バークレイズ証:長期金利は世界的に反転上昇を予想―悲観の最終局面

バークレイズ・キャピタル証券は16日、 「世界見通しカンファレンス」を都内で開催。同証券チーフストラテジストの森 田長太郎氏は、「金利市場は、悲観シナリオの最終局面にある。米国経済は、今 後1-2四半期は景気後退モードが続くが、底から脱しつつある。世界的に長期 金利は3月ごろに底を形成し、反転して上昇してくる可能性がある」と指摘した。

森田氏は、日本の長期金利も今年度末に2%前後に上昇すると予想、①株価 の極端なアンダーバリューからの反転②郵貯資金の市場への流入が減少③テクニ カルな観点から長期サイクル反転のタイミング④インフレ・プレミアムが徐々に 復活-などを要因に挙げた。

また、11日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)声明を受けて、 「ドル安を阻止してグローバルに資金を調達し、金融機関の民間ベースでの資本 増強を全面的に支援するというメッセージ。ドル安リスクがある中では、資本調 達にもリスクが出る」と解説、「いずれドルの上昇が起きてくるだろう」と述べ た。

フェデラルファンド(FF)金利先物では、米金融政策について、4月に

2.25%から2%へ、25ベーシスポイント(bp)の利下げを織り込んでいるとい う。

米国株は下落の可能性

一方、チーフ外債ストラテジストの高橋祥夫氏は、米国の株式市場では需給 面の下支え材料が一服するリスクを挙げ、米国株の下落を予想した。

高橋氏は、米国経済は、流動性対策や減税などの政策効果により、年央には いったん回復に向かう見通しとしながらも、企業の内部留保が急減していること や自社株買いが減少に向かう公算が高いことなどから、「金融不安と関係なく、 米国株は下がると思う」と述べた。

また、「インフレ上昇が問題になってくる」と分析しており、物価連動債の 上昇やイールドカーブ(利回り曲線)がスティープ(傾斜)化するとの見方を示 した。

欧州中央銀行(ECB)の金融政策に関しては、①スペインなどの住宅市場 の減速や金融機関の問題②ユーロ高による輸出の悪化などを背景に、「早ければ 9月に利下げに転換する」と予想した。

中国経済については、これまでの引き締め政策の効果が表れ、2008年の実 質国内総生産(GDP)は前年比プラス8.8%と前年(プラス11.4%)から鈍化 を予想。もっとも09年は、前年比プラス9.5%へ再加速する見通し。

今年後半に米地方銀行の破たんの可能性も

証券化調査責任者の田崎敬浩氏は、今後の米国の企業倒産に関連して、08 年後半までに地方銀行などで破たんが起きる可能性があると予想。また09年前 半にはオールドエコノミー銘柄、09年-10年には大型LBO(レバレッジドバ イアウト)の破たんの可能性を挙げた。

チーフエコノミストの森田京平氏は、日本経済について、08年度の実質国 内成長率(GDP)をプラス1.4%、09年度はプラス1.8%と予想。「輸出は08 年後半から加速し、1四半期程度の遅れを伴って民間設備投資も持ち直しに向か う」との見方を示した。

リスク要因としては、①米国経済の腰折れ②幅広い通貨に対する円高③株式 市場の底割れ―を挙げた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE