4月16日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:大幅続伸。インテルやJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ の四半期決算に対する明るい見方が広がり、景気減速が企業収益の足を引っ張る との懸念が緩和したため、買いが膨らんだ。

インテルは1月以来の大幅高。売上高には景気悪化の影響が出ていないと の認識を示したことが買いにつながった。JPモルガンはジェイミー・ダイモ ン 最高経営責任者(CEO)が信用市場危機は終わりに近いとの考えを明らか にしたことが買いを誘った。西海岸最大手の銀行、ウェルズ・ファーゴも上昇 した。カリフォルニア州の住宅価格下落による損失が限定的だったことが背景。

S&P500種株価指数は30.28ポイント(2.3%)高の1364.71で終 了。ダウ工業株30種平均は256.80ドル(2.1%)高の12619.27ドル。ナ スダック総合指数は64.07ポイント(2.8%)上昇し2350.11で終えた。ニ ューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は8対1。

プロビデント・インベストメント・カウンセル(カリフォルニア州パサデ ナ)の運用担当者、リチャード・キャンパーニャ氏は「幅広く買いが入ってい るのは良いことだ。上昇基調に入るためにはけん引する銘柄の裾野が広がる必 要があるが、きょうはそういう状態になった」と述べた。

3月の住宅着工件数と許可件数がともに市場予想を下回り、米連邦準備制 度理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)が「前回 報告時から経済状況は弱まってきた」と記述したものの、材料視されなかった。

ボラティリティの低下

株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)の ボラティリティ指数(VIX指数)は今年の最低水準に低下。NYSEの出来 高は約14億株と過去3カ月の平均を11営業日連続で下回った。

インテルは5.8%高。S&P500種の半導体株指数のけん引役となり、同 指数は4.7%高と、過去4年で最大の伸びを示した。1-3月期の売上高は前 年同期比9.3%増の96億7000万ドルとアナリスト予想を上回った。4―6 月期(第2四半期)の売上高見通しも90億-96億ドルと予想を上回った。ポ ール・オッテリーニCEOは15日、欧米では景気減速の影響を受けていない と述べた。

ファースト・ソース・バンクのポートフォリオマネジャー、マイケル・シ ニック氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「企業や個人は引 き続きマイクロプロセッサー(MPU、超小型演算処理装置)を必要とするだ ろう」と指摘。2001年の米国のリセッション(景気後退)時よりも「現在の 需要の方がはるかに世界的に広がっている」と語った。半導体製造装置大手の KLAテンコアは8.4%高。

「解決に向かっている」

JPモルガンも上昇。1-3月(第1四半期)決算は、前年同期比50%の 減益となった。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンやホームエ クイティ(住宅の持ち分担保)ローンなどに絡む評価損と貸倒引当金で51億 ドル(約5160億円)を計上した。純利益は1株当たり68セントと、ブルー ムバーグがまとめたアナリスト予想平均と一致。トムソン・ファイナンシャル のまとめた調査を4セント上回った。

JPモルガンのダイモンCEOは電話会議で、信用市場の危機は80%終了 した可能性もあると発言。「問題は解決に向かっている」と述べた。

ウェルズ・ファーゴも減益決算ながらアナリスト予想を上回ったため、買 いが優勢になった。

ビンガム・オズボーン・アンド・スカーボローで運用に携わるジェニファ ー・エリソン氏は「金融機関の決算は非常に悪いが、予想されたほど悪くはな かった。市場はそれを好感したようだ」と述べた。

コカ・コーラは0.3%高。ドル安のほか、メキシコでの炭酸飲料の売り上 げが伸び、純利益は予想を上回った。

IBMは2.8%上昇した。1-3月(第1四半期)決算は利益、売上高と もにアナリスト予想を上回った。海外での受注拡大が寄与した。

○米国債:相場は続落。10年債利回りは7週間ぶりの高水準に押し上げられた。 株式相場上昇や原油高を背景にトレーダーは連邦公開市場委員会(FOMC)に よる利下げ幅見通しを縮小した。

アリジアント・アセット・マネジメントの最高投資責任者、アンドルー・ハ ーディング氏は、「根底にあるのは、今は市場回復の過程にあるとの確信だ。私 はFOMCがここから先、さらに大幅に利下げする必要はないとみている」と語 った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時 10分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)上昇して3.68%。10年債価格(表面利率3.5%、2018年2月償還)は 約5/8下落して98 15/32。2年債利回りは11bp上げて1.98%。

ドイツ銀行の富裕層向け資産運用部門で債券トレーディングの責任者を務め るゲーリー・ポーラック氏は、「これまで債券相場はかなり上昇しており、 利回りが低下するにも限度がある。本日のように株式相場にとって支援材料 が出てきた日は、代わりに債券が売られるのは当然だ」と語った。

鉱工業生産指数

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した3月の米鉱工業生産指数(製造 業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)は前月比0.3% 上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は

0.1%低下だった。

ニューヨーク原油相場は一時、バレル当たり115.07ドルの最高値を更新し た。

金利先物市場動向によると、4月30日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられ1.75%に設定される確率 は20%。0.25ポイントの利下げは80%の確率となっている。

