トヨタ株は5000円回復、今期の2割減益報道は反映済みの見方(3)

自動車販売で世界2位のトヨタ自動車の株 価が続伸し、6営業日ぶりに5000円台を回復。今期(2009年3月期)の連結経 常利益が、急激な円高や米国景気減速の影響で約2割の減益になる見通しと17 日付の日本経済新聞朝刊が報じたが、すでに現状水準には反映済みとの見方がア ナリストの間から示されている。信用収縮不安の後退で日米株式相場が急伸、目 先のドル安不安が和らいでいることも、株価指数への寄与度が大きいトヨタ株に は支援材料となった。

この日の取引でトヨタ株は買い気配で始まり、午前9時10分に前日比110 円(2.3%)高の4990円で寄り付いた。その後は一時170円(3.5%)高の5050 円まで上げ、取引時間中としては今月9日以来の5000円回復。午後の取引でも 5000円台に乗せて推移している。

17日付の日経新聞朝刊によると、トヨタの今期の連結営業利益は1兆7000 億-1兆8000億円にとどまり、前期(08年3月期)推定値の2兆3000億円か ら約2割減る公算が大きくなったという。この報道に対し、トヨタ広報部は「前 期業績および今期見通しについては5月8日に発表する予定であり、それまでは コメントできない」(橋本史織氏)としている。

クレディ・スイス証券の遠藤功治シニアアナリストは、トヨタの今期の連結 営業利益を1兆8500億円、前期は2兆4000億円と予想。遠藤氏は「円高や米景 気などの影響を踏まえると、2割減益になる見通し。しかし、現在のトヨタの株 価水準は今期2割減益になることをすでに織り込んでいるのではないか」と見る。 またきょうの値動きは、「前日の米株価、為替水準も支援材料になっている」と 話した。

トヨタ株の過去半年のチャートを見ると、高値は昨年11月1日の6790円で、 安値は4月14日の4800円。29%調整し、同期間のTOPIXの下落率24%を アンダーパフォームしている。

ブルームバーグニュースが集計した(17日午後1時40分時点)アナリスト 22人の業績予想の平均値で今期の営業利益は2兆1013億円が見込まれている。 22人による前期営業利益の予想平均値は2兆3499億円となっており、これをベ ースに算出すると、今期の営業利益は前期比11%減となる見通し。

富国生命保険の桜井祐記財務企画部長は、「前期は米国でのニーズが高く輸 出が増えた上、為替の影響で利益が上がった。今期は個人消費の冷え込みで米国 販売が減少する。新興国で伸ばしても、米国の減益はカバーできないだろう」と 指摘。今後減益率の着地点を探るには、米景気動向や為替がポイントになる。

ホンダ株も急伸、2週間ぶりに高値に

この日の取引では、ホンダ株も大幅続伸している。一時、同200円 (6.9%)高の3100円まで上昇し、取引時間中としては今月2日以来の水準を回 復した。ホンダ株の値動きについて、クレディS証の遠藤氏は「トヨタの今期業 績が株価に織り込まれている水準になるとの報道を受けて、ホンダにも買い安心 感が出ている」と指摘していた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE