G7声明、為替トレーダーの米ドル相場見通し変えるほどの影響力なし

7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) は11日の声明で為替相場の「急激な変動」に対する懸念を示したが、為替トレ ーダーの米ドル相場見通しを変えるほどの影響力はなかった。

G7はドルが年初から対ユーロで8.5%、対円で10.8%下落したのを受け、 声明の表現を4年ぶりに変更したが、バンク・オブ・アメリカ(BOA)とロ イヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、JPモルガン・ チェース、ゴールドマン・サックス・グループの大手金融機関4社はそろって ドル相場見通しを据え置いた。4社は為替取引高ランキングで世界10位以内。

ドイツ銀行のシニア外為ストラテジスト、アダム・ボイトン氏(ニューヨ ーク在勤)は、声明について「表現の変更はわずかだった。ドル相場の見通し に影響は及んでいない」と指摘。「G7が為替市場に影響を与えたいのなら、も っと断固たる措置を取るべきだった」と語った。

ニューヨーク時間14日午後2時27分(日本時間15日午前3時27分)現 在、ドルは対ユーロで1ユーロ=1.5818ドルと、11日の1.5808ドルから下 落。一時1.56ドルと、4月3日以来の高値を付ける場面もあった。対円では1 ドル=100円99銭と、前週末の100円95銭から小動き。

G7は声明で、前回2月会合以降、「主要通貨において時として急激な変動 があり、経済や金融の安定へ与え得る影響について懸念している」と表明。2004 年2月の米ボカラトンのG7以来維持してきた「過度の変動や無秩序な動きは 望ましくない」との表現を4年ぶりに変更した。

ドルは2月会合以降、対ユーロで8%下落して最安値を更新。対円でも6% 下落した。先月にはドル・オプションのボラティリティ(変動率)が14.5%と、 G7が最後に大規模なドル相場のてこ入れを図った1995年以来の水準に達し た。

BOAのグローバル為替戦略担当責任者ロバート・シンチェ氏は、14日付 の顧客向けリポートで「G7の合意に、他の主要通貨に対するドルの上昇を導 くような目新しさはない」と指摘。同行はドルが1ユーロ=1.60ドルを超えて 下落する可能性があると予想している。

JPモルガンのシニア為替ストラテジスト、ガブリエル・デコック氏は、 13日付の顧客向けリポートで今回のG7声明について「介入観測を高めるもの となったが、協調介入が差し迫っていることや各国の政策当局が介入をめぐる 互いの意見の相違を乗り越えたことを示すものではない」との見方を示した。

日米欧各国はユーロ買いの協調介入を実施した2000年9月以後、為替介入 を行っていない。

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