旭硝子:北米5工場停止、サブプライム余波で-製造業も収益影響(3)

液晶用ガラス生産で世界2位の旭硝子は、北米 での板ガラス事業を再編する。米サブプライム問題の余波による住宅市場の不振や 原油高による採算悪化に対応、板ガラスを製造する5工場の生産を停止して建築用 加工ガラス事業は売却する。北米事業の低迷でトヨタ自動車は今期減益予想が出る など、サブプライムの悪影響が日本の製造業の事業や収益にまで広がり始めている。

東証で17日開示した資料によると旭硝子は、米国とカナダの板ガラス3工場の 生産を年内に停止する。北米のガラス生産能力は4割減る。建築用コーティングラ イン2工場も停止する。建築ガラス事業は売却して、成長が期待できる太陽電池用 ガラス、自動車用ガラス素板や建築用付加価値製品に経営資源を集中させていく。

信用力の低い個人向け住宅ローンのサブプライム問題の影響で、米住宅市場は 不振が際立っている。3月の住宅着工件数は前月比12%減の94万7000戸と17年ぶ りの低水準。さらに板ガラスは原料や材料、燃料費高騰でコストも上昇している。

日野自動車は米国で16日、北米商用車需要減でカリフォルニア工場を閉鎖、業 務をウェストバージニア工場に移すと発表した。日野自の親会社トヨタは、北米の 販売低迷や円高で今期(2009年3月期)は減益とアナリストは予想している。

大和総研の安藤祐介シニアアナリストは16日のブルームバーグテレビジョンの インタビューで、旭硝子は、板ガラスが営業利益の3割を占めているとしてリスト ラ実施を指摘していた。そのうえで「液晶用ガラスの収益が貢献して第1四半期 (1-3月期)は30%以上の増益を確保した」とも予想した。

旭硝子はこの北米事業再編で、第2四半期(4-6月)に135億円の特別損失 を計上する。今期(2008年12月期)収益予想には織り込み済みで、業績修正はしな い。

サブプライムの影響ではすでに、みずほフィナンシャルグループといった金融 機関や消費者金融の武富士が損失を計上、不動産ファンドのレイコフは民事再生手 続きを迫られた。

旭硝子株の終値は、前日比33円(2.8%)高の1215円。

--共同取材 東京 松井玲 Editor : Tetsuki Murotani Kenshiro Okimoto

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