日本株(終了)金融や電機中心に続伸、信用不安後退-米インテル好感

東京株式相場は続伸。信用収縮に対する 過度の悲観が後退し、みずほフィナンシャルグループなど銀行をはじめ、オリ ックスなどのその他金融、証券など金融株が軒並み高い。東証1部の業種別上 昇率では、首位の不動産に続き金融が上位を占めた。半導体最大手の米インテ ルの4-6月期見通しで企業業績への不安が和らぎ、東京エレクトロンやイビ デンなど半導体関連を中心とした電機株の上げも目立った。

岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋常務は、「市場は米国景気や企業業 績、金融損失を懸念しているが、それぞれかなり悲観的な部分まで株価は織り 込んでいる」との認識を示した。今週予定される米金融機関の決算については、 「損失額が明確になり、その対応とリストラの道筋さえ示せば、相場への影響 は少ないだろう」と見ている。

日経平均株価の終値は前日比155円55銭(1.2%)高の1万3146円13銭、 TOPIXは15.91ポイント(1.3%)高の1271.88。東証1部の売買高は概算 で17億9375万株、売買代金は同2兆109億円。値上がり銘柄数は1145、値下 がり銘柄数は460。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が24、値下がり業種が9。 銀行、電気機器、不動産、機械、輸送用機器、鉄鋼、化学、その他金融、証 券・商品先物取引が高い。半面、その他製品、卸売、医薬品、電気・ガス、食 料品、空運は安い。

悪材料への抵抗力示す

悪材料に対する抵抗力をうかがわせる相場となった。信用収縮懸念の後退 から、午前は金融株や不動産株が上昇をけん引。しかし昼には米紙ウォールス トリート・ジャーナル(オンライン版)が、米証券大手メリルリンチが60億 -80億ドルの評価損を追加計上する見通しと報道。午後の取引では同報道を受 けて伸び悩みはしたものの失速には至らず、銀行株はむしろ予想の範囲内とし て取引終了にかけて一段高となった。

金融株については、前日の米国市場では利益の増加から地銀株が上昇し、 証券大手米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの最高経営責任者は、信 用収縮の「最悪期は過ぎた」との見方を示したことも評価された。また、英紙 フィナンシャル・タイムズは、シンガポールの政府系投資会社が米メリルリン チに対して2月に6億ドルを追加出資したとも報じている。

前日午後に首都圏の07年度マンション販売低迷が明らかになった不動産 がきょうの東証1部業種別上昇率の1位となったほか、前日に今期の大幅減益 観測が流れた鉄鋼株も大幅続伸した。景気や企業業績、信用不安についてはな お厳しい見方が大勢ながら、「システミックリスクが峠を越えたことで、早過 ぎる下落への自律反発局面が続いている」(住信アセットマネジメントの中谷 方彦チーフファンドマネージャー)という。

この日の東証業種別33指数の上昇率上位は不動産、その他金融、銀行、 証券・商品先物の順。新光総合研究所の山本光孝クオンツアナリストによると、 東証1部企業の09年3月期業績見通しで、経常5.1%増益と試算される中、増 益率1位はその他金融の27.9%増。「これまで苦戦してきた反動増」(同氏) の側面が強いといい、業績面からも行き過ぎの修正が注視されているようだ。

ただ、米金融機関の決算では16日にJPモルガン・チェース、17日にメ リルリンチ、18日にシティグループがなお控えている。日経平均は今月に入り 25日線(16日終値で1万2783円)と75日線(同1万3382円)に挟まれたボ ックス推移が続き、「戻り相場が一服となるかどうかを決める上で、メリルと シティの決算待ち」(岡三アセットの伊藤氏)との指摘もあった。

インテル効果も

さらに、インテルの決算見通しも電機株中心に不安心理を後退させた。同 社の08年1-3月(第1四半期)決算は前年同期比で12%減益となったが、 4-6月の売上高見通しは90億-96億ドルと市場予想(92億5000万ドル) より強含みで、粗利益率も上昇する見通しを示唆。通常取引後の決算発表を受 け、同社株は時間外取引で通常取引終値比8%超まで上げ、シカゴ24時間電 子取引(GLOBEX)のナスダック100指数先物も堅調だった。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「内外の企業業績全体に対する懸念が あっただけに、インテルの業績見通しはそれをやや後退させる効果があった」 と評価、きょうの米国株市場を先取りする格好で株価が上昇したという。半導 体関連では東芝や東エレク、アドバンテスト、キヤノンなどが軒並み大幅高と なり、イビデンや新光電工、SUMCOは東証1部値上がり率上位となった。

ビクターが急伸、酉島製は最高値

個別では、14日に09年2月期営業25%増益計画を発表し、前日に値幅制 限いっぱいのストップ高となっていたわらべや日洋が続伸し、東証1部値上が り率の1位。08年3月期営業利益予想の増額評価やテレビ事業のリストラ効果 が期待された日本ビクター、08年3月期利益予想を増額した新日本空調、みず ほ証券が新規に「強い買い」としたグンゼもそれぞれ値上がり率上位となった。 高成長が見込める数少ない銘柄として継続買いを集めた酉島製作所は上場来高 値を更新した。

リンテックが下落首位、三井化学も急落

半面、08年3月期業績が未達となったもようのリンテックが急落して東証 1部値下がり率首位。午後に08年2月期業績予想を下方修正したオリンピッ ク、09年2月期の営業増益率計画が市場予想を下回ったドトール・日レスホー ルディングス、三菱UFJ証券が格下げしたマルエツなども値下がり率の上位 となった。ゴールドマン・サックス証券が格下げした三井化学は3年ぶりの安 値となり、みずほ証券が投資判断を引き下げたニッカトーも急落。

新興市場も高い

新興市場も高い。ジャスダック指数の終値は前日比0.07ポイント (0.1%)高の65、東証マザーズ指数は4.27ポイント(0.7%)高の594.33と それぞれ続伸。大証ヘラクレス指数は5.34ポイント(0.6%)高の975.26と 反発した。

個別では、08年3月期業績が計画を上回ったもようの野村マイクロ・サイ エンスと昭和真空がともに急伸。09年2月期の大幅増益を見込むディップ、丸 井グループを対象に第三者割当増資を実施するオンリー、昼にセキュリティソ フトの発売を発表したシーフォーテクノロジーはそれぞれ値幅制限いっぱいの ストップ高。08年8月期業績予想を増額し、復配も発表したサダマツもストッ プ高となった。

半面、08年3月期業績が従来計画を下回ったもようの第一商品が続落。ジ ャスダックが監理ポストへの割り当てを発表したYOZANも安い。このほか、 楽天、セブン銀行、ACCESS、デジタルアーツが下げた。

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