自民・園田氏:消費税「09年度に最低1%引き上げを」-単独会見(3)

自民党の園田博之政調会長代理はブルー ムバーグテレビジョンの単独インタビューに応じ、2009年度(同年4月1日) から基礎年金の国庫負担割合が現行の3分の1から2分の1に引き上げられる ことを踏まえ、その財源として消費税率(現行5%)を09年度に最低1%引 き上げて6%以上とするべきだとの見解を表明した。将来的な消費税率の上げ 幅に関しては、「2010年代半ばまでに5%引き上げて、10%にするべきだ」と 語った。

その上で、09年9月までに行われる次期衆院選での自民党の政権公約(マ ニフェスト)について、「消費税率引き上げの方針と、引き上げ幅も書き込む べきだ。引き上げ幅は今後の党内議論次第だ」と述べ、消費税率の引き上げを マニフェストに明記するべきだと提唱した。インタビューは11日行った。

自民マニフェストに「消費税上げ」明記

福田康夫首相は08年秋に政府、与党として消費税を含む抜本的な税制改 革の議論を行う考えを表明しており、消費税率の引き上げは、首相が先に提案 した道路特定財源の一般財源化と並んで重要な政策課題だ。しかし衆院議員の 09年9月任期満了を控え、与党内には衆院選前に増税方針を打ち出すことへの 強い反発が見込まれる。

政治・経済的に環境整わず-吉崎氏

双日総合研究所副所長の吉崎達彦主任エコノミストは「物価上昇で困って いるときに消費税を増税するのはよくないし、自民党内で簡単にコンセンサス が得られる話ではない。政治的にも経済的にも成り立たない議論ではないか」 と述べ、09年度から消費税率を上げる環境にはないとの認識を示した。

園田氏はインタビューで、次の衆院選に関して、「説明すれば(有権者 が)必ず理解してくれる政策は、選挙の前だろうと堂々とやらないといけな い」と述べ、与党内に根強い選挙前の増税先送り論をけん制。「やらなければ ならないことは正直に申し上げる。なぜ必要なのか、税全体がどうなるのかと いうことを説明しないといけない」と語った。

このため自民党のマニフェストに消費税率上げを明記することの意義とし て、「年金、医療、介護にしても、少子高齢化が進めば保険制度が成り立たな い。成り立つようにしないと国民生活の安心感につながらない。保険料収入で まかなっていけないなら、国民全体でそれを負担してほしい」と語り、社会保 障財源に充てることへの理解を求めた。

「消費税しかない」-2兆円余の財源で

園田氏は、早期の財政再建の重要性を唱え消費税率の引き上げに前向きな 議員が多数を占める自民党財政改革研究会(会長・与謝野馨前官房長官)の中 心メンバーの一人。同氏はインタビューで、基礎年金の国庫負担割合の引き上 げに伴う財源は「2兆数千億円。消費税で1%分だ」と説明。この財源の捻出 (ねんしゅつ)は「消費税しかない」と断言するとともに、同年度からの消費 税率引き上げは不可避だとの考えを強調した。

ただ消費税率を現在の5%から10%まで引き上げる手順については、1% ずつ毎年上げていく案や、5%まで一度に引き上げるが食料品などには軽減税 率を採用する案などが出ているとして、今後、議論していく方針を示した。

園田氏が消費税率引き上げを提唱する背景には、厳しい日本の財政事情が ある。国と地方の長期債務残高の合計は2008年度末で776兆円、対国内総生 産(GDP)比では147.2%の高水準となる見通しで、主要国で最悪の水準に 達している。さらなる財政悪化を防ぎ、少子高齢化に伴い膨張する社会保障費 を賄うには消費税率を上げるしかないとの理論だ。

経済協力開発機構(OECD)も7日発表した対日審査報告書で、①財政 健全化の実現には今後数年間で対GDP比6%程度の歳入が必要②OECD諸 国で最も低い消費税率を引き上げるべきだ-と指摘している。

福田首相に「不満」ないが「不安」ある-自民

園田氏は66歳。日魯漁業(現・ニチロ)でサラリーマン生活を送った後、 1986年に衆院議員に初当選。93年に自民党を離党して武村正義元蔵相、鳩山 由紀夫現民主党幹事長らと「新党さきがけ」を結成し、代表幹事に就任した。 村山富市内閣で官房副長官を務めた。99年に自民党に復党、党副幹事長などを 歴任し、2007年9月からは党政調会長代理として会長の谷垣禎一氏を補佐する 立場にある。

園田氏は、郵政民営化など構造改革路線を推進した小泉純一郎元首相と福 田首相の政権運営の相違点について、「小泉元首相は長く続いた。よく言えば リーダーシップだが、先に『結論ありき』だったので、ものすごく党内に不満 があった」と指摘。他方、「福田首相は積み上げて結論を出していくという方 法を取るので、そういう不満はない」と解説した。

その上で園田氏は、福田政権に対する支持率が30%前後に落ち込んでいる ことについて、「(自民党内は)どんどん下がっていることに不安は感じてい るが、福田首相の党内運営や政権運営に大きな不満はたまっていない。不満で はなくて不安はある」と語った。

共同取材:安真理子--Editor: Keiichi Yamamura、Hitoshi Sugimoto

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