日本株:後半持ち直し反発、鉄鋼や商社高い-米決算見極めで売買低調

午前の東京株式相場は、取引後半に持ち 直して反発。値上げ交渉への期待感などから新日本製鉄など鉄鋼株が上昇。海 外原油先物価格の最高値更新を受け、収益環境に追い風と見られた三菱商事な ど大手商社もそろって買われた。安く始まった銀行株も、徐々に前日比でプラ スに転換。ただ、今週相次ぐ米国の企業決算や経済指標を確認したいとして、 売買高は引き続き低調だった。

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、「インテルなど注 目度の高い決算を控えており、引き続き米決算を見極めたい」と指摘。全般様 子見ムードが強い中で、業績悪化観測の影響が見られずに上昇した鉄鋼株につ いては、「値上げ交渉などほかの業績変動要因に関心が向かっている」(同 氏)としていた。

日経平均株価の午前終値は前日比125円49銭(1%)高の1万3043円、 TOPIXは12.39ポイント(1%)高の1258.63。東証1部の売買高は概算 で7億6698万株、売買代金は同8848億円。値上がり銘柄数は931、値下がり 銘柄数は625。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が23、値下がり業種が 10。銀行、輸送用機器、鉄鋼、卸売、電気機器、不動産、医薬品が高い。半面、 その他製品、電気・ガス、陸運、海運、精密機器は安い。

鉄鋼が値上がり首位、大手商社も高い

鉄鋼が、東証1部の業種別上昇率で首位となった。新日鉄とJFEホール ディングスの09年3月期連結経常利益は原燃料高からそろって2けた減益に なる公算が大きいと、15日付の日本経済新聞朝刊が報道。新日鉄は朝方に弱含 む場面もあったものの、その後に一時4%超まで上昇して急反発。JFEホー ルディングスも同じく反発して大幅高となった。

ちばぎんアセットの大越氏によると、「業績に対する厳しい見方は納得で きる」そうだ。その上で、「値上げや生産効率化など業績の変動要因も多く、 投資家はコストの上昇による単純計算だけで鉄鋼株を捉えていない」と強調す る。また、水戸証券の松尾十作投資情報部長は「日経報道によると、新日鉄は 08年度のコスト増加額が1兆円にもかかわらず、利益の減少額はわずか600億 円で済む」と指摘。自動車用鋼板など高付加価値製品に特化していることから、 「原料高が収益を直撃するアルセロール・ミタルなど海外の鉄鋼会社に比べ、 日本の大手鉄鋼会社の収益体質の強さが確認された」としていた。

三菱商事が5カ月ぶりの3600円台を回復するなど、大手商社も高い。14 日のニューヨーク原油先物相場は前週末比1.5%高の1バレル=111.76ドルと、 終値での過去最高値を更新。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が、対 ユーロでのドル安に歯止めをかけられなかったとの見方で買いが入った。ドイ ツ証券では14日付で、三菱商事と三井物産をそれぞれ「ホールド」から「買 い」へ引き上げ、伊藤忠商事や丸紅についても「買い」を継続。大手商社はそ ろって上げた。

米企業決算や経済指標待ち

午前の株価指数は反発したとは言え、売買高は全日立ち会いで今年最低だ った14日午前を1割上回る程度と、引き続き盛り上がりに欠ける。米国では 15日から1-3月期決算が本格化し、15日はインテル、16日はIBMやJP モルガン・チェース、17日はメリルリンチなど注目企業が数多い。

大手米銀の中で14日に先行して決算を発表したワコビアは、08年1-3 月(第1四半期)決算が米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン 問題が響いて予想外の赤字となった。日興コーディアル証券の大西史一シニア ストラテジストによると、「今週決算を迎える米商業銀行の赤字拡大が懸念さ れ、手控えムードが強い」という。

このほか経済指標では、15日に3月生産者物価指数やニューヨーク連銀景 況指数、16日には3月消費者物価指数、住宅着工・許可件数、鉱工業生産、17 日にはフィラデルフィア連銀指数などの発表が予定される。

水戸証の松尾氏は、前日発表の米小売売上高は「自動車を除けば市場予想 と一致し、方向感が出なかった」と分析。その上で、米輸入物価指数が強含み だったことから、「きょうから発表される物価動向次第では、今月以降の利下 げペースに対する市場の見方が変わる可能性がある」(同氏)と見ていた。

東エレクが大幅高、SMK値下がり1位

個別に材料が出た銘柄では、野村証券金融経済研究所が投資判断を引き上 げた東京エレクトロンなど半導体製造装置セクターが大幅高。約250カ所の全 店で安価な後発医薬品のほぼ全種類を供給できるようにした、と15日付の日 本経済新聞朝刊が伝えた日本調剤は急騰した。07年3月期までの3カ年経営計 画の目標を達成できる見通しとなり、増配も決めた東急不動産も急反発。

半面、急激な円高進行などで08年3月期連結経常利益予想が減額された SMKが急落し、東証1部値下がり率で1位となった。09年2月期営業利益が 市場予想を下回ったダイセキ、みずほ証券が格下げした日本無線、モルガン・ スタンレー証券が格下げしたクボタはそれぞれ大幅安。08年2月期が最終赤字 に転落したもようの日本マタイも下落した。

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