクターは業績回復には時間がかかるものの、これから明らかにな る業績悪化や追加損失に市場が驚くことはならないだろう」との見通しを示し た。外国人投資家は日本株のバリュエーションを無視してこれまで売り込んで きたとし、「見直しがあれば、日本株は戻ってしかるべき」(同氏)という。

日経平均株価の午前終値は前日比306円10銭(2.3%)高の1万3452円 23銭、TOPIXは27.97ポイント(2.2%)高の13299.85。東証1部の売買 高は概算で8億7955万株、売買代金は同1兆951億円。値上がり銘柄数は 1382、値下がり銘柄数は232。

東証業種別33指数では値上がりが31、値下がりが2。電気機器、銀行、 輸送用機器、機械、化学、鉄鋼、不動産が高い。半面、食料品と陸運の景気動 向に左右されにくいディフェンシブ関連業種が下げた。

波乱なしが好材料

金融不安が最悪期を脱したとの見方から、戻り相場への期待感が高まった。 JPモルガンが16日に発表した1-3月決算は前年同期比50%減益ながら、 1株利益は市場予想と一致した。米銀大手ウェルズ・ファーゴも減益決算なが らアナリスト予想は上回った。JPモルガンのダイモン最高経営責任者は、信 用市場の危機は80%終了した可能性もあると発言。追加損失に伴う信用不安 に対する事前の警戒が強かっただけに、悪材料が出なかったことが好材料との 受け止め方が広がっている。

きのうの米国株相場は、金融決算を受けて上昇後、地区連銀経済報告(ベ ージュブック)が経済活動の悪化を指摘して一時は伸び悩んだものの、下値の 堅さを確認して再度上げ幅を拡大した。本格化している米企業決算では、前日 の半導体最大手インテルや16日取引終了後のコンピューターサービス最大手 IBMなどがそろって先行きに強気の見通しを示唆。「米国の景況感は足元が 厳しいながらも、先行き改善を後押しする内容として相場全体にプラスに働い ている」(大和証券SMBCグローバル・プロダクト企画部の高橋和宏部長) という。

日経平均は今月に入り75日線を上限、25日線を下限とするボックス圏で の推移が続いていたが、きょう午前は75日線(1万3354円)を上回った。一 方、米ダウ工業株30種平均も16日終値は2月以降の上値抵抗ラインに接近し つつある。米金融決算では17日にメリルリンチ、18日にシティグループが予 定されており、予想外の悪材料とならなければ日米とも相場の流れが変わる可 能性があるとの期待が出ている。

金融と輸出が主導

幅広く上昇した中で、業種面で上げを主導したのは金融収縮懸念で売り込 まれていた業種。特に金融株と輸出関連株の上昇率が高くなった。銀行株では みずほフィナンシャルグループが5連騰、三菱UFJフィナンシャル・グルー プや三井住友フィナンシャルグループも3連騰となった。フィッチ・レーティ ングスが長期発行体デフォルト格付けを引き上げたスルガ銀行も急伸。その他 金融や証券もそろって高い。住友不動産が売買を伴って3連騰し、東証1部の 上昇率上位にゼクス、ジョイント・コーポレーション、ゼファーが入るなど、 同じく信用不安で下げがきつかった不動産株も大幅高。

輸出関連では、IBMが08年通期利益について従来の自社目標を上回る との見通しを示唆したことも電機株に追い風となった。また、09年3月期の 業績悪化報道を受けたトヨタ自動車が3連騰となるなど、業績悪化に対する株 価の抵抗力を改めて確認した。

イワキが値上がり1位、食品株は安い

個別に材料が出た銘柄では、08年11月期の連結純利益が大幅な増益に一 転する見通しのイワキが急騰し、東証1部値上がり率1位。08年3月期の連 結営業損益が黒字になったもようと17日付の日本経済新聞朝刊が報じたNE Cエレクトロニクス、米半導体装置メーカーに対して買収交渉に誠意持って臨 むようあらためて要求した住友重機械工業がそれぞれ急伸した。09年2月期 の連結純利益は、2期ぶりに黒字浮上見通しのベスト電器は大幅続伸。

このほか東証1部値上がり率上位では、日本精工やTHK、SMCなど機 械株も目立った。UBS証券では、決算発表を境として機械セクターでは短期 的に売られ過ぎた銘柄を中心に買い戻すリターンリバーサルの動きが増えるだ ろうと指摘している。

半面、JTやキリンホールディングス、味の素など食品株が安い。08年 11月期の連結最終利益を下方修正したアルテックが急落。08年3月期の連結 純利益が従来予想を下回ったもようと発表した興銀リース、08年3月期連結 経常利益予想を減額した五洋建設なども軟調。

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