日本株:金融や電機中心に続伸、信用収縮と業績への過度の悲観和らぐ

午前の東京株式相場は続伸。信用収縮に 対する過度の悲観が後退し、みずほフィナンシャルグループなどの銀行株、オ リックスなどのその他金融、証券といった金融株が高い。不動産は東証1部の 業種別上昇率でトップ。また、半導体最大手の米インテルの4-6月期見通し で企業業績への不安が和らいだことから、東京エレクトロンやイビデン、新光 電気工業といった半導体関連を中心とした電機株も買われた。

住信アセットマネジメントの中谷方彦チーフファンドマネージャーは、 「信用不安や景気後退への恐怖心が強い中、システミックリスクが峠を越えた ことで、早過ぎる下落への自律反発局面が続いている」と指摘した。インテル 動向を受けた電機株の上げについては、「予想していたほど悪くないことで値 幅が出ている」(同氏)という

日経平均株価の午前終値は前日比184円4銭(1.4%)高の1万3174円62 銭、TOPIXは17.59ポイント(1.4%)高の1273.56。東証1部の売買高は 概算で8億4325万株、売買代金は同9585億円。値上がり銘柄数は1154、値下 がり銘柄数は421。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が27、値下がり業種が 6。電気機器、銀行、不動産、輸送用機器、機械、鉄鋼、証券・商品先物取引 が高い。半面、電気・ガス、その他製品、繊維製品、保険、空運は安い。

最悪期は過ぎたとリーマン首脳、テマセク

日経平均1万3000円割れの底堅さを確認し、金融不安に対する過度の懸 念もやや後退していることで金融や不動産中心に底上げの動きが広がった。前 日の米国市場では、地銀リージョンズ・ファイナンシャルやM&Tバンクなど が利益の増加から株価が上昇。証券大手米リーマン・ブラザーズ・ホールディ ングスの最高経営責任者は株主総会で、信用収縮の「最悪期は過ぎた」との見 方を示した。S&P500種株価指数は3日ぶりの反発となる中、業種別10指数 で金融は前日比1.1%高と最大の値上がりだった。

また、英紙フィナンシャル・タイムズは、シンガポールの政府系投資会社 テマセク・ホールディングスが米メリルリンチに対して2月に6億ドルを追加 出資したと報じた。同紙によると、スイスのUBSに対して1月にほぼ10億 ドルを出資したシンガポール政府投資公社(GIC)も、UBSへの追加出資 を検討中という。「メリルリンチへの買い増しを行ったことはポジティブ」 (住信アセットの中谷氏)と受け止められている。

米金融機関の決算では、16日にJPモルガン・チェース、17日にメリル リンチ、18日にシティグループが予定されている。「決算では損失額とともに、 減配や資本増強の有無についても注目される」(東海東京証券の斉木良アナリ スト)という。クレディ・スイス証券では銀行セクターについて、「ウエート 引き上げのチャンスが近づいている」などとするストラテジーリポートを15 日付で作成した。決算への警戒はなお根強いものの、信用収縮の最悪期は脱し たとの市場の期待が相場を押し上げた。

インテル効果で不安後退

さらに、インテルの決算見通しも電機株中心に指数の上げ幅を拡大させた。 同社の08年1-3月(第1四半期)決算は前年同期比で12%減益となったが、 4-6月の売上高は90億-96億ドルと市場予想(92億5000万ドル)より強 含みで、同粗利益率も上昇するとの見通しを示唆。通常取引後の決算発表を受 け、時間外取引では通常取引終値比8%超まで上げ、シカゴ24時間電子取引 (GLOBEX)のナスダック100指数先物も午前は1.4%高で推移している。

東芝やイビデン、東エレク、キヤノン、新光電工、SUMCOなど半導体 関連株が大きく上昇し、電気機器はTOPIXの上昇寄与度首位となった。丸 三証券の牛尾貴投資情報部長は、「内外の企業業績全体に対する懸念があった だけに、インテルの業績見通しはそれをやや後退させる効果があった」と評価、 きょうの米国株市場を先取りする格好で株価が上昇しているという。

わらべや上昇率1位、リンテックは下落首位

個別に材料が出ている銘柄では、14日に09年2月期の営業25%増益計画 を発表し、前日に値幅制限いっぱいのストップ高となっていたわらべや日洋が 大幅続伸で東証1部値上がり率1位。08年3月期の連結純利益従来が予想を上 回ったもようの鹿島、08年3月期利益予想を増額した新日本空調、09年2月 期の2けた営業増益を見込むエービーシー・マート、09年2月期は2期連続で 最高益を予想している良品計画などもそろって値上がり上位となった。

このほか、大和総研が格上げしたアークランドサカモト、ゴールドマン・ サックス証券が投資判断を引き上げた西松屋チェーン、みずほ証券が新規に 「強い買い」としたグンゼもそれぞれ大幅高。東証2部ではメリルリンチ日本 証券が投資判断を「買い」に引き上げたオリエントコーポレーションが上昇率 2位と急騰した。

半面、08年3月期業績が未達となったもようのリンテックが急落して東証 1部値下がり率で首位。09年2月期営業増益率が市場予想を下回ったドトー ル・日レスホールディングス、三菱UFJ証券が格下げしたマルエツ、1-3 月期が赤字の公算となった東洋証券などが値下がり率上位に入った。ゴールド マン・サックス証券が格下げした三井化学や東レ、帝人も急落。

--共同取材:曽宮 一恵  Editor:Shintaro Inkyo

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