「次のバブルは米国債だ」

米資産運用会社ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(C EO)は1-3月(第1四半期)決算発表後のアナリストや投資家との電話会見 で、「次のバブルは米国債だ」と指摘した。

FRBが16日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、全 米12地区連銀のうち9連銀が今年2月以降、経済状況は悪化していると指摘し た。

米国債は一時、米商務省が午前に発表した3月の住宅着工件数(季節調整済 み、年率換算、以下同じ)が前月比11.9%減の94万7000戸と、1991年3月 以来17年ぶりの低水準だったことから、上昇する場面もあった。

○NY外為:ドルが対ユーロで過去最安値に下落。先月のユーロ圏 インフレ率が加速したことで欧州中央銀行(ECB)の利下げ観 測が弱まったことが背景。

午前中に発表された3月の米住宅着工件数は予想を倍以上上回る減 少となり、17年ぶりの低水準を付けた。同発表を受けて、ドルは対ユー ロでここ3週間で最大の下げとなり、1ユーロ=1.5979ドルに下落した。 一方、カナダ・ドルとオーストラリア・ドル、ノルウェー・クローネは 上昇。原油相場が過去最高値を更新したことが背景だった。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツの国際通貨戦略の責任 者、アラン・ラスキン氏は「ECBと米連邦公開市場委員会(FOM C)は対照的だ」と指摘。「ユーロに対するドル安は行き過ぎと感じる だろうが、トレンドはあなたの味方である」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後4時7分現在、ドルはユーロに対して前日比

1.1%下落し、1ユーロ=1.5958ドル。前日は同1.5790ドルだった。ド ルは対円では0.1%下落し、1ドル=101円69銭(前日は同101円83 銭)。ユーロは対円で前日比0.9%上昇し、1ユーロ=162円26銭。一 時は162円38銭と、1月2日以来のユーロの高値を付けた。

今月11日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で為替相場の 「急激な変動」が世界経済を圧迫する可能性があるとの懸念が表明され て以来、ドルは対ユーロで約1%下落している。

ABNアムロのシニア通貨ストラテジスト、ダスティン・リード氏 (シカゴ在勤)は「G7声明から時が経つにつれ、当面の政策には実質 的に変化がないとの認識が強まっている」と述べた。さらに「秩序のあ るドルの下落ならば、介入の可能性は依然非常に低い」と付け加えた。

ボラティリティ

JPモルガン・チェースがまとめたインデックスによると、ドルに 対する主要6通貨オプションのインプライド・ボラティリティは

11.69%に上昇した。前日は11.58%だった。同指数は3月17日には

14.48%に上昇し、この10年間での最高水準を付けた。主要7カ国は 1995年、この水準でドル買い協調介入を実施した。

ユーロは英ポンドに対しては前日比0.7%高。一時は過去最高値と なる1ユーロ=80.98ペンスを付けた。ユーロ圏のインフレ指標が材料 だった。

ノルウェー・クローネは対ドルで1ドル=4.9459クローネと、1980 年以来の高値を付けた。原油相場が前年比81%上げていることが背景。 ノルウェーは世界5位の石油輸出国。カナダ・ドルは1.7%高と7週ぶ りの大幅高、豪ドルは1.3%上昇した。

○英国債:相場は下落。株式相場が上昇したのに加え、イングランド銀が銀 行保有の住宅ローン債務削減へ措置を計画しているとの報道を受け、安全 投資としての国債需要が後退した。

この日発表された失業統計で、3月の失業手当申請者数が33年ぶりの低水 準となったことも国債相場への下押し要因となり、2年債利回りは2週間ぶり の大幅上昇となった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたところ によれば、銀行融資の再開に向け、イングランド銀は近く住宅ローン担保証券 を国債と交換する計画をまとめる見通し。

ABNアムロ・ホールディングの金利ストラテジスト、ジェイソン・シン プソン 氏(ロンドン在勤)は「リスク志向は改善している」と指摘。「市場は 短期債のロング(買い持ち)に傾いているが、こうしたポジションが手じまわ れるだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時現在、2年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上げ3.99%。一時は11bp上げ4.04%となった。 同国債(償還2010年6月、表面利率4.75%)価格は0.15ポイント低下し

101.55。10年債利回りは9bp上昇し4.51%。

○欧州債:相場は続落。3月のユーロ圏消費者物価指数が前年同月比3.6% 上昇と予想を上回り、16年ぶりの高水準となったことが背景にある。

原油相場が過去最高値を更新したのに加え、株式相場が上昇したことも国 債相場への下押し要因となった。

クレディ・スイス・グループのシニア債券ストラテジスト、ミヒャエル・ マルコビッチ氏(チューリヒ在勤)は、「4-6月(第2四半期)は国債にと っては悪い時期になる」と述べ、「商品価格の上昇が消費者物価にも波及し、 株式相場の回復が続けば国債は下落する。利回りは徐々に上昇していくだろ う」と語った。

ロンドン時間午後4時5分までに、10年債利回りは前日比7ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上げ4.03%。同国債(2018年1月償還、表面 利回り4%)価格は0.52ポイント下げ99.78。2年債利回りは10bp上げ

3.58%。マルコビッチ氏は10年債利回りが今後3カ月は4%前後で推移すると みている。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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