日本株は3連騰へ、米金融決算の悪化限定-信用懸念後退で全面高公算

東京株式相場は続伸し、2週間ぶりの3 連騰となる見込み。米銀大手JPモルガン・チェースなど米企業決算が予想以 上に悪化しなかったことで、信用収縮懸念が後退しそう。三菱UFJフィナン シャル・グループなど銀行株のほか、証券や保険、不動産、トヨタ自動車やキ ヤノンといった輸出関連株まで幅広く買いが先行しそうだ。

野村証券金融経済研究所の若生寿一シニアストラテジストは、「米国で信 用収縮懸念が緩和された上、ドル安も一服しており、日本株にとって追い風に なる」との見通しを示した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6月物の16日清算値は1万 3510円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3200円)に比べて310円高 だった。日経平均株価が心理的節目である1万3500円台を回復すれば、2月 29日以来、約1カ月半ぶりとなる。

「信用市場問題は解決へ」

JPモルガンの1-3月決算は、前年同期比50%の減益となった。サブプ ライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンなどに絡む評価損と貸倒引当金で 51億ドル(約5160億円)を計上したことが響いた。ただし、1株利益はブル ームバーグがまとめたアナリスト予想平均と一致。ダイモン最高経営責任者は 信用市場の危機は80%終了した可能性もあると発言。「問題は解決に向かって いる」と述べた。また、米銀大手ウェルズ・ファーゴも減益決算ながらアナリ スト予想を上回った。

注目された金融機関の損失が市場予想の範囲内にとどまったことで、株価 の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティ リティ指数(VIX指数)は今年の最低水準に低下。信用収縮への警戒が和ら ぎ、米国株も大幅高となった。外国為替市場も落ち着いた動きとなっており、 18日のシティグループまで続く主要金融機関の決算についてひとまず安心感が 出たことは、金融や輸出を中心とした日本株全体の底上げにつながりそうだ。

17日付の日本経済新聞朝刊は、トヨタ自動車の09年3月期(米国会計基 準)の連結営業利益が1兆7000億-1兆8000億円程度にとどまり、前期推計 (2兆3000億円弱)から約2割減る公算が大きくなったと伝えた。もっとも、 業績悪化を懸念して14日には株価が先行して52週安値まで下落していたこと もあり、大きな売り材料とはならない見込み。

また、コンピューターサービス最大手の米IBMが16日発表した1-3 月決算は、海外での受注拡大に支えられ、純利益がアナリスト予想を上回った。 08年通期の利益は、従来の自社目標を上回るとの見通しも示した。これを受け て同社の株価は時間外取引で一時、3%上昇した。きのうのインテルに続いて 製造業の決算内容も安定していることで、景気や企業業績の悪化は事前に懸念 されたほど悪くない、との観測が強まるとみられる。

米主要株価3指数の16日終値は、S&P500種株価指数が30.28ポイント (2.3%)高の1364.71、ダウ工業株30種平均は256.80ドル(2.1%)高の

12619.27ドル、ナスダック総合指数は64.07ポイント(2.8%)高の2350.11。 前日の取引終了後に発表されたインテルの売上高見通しも指数を押し上げた。

レンジ上抜けの可能性も

テクニカル面では、日経平均は今月に入って75日線(1万3382円)を上 限、25日線(1万2783円)を下限とするボックス圏での推移が続いていた。 きょう終値で75日線を上回るようなら、「重要節目が集中する1万4000円- 1万4200円どころへ戻りを試す展開が続く」(野村金融研の山内正一郎テク ニカルアナリスト)との見方も出ている。1万4105円は2月27日の戻り高値 であるほか、1万4215円は07年2月高値から08年3月安値までの下げ幅の

38.2%戻しの水準。

日本株への見方が改善

米大手証券メリルリンチが16日発表した機関投資家を対象にした調査に よると、欧州株や新興国株への見方が悪化する半面、米国株や日本株への見方 が改善した。今後1年間の日本経済への見方(「強くなる」-「弱くなる」) は3月のマイナス56%から4月はマイナス44%へと昨年10月以来の改善を示 した。日本株のポジション(「オーバーウエート」-「アンダーウエート」) はマイナス27%からマイナス25%と依然アンダーウエートが続いているもの の、アンダーウエート幅は昨年12月以来の縮小となった。

ダイハツデ、ベスト電など上昇へ

個別に材料が出た銘柄では、08年3月期業績が従来計画を上回ったもよう のダイハツディーゼル、09年2月期の連結純利益は2期ぶりに黒字に浮上する 見通しのベスト電器、09年3月期純利益は前期推定比12%増になりそうだと 17日付の日本経済新聞朝刊が報じた東急不動産などが高くなりそう。大和総研 が2段階格上げした日立ソフトウェアエンジニアリングも上昇の公算。

半面、08年3月期連結経常利益が従来計画を下回ったもようの五洋建設、 08年3月期の業績予想を下方修正したユニチカなどは軟調が予想される。

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